2024年4月の連作、4つ
自省
とびかかる猫の動きの先にいた獲物はちょうど陰で見えない
変わらない愛はあるのかてのひらにおさまるものはひと口サイズ
目玉焼きの目玉をいくら増やしても命の数はゼロでよかった
内臓が夜中も低くうめくのだ正論なんて魔除けのおふだ
進んだらもっと先まで見えてきて進捗率は一生二割
ぷちり
物置きはいくらか人をだめにして刈り込みバサミばかり四つも
不機嫌な羽音をたてているけれどあとからここに蜂が来たのだ
リニューアルしたとおぼしき美容院の二階に古いままの看板
食パンの一番安い