悪いな、そういう仕事のスタイルじゃないんだよ
「メールの返信が速い人は、仕事ができる人」
と勘違いしたままの輩とは、僕は一緒に何かを積み上げることはできない。
互いにストレスのない情報共有・材料の受け渡しの方法は何か? について、個別の合意が取れていれば、仕事は進む。
だからたとえば、
4つのプロジェクトにアサインされていたとして、
「基本的に議事録だけ見る。見たけど不同意…は『逆さ判子』で意思表示する(意向であって、突っ切ってよし)。ちょっかいを出すべき項目は、こっちから電話する」
なんてタッチの関わりかたから、
「メール一切使わない。週2回の15分ミーティングで、項目20個ぐらい読み上げてもらいながら『やんわり断って』『2番で押して』『保留』『了解』など口頭で返していく」
なんてやり方まで、
必要十分でトラブルレスな情報共有・前進方法は、
「深い・浅い、いずれの関わり方においても、個別にメールやチャットを発生させない」
方へ倒すと圧倒的に進みがいい、なんてことはいっぱいある。
インターネットを検索すると出てくる、
「メールの返事が速い人は仕事のできる人」
みたいな、わけのわからん仕事スタイルのライターの言い分を信用してはならない。
彼らは、手戻りを見逃しているか、仕事の制限を自ら作って気づかないまま得意顔をしているか、そこらへんの「真の損失」が、見えてないのだ…少なくとも、そのインターネット記事を書いた当時には。
スズキさん、という仕事のできる人が、メールの返事を書かない人で、僕は彼のやり方がカッコよくて大好きだった。
チャットツールに思いついた都度、僕は打診や報告、質問…をどんどん入れていく。
当時北海道にいたスズキさんからは、週2ぐらいで電話がかかってきて、僕らはチャットの画面を見ながら電話を20分だけする。
たとえば項番146から、項番198 までが溜まってるとして、スズキさんはおおごとな項番の番号を3つ言う。次に「誰に聞け、誰と相談してから報告を上げろ」など、相手が自分でなくて済むものをダーッと指示する。
「あとは"りょ"だよ」
そしておおごとの3つの話をみっちり15分。
「りょだよ」
了解、のりょ。
これが、僕が知ってる「この世で一番クールな返事」だ。
断じて、メールの返信の速さなんかじゃ、ない。
「最大値の2割」ぐらいで構わないから、ご機嫌でいたい。いろいろあって、いろいろ重なって、とてもご機嫌でいられない時の「逃げ場」であってほしい。そういう書き物を書けたら幸せです。ありがとう!