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1983年生まれ、数学科の教員。塾・予備校業界を経由して私立中高での教員となり、諸々の…

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1983年生まれ、数学科の教員。塾・予備校業界を経由して私立中高での教員となり、諸々の業務を経験。広報担当として学校を外からみる癖がある。最近はオルタナティブ教育(ホームスクール、フリースクールなど)に関心。起業したい。

最近の記事

ヒップホップ禁止令からみる子どもの声を聞く行事運営

まさか一日に2度更新する日がくるとは。 昼頃、ヒップホップ禁止令をきっかけとして、マスメディアの報道で大変な目に遭う学校、しかもそのとき文科省は世論の方を向いているという構図を語ったわけなんですが、このnoteでヒップホップ禁止令で検索するとこうした意見はめちゃんこ異端なんですね。 何って、ほとんどが学校批判でした。 ヒップホップ禁止令を出した学校許すまじという批判です。何なら教育業界の人も一緒になって学校批判をしているようですが、その立場でこんなこというのかよーという

    • ヒップホップ禁止令からみる学校とメディアの関係性

      今回はヒップホップ禁止令という目下、日本を騒がせているテーマをきっかけに、マスメディア、学校、文部科学省、そして大衆という4者の関係性について語っていきたいと思います。学校側からみたメディアの問題ですね。 ヒップホップ禁止令 ヒップホップ禁止令はつい先日(2024年6月時点)、東京都の麹町中学校が体育祭や文化祭でヒップホップダンスの発表を禁止して、代わりに創作ダンスをしなさいと命じたことが話題になったものです。 「なんでこんなのが全国的な話題に」と思われるでしょうが、麹

      • 学校は保育施設である

        今回は学校の役割は何かというテーマで語ってみたいと思います。極めて根本的な問いですね。 学校の役割は子どもを成長させることと考える人が多いでしょうが、それは物事の反面しか見ていません。現代社会において、学校は子どもを預かるというもう1つの大切な役割があります。そのことをクリアに説明するため、教育と保育という2つの言葉で切り分けてみましょう。 学校の保育的側面 雑学からスタートしますが、幼稚園と保育園は何が違うのかという話を聞いたことがあるかとおもいます。幼稚園は文部科学

        • 部活動問題(スポーツ業界と学校との緊張関係)②

          前回の続きです。 部活動は学校の下部組織ですから、部活動で起きる問題は基本的に学校のせいだと思われるでしょうが、それは違う。スポーツ業界と学校とは100%結託しているのではなくある面では対立しているという話でした。 文科省が抑制しようとしても…… 「最近の子どもって部活やりすぎじゃないか、学校に勉強じゃなくて部活しに登校しているようなとこあるけど、それって正規のカリキュラムが軽視されているんじゃないか」という問題があります。 部活動過熱化問題とでもいいましょうか。これ

        ヒップホップ禁止令からみる子どもの声を聞く行事運営

        • ヒップホップ禁止令からみる学校とメディアの関係性

        • 学校は保育施設である

        • 部活動問題(スポーツ業界と学校との緊張関係)②

          部活動問題(スポーツ業界と学校との緊張関係)①

          今回は部活動の問題について語ってみます。これもでっかい問題で、教員の視点からだと不登校と並んで二大テーマくらいに位置づけられます。 部活動はこの国独自の文化で、日本社会の「しくみ」と密接に結びついている分、容易に語りつくせるようなテーマじゃありません。しかも規模がバカでかいのにうまく運営されていないという(年金みたいな)危険な状況です。適当に話していたら案の定脱線し、長くなり過ぎたのでパートにわけます。 部活動とは 部活動とは学校教育の一環として授業後や休日に行われる課

          部活動問題(スポーツ業界と学校との緊張関係)①

          化粧はなぜ学校で嫌われるのか

          タイトルはネットニュースの記事にありそうな感じですね、こうすると見てくれる人増えるんかなあとかゲスい発想でこうしました。 実際、子どもの化粧は嫌われてます! 結論からいきますが、生徒が化粧をすることについて、学校や教師はなぜ嫌うのか。その答えはわかりません。 学校だけで嫌われているのか、社会全体で嫌われているのかさえ、何ともいえません。ただ、子どもの化粧という行為を毛嫌いする大人がいることはどうやら確かなようです。 私は合理主義者の男性で、化粧をしません。子どもの化粧

          化粧はなぜ学校で嫌われるのか

          「勉強しろ」ってどんな意味でつかってます?

