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TLA Magazine vol.2 【”自分らしさ”ってなんだろう。】

この連載は、アカデミー生がアカデミー生にインタビューを行い、リアルな声を記事としてまとめた企画です。

interviewer / writer
島﨑 恵茉
好奇心の赴くままに生きる東京都在住の高校2年生。音楽と対話が好き。アパレル産業に生じている社会問題の解決を目指している。

新宅 悠生

食が好きな大阪府在住の高校2年生。"学び"のために活動中。将来は生物工学を学びたい。
interviewee
りお
東京都 高校2年生
友人や家族がいても「寂しさや孤独」を感じている、そんな人を幸せにするアプリを考えています。きっかけは自分の孤独を救おう、と考え始めたことです。街中ですれ違ったアプリ利用者の数を表示し、この世界を一緒に生きる「誰か」との温かい繋がりを実現します!

ゆづき

神奈川県 高校2年生
変化が求められている今の時代に、自分の「正解」を見つけてきた大人をお呼びして高校生がモデレートするイベントを不定期で開催します。大人と子供を対象に年齢関係なく自分の意見を言い合える場所を目指します!

あいちゃん

島根県 高校2年生
紙粘土に喩えた思い出で社会に蔓延る問題にアプローチし、思い出という唯一無二の価値が創るあたたかく優しい未来を実現する事業を考えています。幸せのサイクルを作ることや、「普通」という曖昧で答えのない問いと日々向き合っています。

いぶき

東京都 高校2年生(IB)
友人と一緒に今年の夏に開催するサマーキャンプの立ち上げを事業として主に行っています。中学生のときに欲しかったサマーキャンプを作ることを理念に掲げ、キャンプが終わった後参加者がニヤリと笑える世界を作ろうとしています。

ー なぜTimeLeap Academy(以下アカデミー)に参加しようと思いましたか?

りお
アカデミーを見つける前に、自分の価値観が変わる出来事がありました。元々、私は、「世間的に成功してる人になりたい、周囲に認められたい」と思っていました。しかし、それが自分の価値観ではないことに気づき、今を幸せにしたいと思うようになりました。
その後、たまたまアカデミーを見つけた際に、仁禮さんの「自分の人生を切り拓く」という言葉が響いて応募しました。

ゆづき
焦りから入りました。生まれてからずっと両親から天才と言われ続けてきて、実際自分でもそう思っていたけれど、本当は違いました。友人がマスクを配る団体を設立して行動していたのを報道で見て、自分は周りの環境が恵まれているのに何もしていないことに焦ったからです。
周りの人からは、「父親が凄かったからそこまで頭いいんだろう、お金あるんだろ。」って言われることがあります。でも、生まれ持ったステータスが同じでも考え方、行動の仕方によって人生って変わりますよね。だからこそ自分の価値観を見つけるためにアカデミーに入りたかったし、父親のバックグラウンドばかり見られて、僕が僕として見られないのは嫌だと思っています。

あいちゃん
アカデミーに入る前から物を売ることや経済を回すことに興味がありました。経済に興味を持つことになったきっかけは大好きなアイドルのライブです。家からのライブ会場まで電車賃のことを考えていたら、ライブに行くことで交通機関の経済も回していることに気づき、イベント(ライブ)には様々な”お金”が関わっていることに感動して、目の前で好きなアイドルが踊っているのに泣いてしまいました。笑
アカデミーを知ったのは塾の先生におすすめされたからです。締め切りの当日か前日に見つけて、「行くしかねぇ。」と思い立ち、書類選考に取り掛かりました。しかし、今まで自分の思いを文字にしたことがなく、良い文章を書けなかったので、受かるわけがないと思っていました。

いぶき
大河ドラマにインスパイアされて、泣きながら、「TimeLeap Academy?なにそれ、やりたい!」と思って申し込んだら受かりました。
初めはこのアカデミーがどんなアカデミーなのかわかっていませんでしたが、2次選考を通して初めて ”TimeLeap Academy” を認識しました。それ以降、非日常的な出会いをするために参加したいと強く願うようになりました。

ー アカデミーにどんなことを期待していましたか?またその期待していたことは得られましたか?

