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韓国も台湾も大きなイベントやるのに、日本はやらないの?寿司はガストロ外交?

再来週、セントビンセントに台湾の首相が来るらしい。最近、台湾からは外務大臣も来て3,000万円の寄付を行ったばかりだというのに。人口10万人の小さな国に対する3,000万円だからね、インパクトがでかい。

国家存亡の危機にあって、国交を結んでいる国が少ない台湾にとっては外交は死活問題なのかもしれない。事情はよくもなにもほぼ知らないけれど、間近でこんな風に台湾の政治を感じたことなんてなかったものだから個人的にとても興味深い。

それで、なんと今回は台湾のサーカス団も連れてきて公演をセントビンセントで行うらしい。大規模だ。お金がかかってる。

外国の公演と言えば、5月に韓国も国交樹立40周年の記念イベントがあって韓国から要人と、韓国文化を紹介するイベントとしてK-POP歌手も何人か連れてきていた。ここは韓国の大使館もないし存在感はゼロなのに。お金かかってる。

それでは日本はどうかというと、国交樹立35周年記念のイベントのニュースが検索で引っ掛かってきたけれど、上の2つに比べると…。

参考記事:

日本はここセントビンセントで魚食普及をメインに支援している。つながりも深いわけだけれど、その35周年という節目のイベントでさえ、ジャパンフェスという名こそ使っていたけれど、書道体験だとか、寿司を紹介するといったようなことをテント2つくらいのブースの規模でやっていたに過ぎない。ちょっと見劣りしてる感は否めないかなぁ。見栄え的に。

来年、日本はセントビンセントと国交40周年を迎えると思うんだろうけれど、その記念イベントも日本から誰か来るというわけではなく、あまり予算をかけず、我々JOCVの有志に頼ったイベントになるんだろうなという予測できてしまった。

もちろん、これはどこにお金をかけるかの国の方針によるところだから、日本ダメだぞこの野郎と一概には言えない。

韓国がそうやって割に大きなイベントを催すのは、K-POPとか文化を売るっていう国策があるからだし、台湾は台湾で彼らの味方を増やさないと国がなくなってしまうかもっていう危機の中にあるから実質的な支援(ハード)+印象に残ること(ソフト)をおこなって関係性をより密にっていう狙いがあるんだろうと思う。

我々日本にとってセントビンセントは同じく捕鯨行う国という点で貴重な存在、であるとぼくは理解している。(エビデンスゼロのてきとーなこととして真に受けないでね。)水産系の支援を結構やってる。首都の日本支援で建設された魚市場はその典型だ。

ハード面をメインでやってるんだと思う。それさえやっておけばよいという気がしないでもない。日本はそれで良いんだ。よそはよそ、うちはうちと。

それでも、だ。ソフト面って今世界的にトレンドになりつつって、クールジャパンってそういうことじゃないの?と思わなくもない。知らんけど。

例えば、タイは2001年にグローバル・タイ・レストラン社っていうのを作っている。その会社は何をやっているかというと、全世界でタイ料理屋に資金提供をやってる。目的は、海外におけるタイ料理のプレゼンスを強化するため。これ外資も投資できるように3つのカテゴリーのプロトタイプを作ったり、投資家とのマッチングまでやってるらしい。

どこまでその影響が寄与しているのかは知らないけれど、支援当初はタイ国外のタイ料理屋は5,500ほどだったのが、現在は約3倍の15,000ほどになっているらしい。

アメリカに限って言うと、タイ料理屋は5,300店ほどあるらしい。アメリカにタイ系アメリカ人は30万人なのに。比較でだすと、メキシコ系は120倍人口(約3,600万人)がいて、メキシコレストランは全米で約53,000店舗。タイ系はメキシコ系の120分の1の人口なのに、レストラン数は10分の1の数。多い。すごい。

参考記事:

もちろん、それぞれいろんな事情があるだろうから、単純比較はできないけれど、こういうタイの国としての官民上げての取り組みって参考になると思うんだけど、日本はどうなの?なにかやってるのかな?戦略はあるのかな?

刺身や寿司の紹介ってガストロ外交(※2)にあたるのかな。なにかしら効果を発揮してるのかな。

ぼくは心配性だから、せっかく良い試みをやってても日本的なマーケティングの下手さがでて、適切に評価されてないんじゃないかとか、勘所を間違えてやしないかと気になっている。

別によそがやってくるからウチも…という話ではない。(その面も否定できないけれど)そこに確固たる戦略や根拠はあるのかと問いたいのだ。


※ちなみに、冒頭で述べた国交樹立〇〇周年のイベントというのは日本の場合は大使館が企画するらしい。

※2 伝統的な政府と政府の外交と異なり、広報や文化交流を通じて、外国の国民や世論に直接働きかける外交活動をパブリック・ディプロマシー(外交)といい、その中でも食を通じて行うもののことをガストロ・ディプロマシーという。

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