          テーマは福沢諭吉もびっくりの基本中の基本、「勉強しろ」です。正確には、勉強する意義とは何か、です。 勉強しろのニュアンスが大事 ときに親として、教師として、子どもに「勉強は大事だぞ」と説教することがあるかと思います。その説教って、子どもの側にどのように受け取られているんでしょうか。 実のところ、この言葉は非常に危ういと考えています。 間違った受け取られ方をすると、「学校にいる間は勉強するけれど卒業後は勉強しない人」とか「テストに向けては勉強するけれどテストに出ないとこ

          「勉強しろ」ってどんな意味でつかってます?

          いじめについて(その2)

          いじめについては昨日、長々と語りました。言い残したこともそう多くはないです。補足代わりに最近、世間で話題になったニュースがあるので、それについて触れます。 いじめにより不登校になった比率 2024年の3月25日、文部科学省がある団体に委託した調査の結果が公表されて、多くの新聞社がそれについて似通った記事を書きました。調査は現在増えている不登校の要因を調べたものですが、記事になったのは、要因というより要因分析のズレについてでした。調査は児童生徒(および保護者)と教員それぞれ

          いじめについて(その2)

          いじめについて(その1)

          メディアの報じるいじめ問題 今回はいじめ問題について語ってみたいと思います。いじめは世間的に最も関心の高い教育問題かもしれません。メディアで教育が取り上げられるとき、必ずといってもいいほど現場を知らない評論家のような立場の方々がいじめについて熱く語ります。それを見るたびに悲しい気持ちになります。 残念なことに、その多くはまったくの見当違いだからです。学校現場から縁遠い皆さんをそこまで駆り立てているのは、メディアの作り出したいじめという幻想です。メディアの報じるいじめと、実

          いじめについて(その1)

          学校は限界です

          intro タイトル通り、いまの日本の学校とそのシステムは限界が近いよという話です。網羅的に語ろうとしたため、すごく長くなってしまいました。大して目新しいことは言っていないので、タイトルの意味さえ理解してもらえれば流し読み程度で十分です。 百周年を迎えまくった学校 学校は限界を迎えている。そのことを示す最もわかりやすい根拠は、教員不足でしょう。物流業界の2024年問題と似ていますね。限界が近い状態で運営しようとすると人が離れていく。それをなんとかしようと待遇改善など進め

          学校は限界です

          自己紹介

          どうやって書いているか しばらくは教育関連コラムみたいなものを定期的に投稿します。コラムといってもWordのディクテーション機能(音声入力による文章作成機能)を使って口述筆記したものを軽く手直ししただけ。そんなに「かっちり」していません。 レジュメなしで思いつくまま気の向くまま語ったものが元となっています。その語りというのも、平日、寝る前に酔った勢いでグダグダしゃべった感じです。少々の間違いには目をつむってください。 そして第1回目は自己紹介。教育って誰がどんな立場で語

          自己紹介

          About

          はじめまして。It0といいます。名字です。 これまで教員として働いてきました。中間管理職的なポジションでしんどい思いをしてきました。寿命の1/5と引き換えに多くのことを学びました。noteではそこで得た経験をもとに、教育界隈のトピックについてざっくばらんに語っていきたいと思います。 文章に残す目的です。私事ですが、教育関連でスタートアップしてみたくて、しばらく教員から離れようと思っているので、その時々で学校現場の内にいたからこそ気付けた事柄を書き残すことが目的です。10年