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コンテンツ4.0を考えてみた

本日は、仕事の中で考えていることを整理して書いてみます。
現在、コンテンツを活用したマーケティング戦略やWEB広告に関する支援をしていて、いろんなクライアントと出会う中で、コンテンツとは何かを考えることが多く、毎日とても楽しい。
なぜなら、企業のコンテンツの価値や活用が非常に多様化しているから。
それはつまり、『コンテンツマーケティング』というものの定義が多様化しているとも言えると思っています。その理由も含めて、コンテンツの価値について整理してみます。

●仕事自体が多様性


現在の仕事が面白い点として、
・自身が事業会社出身のマーケターであること
・現在は広告会社で企業を支援するマーケターであること
・会社は、広告主・代理店・媒体社の3者とビジネスをしていること
・さらに、自社プロダクト(アドテク)とWEBメディアを持っていること

など、自身のキャリアの変化だけでなく、所属する企業自体に多様性があり、さらに昨今話題のフェイク広告を中心とした広告問題がある業界と、自分は今そんな環境にいます。

その中で、企業の方々と接していると、コンテンツに対しての考え方や価値も自然と多様性あるものに感じます。

●コンテンツマーケティングの定義

まず、自分自身のコンテンツマーケティングの定義をしておきます。
コンテンツとは、文字・画・人の3つ。例えば、文字と画を組み合わせれば記事になります。画を動かせば動画になります。人を画にして文字を入れれば漫画になります。
つまり、文字・画・人を、どういうクリエイティブで、どういうフォーマットでつくるか、これらで出来上がるものがコンテンツです。そして、それを活用してマーケティングをすることがコンテンツマーケティングと言えます。

そして、その目的はただ一つ。企業や事業、商品、サービスの成長に貢献すること。つまりは、売上や収益を上げることにつながります。これを無視した目的はないと思います。

なぜコンテンツマーケティングをやっているのですか?と質問すると、
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サイトのPVを上げるためです。
SEO対策です。
ブランド価値を高めるためです。
自社のファンになってもらうためです。
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という答えをいただくのですが、間違ってはいないけど、それは目的でなく手段です。
目的と手段の違いについては特段記載しませんが、成長に貢献しない仕事は仕事とは言えない!もう少し柔らかく言うと、数値化ができて貢献が実感できる仕事をしましょう!ということです。

●売上の公式の数字を変えること

では、売上の公式は何でしょう?
意外なのですが、広告や代理店に関わる人が売上の公式がパッと答えられないのです。
自分は前職が小売・流通でしたので、売上の公式は入社した最初の研修で習うくらい最も基礎的な公式です。

売上=客数×客単価

さらに細分化すると、
①客数=訪問客数×購入率
②客単価=商品単価×買上点数
になります。

基本的にマーケティングに関わる人がやるべきことは、売上を上げることなので、この客数と客単価の数字を上げることに尽きるわけです。
そして、その売上に貢献するマーケティングの一つに、コンテンツマーケティングがあるわけです。

そのコンテンツをどうつくり、どう活用することが今必要なのか?僕はそれをコンテンツ4.0として定義しました。

●コンテンツ4.0とは?

結論から言います。
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コンテンツ1.0 量
コンテンツ2.0 質
コンテンツ3.0 熱
コンテンツ4.0 放出
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このような流れでコンテンツはアップデートされている気がしています。
ここで勘違いがないようにしておくと、1.0が悪くて4.0が良いということではないです。
コンテンツが、コンテンツマーケティングがどれだけ企業や事業、商品、サービスの成長に貢献できるか、売上や収益につながるか、ということになります。

それぞれを簡単に評価軸で定義しておくと、

コンテンツ1.0 量は簡単に言うとPVです。つくったコンテンツがどれだけ見られたか、読まれたか。今でも多くのマーケターが見る数字です。コンテンツマーケティングをよくSEOと定義する方はここをよく見ている印象です。