りお
当初の目的は「自分の人生を切り拓く」ことです。今まではいろいろな方の人生を聞いたら、それがうらやましくなって同じことをしていたけれど、アカデミー参加後はそれを聞いた上で「自分はどうしたいか。」を考えるようになりました。
目的は達成されました。この世界では、どんな生き方もできて、いろんなバックグラウンドの人がいて「なんでもありな世界なんだな。」と思えるようになり、生きるのが好きになりました。

ゆづき
期待していたことは「いろんな大人と喋ること」です。メンター陣が恐ろしく豪華だった、というのも応募した理由のひとつです。期待していたことを達成できた上に、質問への回答や双方向的な対話、美談以外の話も聞くことができ、喋る以上のことができたと思っています。
入ってから1か月くらいは自分の十歩先を行く同年代、下の世代がたくさんいたことに絶望していました。でも、そんな人たちでも苦労してることを知り、それぞれのバックグラウンドの中でも好きなことをやっていればよいと思えるようになりました。

あいちゃん
今まで、自分の感情や考えをそのまま言葉にして伝えることができませんでしたが、毎週の授業やその授業に対する感想の記入を通して、考えるだけではなく発信できるようになりました。
一番最初の授業で「等身大の自分になって」と言われた時に、自分のよくないところだった「自分を高く見せよう」というプライドを捨てました。その結果「自分らしくいること」の大切さを学び、自分の個性を生かせるようになりました。
入る前に自分が想像してたような本格的な経営の授業とは違ったけれど、考えを発信できるようになったり、自分らしくいられるようになったり、想像していなかったよいものを得られました。

いぶき
アカデミーに入った動機のひとつに「小中高生向け」という言葉がありました。もともと小学生の想像力には叶わないと確信していたので、小学生と一緒に学んでみたいと思っていました。
アカデミーに入ってから、やはり年下の発想力には叶わないと思いました。年下に限らずアカデミー生は自分の持っていないものを持っていましたし、逆に自分が持っていることもあると気が付きました。メンターが自分の考えの幅を広げてくれることがアカデミーの利点だと思います。

ー 部活動や定期テストなどと普段の生活との両立は大変ではありませんでしたか?

りお
正直(両立は)しんどかったです。考査や部活が大変だった時期にチームを組んだのですが、そこが一番やばかったです。コミュニケーションをとらなきゃいけないことは分かってたのに、自分がコミュニケーションをとれる精神状態じゃないし、成績もとらなきゃいけなかったので、かなり葛藤していました。

ー チームで活動したのはどうでしたか?
今振り返ると経験としては良かったし、今の事業にたどり着いているのはその期間のおかげです。

ゆづき
今まで真面目に学校に行っていたけど、アカデミーに通い始めてから少しずつ休むようになりました。元々「みんないくから行かなきゃ。」という義務感に駆られて学校に行っていました。コロナ禍で授業の質が落ちているようにも感じて、やりたいこと、アカデミー、部活、学校という優先順位ができていましたね。学校を休んだ時間は寝て、本を読んで、料理の知識を蓄えていました。気づけば学校への興味がなくなっていました。笑
先生に「義務感から学校に通うのは生活を消耗する」という話をしたこともありますが、先生から理解が得られないことも多いです。

あいちゃん
授業の2時間以外にアカデミーに時間を割いていませんでした。平日は1日8時間くらい受験勉強を進めていました。正直、勉強とアカデミーのどっちを優先したらいいか分からなかったので、自分のやりたいようにやっていました。

いぶき
IB過程のレポートと模試以外で学校生活内で忙しいことはありませんでした。学校が終わってから4時半までに帰らなきゃいけないのが大変だったけど、土曜日が楽しみになりました。

ー 大学受験など、今後の進路も考えることが増える時期だと思いますが、アカデミーを通して何か今後の進路に影響する学びはありましたか?

りお
元々一般受験をしようと考えていたけれど、AO入試を考えるようになりました。チームの期間が終わって自分がやりたいと思うアプリが思いつき、同時に「孤独」という人生における研究テーマを見つけました

ゆづき
周りにSFC(慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス)に行きたい人が多く、その中に話が合う人が多かったからSFCに行こうと思っていたけれど、地方に行こうと考えるようになりました。アカデミーの生徒は東京が中心とはいえ全国にいて、地方の子の話を聞くと東京と全然違うことに気づきました。今まで住んでいたのは東京だったし、海外に行かない限り大学を卒業したら就職するのも東京になること考えると、大学は東京じゃなくてもいいじゃんって思いました。価値観が同じで話が合う人は高校で出会えれば十分です。

あいちゃん
進学校に通ってる人も多くて、そこに影響を受けました。入る前は地元の国公立大学でいいやと思っていたけど、今は難関大学行こうと思っています。偏差値が重要なのではなく、話が合う人を見つけたり、広い世界で自分のコミュニティを広げたいからです。元々アカデミーに入る前は経済と経営を専攻しようと思っていたけど、今は逆にもういいかなと思っています。”お金”を考える上で講義を受けるのと実践は違うかな。興味があることは自発的にできますから。人と話すことが大好きなので、今は、法学、語学に惹かれています。

いぶき
元々憧れで海外大学に行きたいと思っていました。アカデミーに入ってその思いが変わったかというと、むしろ行きたくなりましたね。
メンターの田崎 佑樹さんのコンセプトデザインの授業を受けた際に「きみはそれ(事業)を命を削ってまでやりたいの?留学も?」と尋ねられました。この質問から自分の考え方の幅が広がって、さらに海外大学への意思と憧れが強くなりました。一歩踏み出す勇気を与えてくれたのがアカデミーでした。

ー どんな世界にしていきたいですか?

