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川尻久子さん「橙書店にて」

 熊本で本屋兼喫茶店を営む川尻さんが、編集者の大河さんから「一緒に本を作りたい」と言われた後、冒頭のように何度か催促を受ける話を書いた「常連さん」、お店での朗読会に村上春樹さんが来られた話をまとめた「秘密の夜」など36話のエッセイです。

 解説の滝口悠生さんが「書店というのは、本を買うためだけの場所ではない。そこは本と出会うための場所だ。」と書かれていますが、ネコの白玉やお客さん同士の交流など、

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田尻久子さん「これはわたしの物語 橙書店の本棚から」

 熊本「橙書店」の店主、田尻久子さんが新聞や雑誌などから依頼された書評などをまとめた作品です。

 冒頭の文のように「いい本を長く」売っている本屋さんは理想的だなと思います。

 1人の店主が考えた定番商品を置きつつ、本屋さんのイベントの1つとして、例えば、1ヶ月5人限定で1人3冊本を選び、特設コーナーを設置するなどするとその本屋さんへの思い入れも強くなり足を運ぶ回数が増えるかもしれません。

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久住邦晴さん「奇跡の本屋をつくりたい」

久住邦晴さん「奇跡の本屋をつくりたい」

「ミシマ社」を知ったのはこの本がきっかけでした。ミシマ社には「サポーター制度」があり、当時は年3万円強で何冊かの本が届き、おもしろい制度だなと思いました。

 この本は、札幌にあった「くすみ書房」が2015年に約70年の歴史に幕を下ろすまでを描きます。
 くすみ書房は、様々なおもしろい企画を考え、実行した本屋さんです。
・売れない文庫フェア
・店内で朗読
・中学生はこれを読め
・高校生はこれを読め

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辻山良雄さん「本屋、はじめました」-新刊書店Titleの冒険

 2017年12月。本屋Titleで会計を済ませ、扉を開けて店外へ出た後も外観を眺めながら
「いいお店だなぁ!こんなお店が家の近所にあれば・・・」などとボーッと考えていたら店主の辻山さんが外に出てこられて目が合いました。

 辻山さんに「いいお店ですね!」とだけでも話しかければ良かったのですが、なぜか話しかける勇気がわかず会釈だけして立ち去りました。(東京に行く機会は少ないのにもかかわらず・・・チ

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宇田 智子 さん「本屋になりたい この島の本を売る」

 東京池袋のジュンク堂書店で務めておられた宇田さんは、那覇店開店に伴い異動願いを出して沖縄へ。

 本屋さんが減っていく世の中に逆行する形で2011年7月にジュンク堂を退職し、11月、第一牧志公設市場の向かいに3畳程の広さしかない「市場の古本屋ウララ」を開業します。

 宇田さんが沖縄の人情味あふれた人達に助けられながら奮闘する姿を高野文子さんの魅力的な絵で補強しながら描かれます。

 プリマー新

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ショーン・バイセル「ブックセラーズ・ダイアリー スコットランド最大の古書店の一年」

 古本屋店主の日常を綴った皮肉が効いた日記は、芸人さんがコントの題材にするのにピッタリなネタの宝庫。
「オデュッセイア」を「釣り」コーナーに分類してしまう店員ニッキーのキャラが最高!
思わず吹き出してしまいます。
 電車で読むには向いてませんが、読んでて楽しい時間を過ごせました。

ブックセラーズダイアリー
「ブックセラーズ・ダイアリー スコットランド最大の古書店の一年」/白水社
矢倉 尚子 /

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夢眠ねむさん/「夢眠書店の絵本棚」

 あとがきで「夢眠書店は予約が完了するまでは住所非公開」とあり、なんとも魅力的な本屋さんだなと感じました。
 この本は51冊の「絵本ブックガイド」です。絵本や夢眠ねむさんと対談の方の写真もあり、夢眠書店内?と思われる写真もちらほら出てきます。

 ビッグサイズの「はらぺこあおむし」に驚き、好きな絵本「めっきらもっきらどおんどん」も紹介されてたりと共感できる内容でした。
「パンどろぼう」シリーズの柴

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