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ペーパーバスケットは予想通りPRに効きそうだけれどその先はどうする?

数字は散々…

先月、理想として100個、目標50個ペーパーバスケット売りたいと思っていたけれど、そもそも5つくらいしか作れてないし、1つも売れていない。路上に出てないし、なにも販促の動きをしていないからそりゃそうだろって思うんだけれど悲しい。

理想の100という数字がどこからでてきたかと言うと、ひとつ15ECドルで売るとして100個売れれば月の売上は1,500ECドル。雑誌が無料手に入れば材料費は接着剤だけだだから純利益で1,400ECドル。これはこの国の平均所得レベル。協会の年間予算の7~8分の1の額を1カ月で稼ぐことができるという計算だ。理想だから、まったく現実の数字は追い付いていないけれど。

そういう夢を見ていたから、現実に落としこんだときの目標も50個なんて野心的な数字を掲げてしまった。相変わらず目標設定の甘さが光る。

隣国のセントルシアでは売れてるからこっちでも売れるポテンシャルはあるはずだから来月も継続して作っていきたいし、売っていきたいなぁ。

目の付くところに置いてもらうのも全然あり

いろいろ地元の人にペーパーバスケットを見てもらってるときに「すごい、こんなの見たことない」という意見をよくもらった。ほんとによくもらった。

それをよくよく聞いていくと、正確にはバナナの葉やツル、藁、竹細工のものは見たことあるようだ。けれど、一見して材料がわからないものは初めてで目に付くとのことだった。

それはぼくが狙っていたことでもあった。というかそっちの狙いの方がペーパーバスケット単体の売上より期待していたところだ。

つまり、ペーパーバスケットを通して視覚障害者協会と視覚障害について知ってもらうということだ。

目に付くということはみんな気になっているということだ。それは何?という質問が飛んでくる。

古雑誌で作ったものだよ、視覚障害者協会が作ってるんだ

この1文が決まってセットででてくる。出てきてる。ぼくは何度もその場面を見てきた。

それはつまりペーパーバスケットには広告としての側面があるということ。

レストランやオフィスなど人が多く訪ねてきたり、集まったりする場所でとりあえず置いてもらうというか使ってもらえれば、いたるところで上記のような会話がなされることだろう。この国の人はおしゃべりが好きだから間違いなく話す。

これはPRでいうところの Publicity (知れ渡る) の効果があるということだ。 協会の認知度アップに貢献する。

これは2月にセントルシアで研修中にペーパーバスケットに出会って想定した通り。

さてどうする…

けど、問題は、小さい土地と少ない人口だからか大半の人は視覚障害者協会のことを知っていた。つまり認知度は既にそこそこある。そこをわざわざ認知度アップのためだけに労力割くのかという疑問が残る。

PRの目的は求められた世論をあらゆる手段で作っていくこと

そのための第一段階としてPublicity。

その次、Perception Change (考え方が変わる)

そして、Behavior Change (行動が変わる)

という3段階がある。

ペーパーバスケットじゃPublicity には効くけれど、その先のPerception Changeに繋がるかというと、「こんなの作れるんだ、すごいな」から視覚障害者に対する見方が変わるかというとちょっと弱い。

そもそも、どういうふうに見て欲しいかというメッセージもうまくまとめきれていない。

この世界は目が見えることを前提にモノも建物も機械も作られているから、目が見えない人にとってはその前提を欠くの不都合なことが多いことは事実で助けは必要。彼らに対する補助金はもちろん、日常の些細な事(たとえば5ドル紙幣か10ドル紙幣か教えてもらわないと判別できない)まで誰かの助けは必要だ。

けれど、それはできないことが多いから、彼らはかわいそうかというとそうではない。背が高い人と低い人、足の速い人遅い人、というような単純な2項対立の尺度で見てしまうと片方はどうしたって劣って見えてしまうけれど、世の中はそう単純ではない。

たしかに視覚障害者は歩くのは遅いし、ぼくらから見れば大変なことが多いように見えるけれど、彼らは1人でコーヒーを作ることができるし、料理だってできる。

目が見えない分、入ってくる情報が少ないから気が散らないから深い集中に入りやすいし持続できるという面もある。

同じ世界に生きているけれど、目から入ってくる情報に頼るのとは異なるルールで生きているのだ。

ワシらはお前が思っているより多くのことができる。決して可哀想な存在ではない

スタンリー(会長)がぼくに来て間もない頃、珍しくぼくに念押しして聞かせたことだ。

社会福祉と彼らの自尊心の共存

ぼくがPRで求められていることはバランス感覚なのか別次元のことなのか、こうやって書いていても考えはまとまっていない。

それらをペーパーバスケット単体に乗せるのはいささか荷が重すぎる感は否めない。



ペーパーバスケット関連note:



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