りお
人にはそれぞれのバックグラウンドがあって、映画みたいにそれぞれ濃い人生を送っていますよね。地球にはそんな人生を77億人も送っていて、それだけのストーリーがあることを考えるとなんだか虹色みたいに素晴らしいと思います。そんな素晴らしい世界を生きているのに、電車の中で暗い顔をしている大人もよく見ますよね。私は、そんな人たちはお金や将来、過去の栄光のために今を犠牲にしているのでは無いかと考察しました。
たくさんの人が「今の自分」を生きれるように、過去でも未来でもなく”今”を生きれるような世界にします。価値観を親や学校の先生から植え付けられていませんか?でも、それは窮屈ではありませんか?自分自身の価値観を身に付けられるような世界になればなと思っています。

ー「自分らしさ」って何ですか?また、自分の価値観はどうやって身に付くと思いますか?
自分らしさの本質について悩むこともあります。でも、どんな時でも自分は自分なので、そのことを許容できるようになることが重要だと思います。
私の場合は、自分を深堀りして、自分が何を言われてその時どう思ったのかを研究することで自分の価値観を見つけました。必要のない価値観を捨てると、本当に大切にしたい価値観が現れて、本当の自分を理解できるようになってきました。結論は、みんなにも「今」を大切にしてほしいということです。

ゆづき
周りの人に幸せになってほしいです。自分にとっての幸せとは、やりたいことに時間を見つける時間そのものです。そのため、同年代がやりたいことをやりたいと言える世界を作りたいと思っています。(同年代の人たちに)応援してくれる「大人」がいることを認識してもらうことで、少しでも近づけるのでは無いかと考えています。
大人の方はよく、学生のうちに遊んどけと言います。でも、本当は大人の方がお金もあって、遊べるのでは無いかと疑問を持っています。実際に身の回りには、遊べると言っている大人もいますし、なろうと思えばなれるので、将来も”自分がやりたいこと”を言えるようになりたいし、そんな世界にします。

ー やりたいことがなかったらどうしますか?
やりたいことなんて今はなくても大丈夫です、そのうち見つかります。メンターの井上 浄さんなど、実際に大人になったからやりたいことに気が付いた人もいます。人によってやりたいことが何か気が付く時期は違うけれど、そのときに最高の環境と最高の仲間がいたら、と思います。

あいちゃん
「普通がいい」「普通じゃない自分に自惚れている」という言葉を言われたことがありますか?私はあります。そしていつもこう思います。でも、まず普通の定義って何ですか?私みたいに自分と「普通」とのギャップに苦しんでる人もいます。
私は、人の集合体である社会でマジョリティが普通だとみなされていることに違和感があります。みんなそれぞれが個性を持つのに、「普通」に縛られているのは勿体無いし、それで自分のことを卑下するのはよくないですよね。なので、「自分も、自分の隣にいる人も、世界中にいる人も誰でも大切にできる社会にしたい」と思っています。自分を大切に、そして自分に寛容になって欲しい。また、他人が自分に寛容になるために周りの人を認めてあげることが大事だと思います。

いぶき
感動に溢れる世界を作りたいです。そしてそれは、もっと多様な選択肢を知ることができれば可能だと思います。だけど、そこには挑戦をしなきゃ変わらない現実があるし、異なる角度から見つめる好奇心を持つことが求められます。「僕たちの作るサマーキャンプの目的は、中学生一人ひとりを照らし続けることだけど、それは同時に感動を与えられるような1つの作品を作ることだよな。」とアカデミー生とよく語ります。皆が作品を通してどのように感じて、どのように動こうとするかは自由ですが、僕たちが届けたいメッセージが皆に行き届いてくれればいいなと考えています。もちろん、僕たちの作るサマーキャンプは完璧ではなく、初めての試みなので不確実な未来しか見えませんが、運営・メンター・中学生・子ども・大人、多様な未来を見据る全員がニヤリとする作品を作って、感動し合える世界に僕はしたいです。

最後までご覧いただきありがとうございました!

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