路地裏【歌詞】とフジファブリック

僕がこの曲を作ったのは4年ほど前。
僕が好きなフジファブリックというバンドの元ギターボーカル、志村正彦の誕生日に合わせて、地元の富士吉田の有志グループ「路地裏の僕たち」がライブ映像の上映と展示を行うイベントを開き、僕はそこに足を運んだ。
結論から言えば、僕は大きく心を揺さぶられ、家に帰ってすぐさま曲を書いた。

彼のライブMCで、とても心に残っている一説がある。

普通の大人になりたくなかったから始めた音楽、
でもそれを不安視している自分がいて、
なりたくなかった大人になった人たちは妙に幸せそうで、
そういう人たちが逆に羨ましかったりして。

以前、僕は「大人になるということ」という記事を書いた。

「大人」とは一体何なのか、その答えは分からないままだけれど、いくつになっても、悩み、傷つきながら歳を重ねていくのだということを彼から教えてもらったような気がする。

彼は29歳で亡くなり、歌声を生で聞くことは叶わないが、彼の音楽や言葉はこの先も誰かの中で残り続ける。



以下、拙作、「路地裏」の歌詞です。

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ただ追いかけていたんだ
くも流れる空の青

いつもの公園で缶蹴りをした日
小さな身体が世界を知る日

あの日の僕ら追いかけたものすべてが永遠に見えたんだ
裸足のままで走った 傷はすぐに治った
飛べない羽根をばたつかせて確かに大人になっていく
夕日がさして影は長くなっていく

いま忘れてしまいそうな
あお あの青を探している

いつもの公園が違って見えた日
あの歌の言葉の意味がわかった日

今でも僕ら追いかけている 答えはどこにもないけれど
確かめ合っては悩んだ 傷はまた増えていった
飛べない羽根は飛べないまま確かに大人になっていく
夕日がさして空は赤くなっていく

遠回りして帰った日
忘れかけていたものを思い出したよ

あの日の僕ら追いかけたもの すべてが永遠じゃないこと
裸足のままで走った 傷はすぐに治るさ
飛べない羽根をばたつかせて確かに大人になっていく
夕日が街を染めて静かに去っていく

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