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16【10年以上続く事業】となるための事業計画作成法⑩~価値提案のためのインタビューのターゲット選定法

「私の住んでいる地域を元気にしたい!」そんなあなたの想いをサポートしたい!Мの行政書士・上杉哲哉です。(福島県会津若松市と栃木県日光市に在住しています)


前回は、「ターゲットは本当は何をほしがっているのか?」を知るためのインタビューの5つの視点について学びました。

今回は、その5つの視点のうちの①、「インタビュー相手のことをよく知る」、つまり、インタビューのターゲット選定法について深掘りしていきます。

なぜ、インタビュー相手のことをよく知っておく必要があるのか?理由は、その相手は事業で取り扱う課題に本当に関心がある人物か?インタビューをする相手としてふさわしい相手であるか?を見極めるためです。

①インタビュー相手のことをよく知る~インタビューのターゲット選定法について~


(1)インタビューする相手はどんな人物?

以下の条件を満たすターゲットからの意見だと、より多くの顧客が求める意見を聴取しやすいといわれています。

①課題を自分でしっかりと認識している。
②積極的に課題の解決法(ソリューション)を探求している。
③様々なを複数組み合わせてどうにか課題を乗り越えることに何度か成功している体験を持っている。

以上の三つの条件を満たす人、つまり「課題に対して深く考えている人」は、より多くの意見を代表する意見をもっている可能性が高いので、インタビューするにはうってつけの人材となります。

調査総数(N数)がたとえ少なかったとしても、この条件に合った人物からの意見が入っているならば、効果的な調査結果ともいえるので、事業成功率を上げる重要な根拠となり得ます。

「ただ課題を持っている」というレベルではなく、「課題解決の案をもっているくらいに深く考えている」というレベルでなければならないのです。

よって、まず最初の段階で丁寧に相手の考えを聞いて〔相手をよく知る」必要があるのです。

(2)インタビュー相手を知るための具体的な質問

では、どのような視点に立てば、多くのターゲットの意見を代表する意見をもつ「課題に対して深く考えている人」だと判別できるのでしょうか?

以下の三つの質問から、「課題に対して深く考えている人」を判別しやすくなります(特に、下記①、②について答えられない場合は、その場で数分間、可能性を考えてもらい、それでも答えられない場合は、途中でもその時点でインタビューを終了させることを考えてください)。

①「現状の課題を解決するためにどのような代替案を利用していますか?」(How)


課題を深く考えているかどうかは、実際に解決に取り組むための挑戦を始めているかどうかで決定できます。

そのために、いくつかの他の製品やサービスを組み合わせて、なにかしらの代替案をすでに行っているかどうかで、判別することが可能となります。
実際に行動を起こしているので、課題をより深くまで考察している可能性が高いからです。

よって、代替案をすでに実行している人の意見は課題を深く理解している人との意見となるので、とても効果的な意見となり得ます。



②「その代替案の不満なポイントはどこですか?」(What)


現在行っている代替案に不満ポイントを持っていることはとても重要な視点です。

すでに代替案で満足している場合は、それ以上の解決法を臨んではいないので、課題を今よりもより効率的に解決しようとは考えておらず、課題を深く考えている可能性は低いです。

現状に満足し、新事業が始まったとしても、興味をもってもらいにくく、インタビューにも積極的に関与しようとは思わない可能性も高まってきます。現状に不満があれば、インタビューに積極的に関与する可能性が高まります。さらにいえば、インタビューを通じて、ビジネスパートナーとなる可能性も高まるとい副産物が生まれる可能性もでてきます。

よって、代替案に不満ポイントを持っているかどうかは、「課題をより深く考えている人」の判別とともに、ビジネスパートナーとなる可能性まででてくるので、とても重要なインタビューポイントとなります。

※注意点として、代替案への不満ポイントを持っている人がいなかった場合は、その事業をその場で中止する判断をする必要があります。すでに現状に満足している人しかいないのであるならば、今後、事業の成長は考えにくくなるからです。



③「この課題を解決できるならば、いくらの予算まで使えそうですか?」(How much)

最後に予算を聞くのは念押しです。代替案に不満をもっていたとしても、これ以上の方法を考えようとしない人の場合、課題に対する思考が止まっている可能性が高いからです。

予算まで考えている場合は、さらなる新しい解決を考えるために、課題に対するより深い考察をもっている可能性が高まります。

代価を考えるのは、実際になにかしら解決があるのでは…と感じている可能性が高いからです。

よって、最後に予算の質問をすることで、より深く課題について考えている人かどうかの念押しの質問となります。

☆以上の三つの視点の質問に深く解答できる人の意見は、事業の成功率を高める価値提案につながる大きなヒントをもっている可能性が高まります。さらにいえば、事業を成功に導くための最高のビジネスパートナーともなりうる可能性をも含んでいます。

多くの事業のスタートアップに携わってきた、ブルー・マーリン・パートナーズのCSOの田所雅之氏は、「課題について深く考えているインタビューのターゲットには、報酬を支払い、アドバイザーとなってもらってもいいくらいの価値があるターゲットだ」と語っています。


ーまとめー

①課題について深く考えている人をインタビュー対象とすると、少ないインタビュー数であっても、顧客目線に立った価値提案につながる効果的な意見聴取が可能となります。

②課題を深く考えているかどうかを判別するカギは、課題を解決するための「代替案」をもっているか?そして、そこに不満をもっているか?さらに、新たな解決法にどれくらいの予算を使えるか?で判別することができます。

今回のインタビューターゲットの選定のための質問は、将来、自分の事業に関与するパートナーを見つけることにまで役立つ重要な視点です。

事業継続の成功率をより高めるためにも、今回の視点により、課題を深く考えている人を見つける視点を身に着けていきましょう!

次回は、「インタビュー・ターゲットから有効な意見を出してもらう視点」について考えます。

最後までお読みくださりありがとうございました。


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