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無印から始まる伝説もある

あ、あなたは、代々受け継がれし伝説の…あの継承者ではないですか!?

いえ、違います、無印良品です。

で、でも、伝説の者しか引き抜くことの出来ない、翡翠の剣を抜いているではないですか!?

いえ、これは、きゅうりです。

では、この、純白の盾を持つ者は…!

落ち着いてください、大根です。

そのもの青き衣をまといて、金色の野に降り立っているではないですか!

それは、ナウシカです。

…トトロ!!
あなたトトロねー!!

この床で寝るのはおやめなさい。

あなたが落としたのは、この金のぬか床ですか、
銀のぬか床ですか?代々伝わるおばあちゃんからのぬか床ですか?

冒頭に言いました通り、

無印良品のぬか床です。


…ファイナルアンサー?

はい、通りすがりの無印良品でした。



そう、そうなのだ。
俄には信じがたい。

ぬか床と言えば、おばあちゃんが手塩にかけて、毎日かき混ぜ、大切に保管され、あの戦争も、あの震災もなんとか生き抜き、受け継ぎ受け継がれて、その家庭の味となっているのではないか?
※とき子イメージ

だから私は、無印良品にぬか床があることを知っていながら、少し小馬鹿にしていた。

昨日今日ひょっこり現れたひよっこに!
日本の誇りが再現できるのか!!
泣いて笑って、血と汗と涙で受け継がれたあの味を、君が再現できると言うのか?(※イメージ)


ちなみに、うちの母もぬか床漬けているけど、数年間に1、2度はあっさりダメにしている。
興味がなかったので完全にダメになっていたのかは分からない。

だので、本当は、受け継がれるイメージよりも、うっかり手を抜いたらダメにしてしまうイメージの方が強くて、面倒で手を出さなかった。

どうしても気になり出したのは、再度登場つる・るるるさんのこの記事。

つるさんは、ちょいちょい私に刺激をくれる。
もしかしてあの子が伝説の青き衣をまとって、ぬか床に立っている姫さまかもしれない。王蟲こっちよ!
ちなみに今日もぬか漬けについて語ってます。



そう言ったわけで、「ぬか床かぁ」と、鼻下をこすり青い空を眺めながら、なんとなく踏み切れないでいたあの日。

ショッピングモール内の無印良品で、大好きなグリーンカレーを買いに行ったら。
いつもカレーでてんこ盛りの棚が、どういうわけか、その日はぬか床であふれていた。

まさか…!
これを受け継げと言うのか!
私に、ぬか床の上に降りたてと…!

迷いは無かった。

本当は朝に晩にと考えていた。
このきゅうりをぬか床に入れたらさぞや美味いだろう。
何、アボカドをぬか床に入れるだと!?
ゆで卵まで…!野菜の範疇を超えて行くのかぬか床は!!

私の頭の中は、ぬか床に沈められた者たちの旨味でいっぱいだった。
何から手をつければいいだろうか…面倒という気持ちが少しでも残っているのなら、私は彼らの旨みを完全には引き出せない、いったいどうすれば…!!

ここに、いるよ…?

そなたは、無印良品…!!


WAONでお願いします。


かくして、我が家に迎え入れられた無印良品のぬか床は、あっという間に我が家のアイドルになった。

次、山芋入れてみようや!
ブロッコリーの芯もうまそうじゃない?
待って私はアボカドから試したい!
王道のきゅうりは絶対だって!
ちょ、待てコラ、これ以上入らんて!!

私がぬか床を取り出すと、外野がうるさい。
こんなに盛り上がるなら、もっと早く始めるんだった。

いや、違う。
今が出会い時だった。
いつだって、何も遅いことはない。
そう、今日から始まる伝説だってある。

無印良品から始まる私の伝説が、ひょっとしたら娘に受け継がれ、いずれ令和を終えてなお、我が家に君臨しているかもしれない。
いや、もしかしたら、来年には終わっているかもしれない。

伝説を作るのは、私。
伝説は、長いとは限らないのだ。
ただ私は、長く続けばいいと、毎日ぬか床に語りかけてる。


今日は、いい水ナスが手に入ったぞ。
お前の真の力を見せてみよ…!!

ぬか床ライフ、なかなか良いです。
つるさん、楽しいぬか床ライフをありがとう!


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