【選手・保護者・指導者向け】スポーツ現場やアスリート指導に携わる専門家としてふさわしいかどうか、見極める目を持とう!
はじめに
フリーランスのアスレティックトレーナーとして活動する、徳田晴宣(トクダハルノブ)です。プロアスリートのケア&コンディショニングや都内の大学パフォーマンスセンター、野球振興活動、県内の高校野球チームなどに携わっています。
先日、とある中学硬式野球チームに所用があり、練習グランドを伺いました。
そのとき、たまたまそのチームを指導する理学療法士の方がいたのですが、選手たちの試合をたばこ吸いながら見ていて、その姿にとても強い憤りを感じました。
これを日々、念頭におきながら、アスレティックトレーナーとして活動しております。
理学療法士という違う職種ではあったものの、同じスポーツ現場で活動する者として、非常に残念な気持ちとなりました。
スポーツ現場・選手たちの安全を守る
どのような職種であれ、スポーツ現場に携わる専門家がやるべきことは、チームや選手たちの安全を担保することです。
チームに帯同し、選手たちの指導に関わるとき、現場で何かアクシデントや故障、けがが起きたときに1番に対応しなければならないのは、我々専門家です。
グランドでプレーする選手たちの動きやグランド状況をよく観察し、
について、こまめに確認することがスポーツ現場では求められます。
河川敷での試合でグランド状況が良好ではない中、いつアクシデントが起きてもおかしくない状況だったことも踏まえると、選手たちが目の前で試合を行っている傍らで、たばこを吸うという行為は適切ではなかったと強く感じました。
受動喫煙がジュニアアスリートに与える影響
たばこを吸う行為が、スポーツ現場や選手たちの安全管理という観点でふさわしくないだけではなく、子どもたちの健やかな発育や成長にも悪影響を及ぼします。
親や指導者の喫煙による受動喫煙が、子どもたちの野球肘(離断性骨軟骨炎)の発症を引き起こす一因になるのではないか、と指摘されています。
野球肘はそのほかに、
などの原因も考えられますが、同程度の酷使であれば、日常的に受動喫煙をする環境にいる選手の方が、発症率が高いと考えられています。
近年、分煙や禁煙を推し進めるなかで、電子タバコや加熱式たばこが流通するようになりましたが、紙巻きたばこと比べて、有害物質は減るとされているものの、完全に無害とはいえません。
有識者としての倫理観を持って、”選手にとってベストな方向に導くこと”がスポーツ現場に携わる専門家に求められることです。
いかなる環境でも、プロ意識を常に持つ
指導する相手方がアマチュアの学生アスリートだろうと、プロアスリートだろうと、いま発揮できる最大限の技術や知識を提供することが、自身が果たすべき責務です。
どのような環境であれ、常にプロ意識を持ち、目の前の選手たちがより良い方向に行くために何ができるか、を常に考えることがとても重要です。
選手たちが日々、成長しようと練習に励むように、スポーツ現場やアスリート指導に携わる我々も研鑽を積み、常に成長しなければなりません。
前述したその方の実際の指導風景をそのとき拝見したわけではないのですが、その姿をパッと見たときにプロ意識のようなものをあまり感じることができず、能力を垣間見たように思います。
いま私に子どもはおりませんが、自分に子どもができ、親の立場になったとき、その方に子どもの指導をお願いしようとは全く思いません。
専門家としての能力や技量だけではなく、1人の人間としてあるべき所作や立ち居振る舞いも、専門家に依頼する際の判断材料になることを、改めて強く実感しました。
おわりに
たまたま伺ったスポーツ現場にいた理学療法士の言動から感じたことに加えて、受動喫煙に関するリスクや影響性にも言及しました。
本記事は、その方の言動を批判することが目的ではありません。
選手や保護者、指導者の皆さんはそれぞれの形で、スポーツ現場で活動する専門家に関わる可能性が高く、そういった方たちに対する判断力を少しでも高めていただければと思い、書きました。
選手や保護者、指導者の方々が、専門家としての力量や技量を判断することは非常に難しいです。
ただ、現場で活動する様子から、
を見ていただくことで、信頼できうる専門家かどうかを判断できるのではないかと思います。
本記事を書くにあたり、自分自身のスポーツ現場やアスリート指導でのあり方をいま一度、見つめ直し、アスレティックトレーナーの価値をさらに広げられるとうれしく思います。
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