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TLA Magazine vol.8 【学校のDX化への道】

この連載は、アカデミー生がアカデミー生にインタビューを行い、リアルな声を記事としてまとめた企画です。 

interviewer / writer
島﨑 恵茉
好奇心の赴くままに生きる東京都在住の高校2年生。音楽と対話が好き。アパレル産業に生じている社会問題の解決を目指している。

新宅 悠生

食が好きな大阪府在住の高校2年生。"学び"のために活動中。将来は生物工学を学びたい。
interviewee
西田翔平(にっしー)

神奈川県 高校3年生
座右の銘「どうせ社会の歯車になるんだったらハンドルの近くの歯車に。」(にっしー)

僕が企画しているPalette!(パレット!)は全国の学園祭のパンフレット情報をアプリ化し、学校のDX、パンフレットを使わないことによる環境保護や学園祭のコスト削減ができる一石三鳥なサービスです。そして、アプリにしか出来ないLive配信やARなどの機能を追加し、全く新しい形の画期的な学園祭を作り上げていきます。

ー なぜTimeLeap Academy (以下アカデミー)に参加しましたか?

アカデミー以前から開発していた Palette! というサービスをブラッシュアップするために参加しました。自分の事業に足りないものが何かわかっていなかったので、もっといろいろな考えを聞き、改善していこうとも考えていました。
アカデミーに入る前からPalette! 開発として、アプリを制作したり、紹介用のパワポを作成したり、ベンチャーキャピタルに行ったりしていました。このままサービスとして世の中に出してもそこそこいけるんじゃないかとは思っていたからこそ「怖さ」を感じて、アプリを成功させるために参加しました。

ー 考えている事業について教えてください。

全国の学園祭情報をスマホアプリで見れるようにするサービス、Palette! を開発しています。Palette! のビジョンは学校そのものをDXしていくことです。

ー どうして学校をDXする必要があると思いましたか?
昔、ノルウェーとアメリカに住んでいたことがあります。小4の時に通っていたノルウェーの学校には1人1台パソコンがあり、算数の宿題がオンラインで、世界中の同学年と競い合うことができました。また、中学生のときに通っていたアメリカの公立中学校では、オンラインで逐一自分の成績を確認することができ、「次この評価になるためには〇点必要ですよー。」などの最終的な評価をスマホで見ることができました。どちらもデジタル化されていて、「先進的だな。」と思うと同時に、DX化された教育が日本に浸透していないことを不思議に思うようになりました。デジタル化をすれば先生の負担も減り、結果的に教育の質も上がりますよね。

ー どうして学園祭からDX化するのですか?
日本で一番学校に普及しているアプリのユーザビリティが低すぎるからです。そのアプリを運営している会社にアプローチをし、担当者と話した際、「何で使いにくいのですか?」と質問すると、「先生に向けて作っていて、生徒は二の次だから。」と言われました。「エンドユーザーは生徒なのに、生徒が二の次なのか。」とショックを受け、「自分で生徒目線のアプリを作りたい。」と思うようになりました。

ー Palette! のブラッシュアップのためにアカデミーに参加されたとのことでしたが、実際にアカデミーで期待していたことは得られましたか?

はい。 Palette! については、DAY33のファイナルピッチの際に、ERRORs 株式会社 代表取締役の​柏谷さんと慶応義塾大学准教授の琴坂さんに「大きな規模にすることはできる。」とおっしゃっていただき、このサービスが上手く進む前提で質問をされたので、Palette!が上手く行く確証は得られました。とはいえ教育のDX化との繋がりについては多くのご指摘もいただき、そんなときに株式会社ユーグレナ 取締役副社長 COO の永田さんが「登る山の高さを他人と比べなければ幸せになれる」とおっしゃっていたのが非常に印象的で忘れられません。

ー アカデミーに参加する前と後で変わったことはなんですか?

