2024年5月の連作、4つ
夢ではない
わたしにも寝顔はあると心配で部屋には鍵をかけてしまった
長靴に雨が入ったときわかる裸足になれぬわたしの弱さ
懐かしい甘さも実は罠だとははっと気づけばキャベツ人間
ピクルスはいてはいけない人たちに送った招待状のたくらみ
目が覚めて夢ではないと迷わずに気づいた朝は年をとります
いいんじゃないか
成功はしたが卒業文集の夢と違ってなんか気まずい
脱げたまま置いていかれた片方の靴の群れではなくて枯れ葉が
花はすぐ色がくすんでしまうから造花に変えたことを忘れて
雨だけど