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#文学フリマ東京
case01-23 : 黒猫
5月になっていた。
狩尾と出会った冬からもう既に暖かな季節に移り替わり、木々は青々とした葉を揺らしていた。
狩尾の別宅を訪れた翌日、約束された額が振り込まれていた。もう狩尾がどういう生活をしているのかも分からない。
ただ、狩尾の母親とはなぜか身の上話を聞くような関係になっていた。身近に話せる相手がいないのだろう。俺も何故か話を聞いていた。
「そうそう!藤嶋さん、来週えりが誕生日なんです
5月になっていた。
狩尾と出会った冬からもう既に暖かな季節に移り替わり、木々は青々とした葉を揺らしていた。
狩尾の別宅を訪れた翌日、約束された額が振り込まれていた。もう狩尾がどういう生活をしているのかも分からない。
ただ、狩尾の母親とはなぜか身の上話を聞くような関係になっていた。身近に話せる相手がいないのだろう。俺も何故か話を聞いていた。
「そうそう!藤嶋さん、来週えりが誕生日なんです