大きく2つあります。1つ目は信頼できる人の存在を認識したことです。日常生活で出会う人や学校の中には自分と話の合う人がいなかったけれど、話し相手は高校生だけではなかったことに気がつきました。アカデミーでは中学生でも話が合う人はたくさんいました。
2つ目は将来に対する不安、特に「 Palette! だけやっていても良いのか。」という不安が消えたことです。今の目標はパレットを成功させることで、高校生の当たり前に Palette! がある世界、つまり「紙でパンフレットを作っていたときなんてあるの?」くらいまで普及させることです。Palette! は単なる序章に過ぎません。Palette! を起点に、学校の中にたくさんあるDXできるものを、Palette! で得たお金や信頼でDXしていこうと考えています。まずは、現在の大手会社と被らないように、授業に関係ないところからDXして、周りを固めようと思っています。

ー なぜアカデミー生に対して「信頼できる」と思いましたか?
今までもチャレンジを後押しをしたいと思う人はいたし、自分の事業に対して「良いね。」と言ってくれる人もいたけれど、アカデミー生は心からPalette! の開発を自分事のように考えてくれて、親身になってくれたからです。

ー オンラインのコミュニケーションでもアカデミー生と深く関わることができましたか?
アカデミーに入る前から人生相談を電話で持ちかけられることがあったので、電話上でやることに関してそこまで拒否感を感じていませんでした。とはいえ zoom は電話以上に表情が見えても胸から上の表情しかか分からないので、やっぱり、実際に会いたいと思うし、実際に会った人もいます。
また、アカデミー生に出会って初めて自分の人生相談をできました。今まで周りの人には自分の上澄みしか相談していなかったけれど、アカデミーで初めて全ての門を開け放って話せるようになりました。「心の扉を全部開く必要はないけど、開きたいなら開いてね〜。」とアカデミー生の1人に言われたことが今でも心に残っています。人生にとっても事業にとっても、人生相談ができる友人に出会えてよかったです。

ー 将来どんな人になりたいですか?

今の自分が理想的な自分で、今の自分に足りないと感じるところはありません。今まで1度も将来なりたい自分について考えたことがありませんでした。大人になっても今まで通り柔軟に物事を取り入れていこうと思っています。

ー 今の自分はどんな”自分”ですか?
行動力あって、多角的に考えられて、いろんな人に深く関われる自分です。
自分の中で決めたことを変えない頑固なところは変えたいと思うこともありますが、これも個性だと考えています。柔軟に考えられる人を将来一緒に仕事仲間にすることで、役割分担をして、1人で背負い込まないようにしたいですね。周りの人に自分にできないことをサポートしてもらいつつ、常識に囚われない考え方などはどんどん補完しようと思います。
自分が一緒にいたい、近くにいて欲しい人は仁禮さんみたいな奇想天外なアイディアを生み出せる人です。

ー どんな世界にしたいですか?

以前は聞かれても答えられませんでしたが、アカデミーを経て言語化しました。今から50~100年後、AIが発達すると、今あるほとんどの産業がオートメーション化され、今できることは機械の手にとって代わるだろうと考えています。じゃあこの先、人間はそれぞれどんな価値を持ち、どうやって生きる意味を見い出すのか、少し考えてみてください。今の教育にはこのような答えの無い問いについて考えさせる時間が無いんですよね。自分自身の生きていく目的を考える機会が教育にはないし、エッセンシャルワーカーが必要無くなった時に自分が何をしたらいいのか分かるような教育が必要だと思っています。さらに、VRを開発して人を仮想空間に移していくような職業にも就きたいです。

ー いつからそんな思いを持つようになりましたか?
肉体があると移動しなきゃいけないと悩み始めた時です。電車や車などの移動手段のために資源や土地を使っていることを考えていると、パソコン上に人を変換できたら、移動せずになんでもできるようになるよねと思いつきました。物質世界でありえないことも、電子世界になった瞬間不可能が可能になることがたくさんあります。人間が今いる世界そのものを、そのまま仮想空間にしたいと考えています。

Palette! 公式webサイトはこちら!

最後までご覧いただきありがとうございました。

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