コンテンツ2.0 質はクリック率や読了率、滞在時間などです。つくったコンテンツが何%クリックされたか、何%が読了・再生完了したか、コンテンツが何分見られたか。ここはアドテクも含めテクノロジーの進化で重要視される指標になりました。100,000PVあったとしても読了が1%では1,000人にしか最後までコンテンツが見られていないのです。これはPV至上主義を否定している(PVだけが重要ではない)感じですね。

コンテンツ3.0 熱はエンゲージメントや参加数です。SNSの活用がこの指標を推し進めた印象があります。コンテンツに対してのユーザーの反応(いいねやシェアなど)がどれだけあったか。または、InstagramやTwitterのキャンペーンなどでよく見られるUGC(User Generated Contents)と言われるユーザーによって生成されるコンテンツも重要になりました。1.0と2.0は数字が中心ですが、3.0はユーザーが参加しているという"熱"が非常に大事なポイントです。

そして、コンテンツ4.0 放出は簡単に言うと「リアルへの送客」です。3.0までにつくった熱(ここでは主にオンラインでつくられた熱)を、リアル(オフライン)という場にどれだけ送ることができるか。もしくはその熱を中心に新たなに人を呼ぶことができるか。ここが今コンテンツに重要な要素だと思っています。

●コンテンツはリアルに向き始めている

なぜ4.0を放出、リアルへの送客と定義したか。それはメディアが今そっちに向かっていると感じているから。それは、自分のキャリアの中で一番の発見でした。
自分のキャリアは、メディアは最も遠い存在。小売だからお客が一番近く、企業はメーカーとの付き合いが多い。さらにマーケターだったから、代理店や広告会社との付き合いはあったけど、その先にいるメディアはほとんど付き合いはなく、メディアの価値を考えることもなかったです。

現在は、自社でメディアがある、仕事としてメディアの方と話す機会があり、メディアの役割やメディアがするべきことなどを熱く議論することが増えました。ちなみにここでいうメディアはWEBメディアが主。
メディアは今、過度期にあります。冒頭に挙げた広告問題もそうだし、プラットフォーマー(Facebook、Twitter、LINEなどのSNS)の強さはメディアの立場を揺るがしてます。特にもともと雑誌だったメディアの多くがWEB化しましたが、ここの壁はまだ乗り切れていないように思えます。

そんな中、差別化をし、新たなことにチャレンジしているメディアは熱をつくり、その熱をリアルの場に集客させて、さらに熱をつくっています。
特に好きなメディアは、

ハフポスト アタラシイ時間
TABILABO
antenna

の3つはそれを取り入れているメディアだと思います。

僕の中で、メディアの役割は2つあって、
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①世の中のトレンドを世の中へ発信すること、もしくはトレンド自体をつくること ←広報としての役割
②イノベーター理論でいうマジョリティー(もしくはパーチェスファネルでいう準顕在層)に対して、そのトレンドをわかりやすくしてあげること=翻訳してあげること ←広告としての役割
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だと思っていて、それを量、質、熱、放出という流れで実現できればと思っています。そういうマーケターと仕事がしたいと思っています。

●人をどれだけ集められるか、が売上につながる時代に

ただし、まだ明確な根拠や論理を持ってこの答えを証明できていません。しかし、間違いなくPVなどの量やオンライン上で完結するだけのコンテンツに価値は見出せない時代に入っていると思います。
人を動かす、そのためには人の心を動かす、人が動くということは熱が生まれる。その熱がさらにいろんな人に広がる。そういうコンテンツ設計をすることが新しい文化をつくり、企業や事業、商品、サービスの成長につながると信じてます。

最後に、自分の好きな動画を紹介します。
デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」 TEDより

※写真は2年前に行った、スペインサッカーのレアルマドリードの試合です。まさにリアルの熱です!スポーツはまさに理想のコンテンツなのかもしれませんね。

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