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逆噴射小説大賞投稿作品まとめ

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逆噴射小説大賞に投稿した自分の作品をまとめたものです。 Photo by wu yi on Unsplash
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ハル・ネッサリア制覇録”王宮狂騒”

ハル・ネッサリア制覇録”王宮狂騒”

 王宮が落ちた。

 兄である第一王子が戦死した、との報せに続いて舞い込んできた凶報に、しかし不思議と納得していた。父王が病に伏せ、第二王子は外遊とは名ばかりの人質生活。今の王都には「デブで間抜けの第三王子」である自分だけ。外戚にして宰相である、あの男が野心を顕すには絶好の機会到来、という状況だ。王宮制圧は「第三王子」の名の下に行われたそうだ。遅かれ早かれ禅譲、即位、傀儡と事態は進行していくだろう

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黄泉都法談『死に戻りの巻』

黄泉都法談『死に戻りの巻』

 黄泉都<ヨモツ>の御話を致しましょう。はい、物言わぬ屍人が物言う屍人となり、大手を振って闊歩致しております、あの街の事で御座います。此処では死して尚、刑期の明けぬ度外れた悪党共が死んだ時の姿のまま暮らし、それぞれが縄張りを作り独自の掟で牽制し合いながら小競り合いを続けております。何とも因業な場所で御座いますな。

 さても、その一角とある廃倉庫で事件が起きた様で御座います。床に転がっておりますの

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ぬっぺら功夫~急急トシテ律令ノ如クセヨ!~

ぬっぺら功夫~急急トシテ律令ノ如クセヨ!~

 大陸の東端、カミスの国。綺羅びやかな繁華街に反比例するように薄汚れた裏通り。頼りない防犯灯に照らされ、二体の異形の影が踊る。禿げ上がった猿の如き様相の一方はガニ股でユラユラと体に左右を揺らしながら、謎めいたステップを踏む。他方、軽く前後に足を開き、腰の右横に交差した腕を構えるは、中肉中背、灰褐色のシャツとズボンを纏った青年。しかして、その顔面に炯炯と輝くは火眼金睛。異相である。

「悪いがヒョウ

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我ら帝国軍第5鎧装竜騎兵中隊

我ら帝国軍第5鎧装竜騎兵中隊

 風防から臨む空は今日も青い。その眩しいほどの青空に目を凝らす。中隊長の予測が正しければ、敵の先遣隊が見えるはずだが。

 居た。ポツンと染みの様な黒点。方角から考えても味方ではありえない。やはり、あちらさんも偵察を出していたか。兎に角も発見報告を打電。すぐさまジャミング用の護符を起動させ、気球ごと切り離す。

 敵は<黒曜竜種>が一騎。低速だが大型の種で、鱗は強固であり重量級の<鎧装>を装備して

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ボクとハカセの征服日記(夏休み編)

ボクとハカセの征服日記(夏休み編)

 今日から小学校は夏休み!ハカセも論文が終わったとのことで、久しぶりに町公認秘密結社「テクノ・ノヴァ」の征服活動だ!

 早速、「ドクター・テクノ」の助手である「ポルルッカ」の衣装に着替えると、ボクとハカセはいつものグラウンドに集合した。

「それじゃ、そろそろ始めるかの」

 ハカセの言葉に頷いて、1つ深呼吸。

「出てこい、合成怪獣ガレリアーッ!」

 手足をピンと伸ばして、前に突き出した左手

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便利屋ガラン(Galan the shooter)より「ブレインレス・エレジー」

便利屋ガラン(Galan the shooter)より「ブレインレス・エレジー」

ZAP!ZAP!ZAP!

BLAM!!

「ああ、クソッ!高価かったんだぞ、コレ!!」

 飛来した粒子弾を咄嗟に腕で防いだ後、前回の報酬で新調したばかりなのに気づき、思わず俺は毒づいた。この文句を受ける権利を持つクソ野郎は、俺のブチ込んだ劣化ウラン弾で既にスクラップだ。

「っと、ヤバイヤバイ」

 スクラップから聞こえるビープ音が急速に弱くなり、俺は慌ててソイツのソケットに解析素子をねじ込む

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シャーク・バッシャー!!

シャーク・バッシャー!!

 薄暗い廃墟の中、男女が愛を囁き合っていた。その愛が今宵どころか、この刹那限りのものであったとしても二人の若さは、それを問題としないだろう。だが、次の瞬間!

CRASH!!

 壁を蹴りたて崩し、現れたのは2mを超えるであろう巨躯を持つ男!唐突に出現した怪人の頭部は謎めいた白いラバーマスクに覆われ、人相はおろか表情すら判然としない!しかし!最も異様なのは両手に抱えたサメである!

『残念だったな

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レフト・トゥ・ライト

レフト・トゥ・ライト

 大人二人がぎりぎりすれ違える幅の地下道の先、俺の反対側で同時に最後の段を降りた男が見えた。

 高価そうなスーツを着ている。パンチパーマ。色シャツ。いかにも、という感じ。

 右か。左か。

 選ばなければならない。

 俺の左手にはコンビニの袋。豆腐とハロウィンフェアのかぼちゃプリンが入っている。

 右。壁と袋の接触はご法度だ。

 対面の男は?左を選んでいた。

 つまり、俺と男は直線上に

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鋼鉄神話体系ギガリア・ヴェイン

鋼鉄神話体系ギガリア・ヴェイン

 子供の頃の夢は「巨大ロボットに乗って地球のために戦う!」だった。周りの奴らと違って夢から醒める事なく大人になった俺は、難関と呼ばれる「第一種二足歩行式重機械」の免許を取り、全長50m超の巨大ロボット「ユミル」の正式パイロットとなった。
 俺がその幸福な微睡みから叩き起こされる羽目になったのは、とある発明品「次元間転移装置」が原因だ。

 これによって、魔法使いやらドラゴンやらが跋扈するファンタジ

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ジン・ガイ・パーティ ~奇種流離譚~

ジン・ガイ・パーティ ~奇種流離譚~

 俺たちを襲ってきた集団の、おそらくリーダー格であろう、その男は目を丸々と見開き、顎が外れるのではないかと心配になるほど大きく口を開けている。「唖然とした表情」の選手権があれば上位入賞は固いのではないか、と思わせる表情だが、それも無理からぬ事だ。

 人間、ゴブリン、オーク合わせて三体を多数で囲んで叩きのめす。楽な仕事、と思っていたはずだ。だが、ゴブリンが振るう白刃によって前衛は瞬く間に壊滅し、後

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