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ローカルメディアができるまで

地域の場づくりラボ第5回の活動は秋田県でウェブマガジン「なんも大学」を運営する矢吹さんをお招きして「ローカルメディアができるまで」というテーマでお話をお伺いしました!

ゲスト紹介

矢吹 史子(やぶき ふみこ)さん

フリーマガジン「のんびり」やウェブマガジン「なんも大学」の編集・運営に関わり、秋田県に関する人や文化、モノやコトなど様々な情報発信を行っています。

▼矢吹さんのFacebookページ
https://www.facebook.com/profile.php?id=100012362407155

▼秋田県フリーマガジンのんびり

▼秋田県ウェブマガジンなんも大学


イベント概要

今回は「秋田に暮らす人々から学び、未来にシェアするウェブマガジン」をコンセプトとして、2016年6月に運営を開始し5年以上に渡り更新し続け、現在ではおよそ450本もの記事数となっている秋田県に特化したウェブマガジン「なんも大学」を運営する矢吹さんをお招きして、お話を伺っていきたいと思います!
なんも大学の運営の方法、運営にまつわるストーリーや思いについて伺うとともに、メンバーのみなさんとパネルディスカッション形式で深堀りしながらお話していけたらと思います!

矢吹さんの活動

まずはゲストの矢吹さんからのんびりやなんも大学に関わることになった経緯や取り組みについてご紹介をしていただきつつ、活動への思いを伺いました!

▼自己紹介

  • 秋田県秋田市出身

  • 秋田県内の大学でグラフィックデザインを学ぶ

  • 2001年 秋田県でフリーランス・グラフィックデザイン業務をスタート

  • 2012年 秋田県フリーマガジン「のんびり」(冊子)の編集に携わる

  • 2014年 のんびり合同会社設立(2018年より代表に)

  • 2016年 秋田県ウェブマガジン「なんも大学」の編集に携わる

大学を出て就活そして起業
秋田県内の大学でグラフィックデザインを学び、東京でデザイナーとなることを夢見て、東京での就活をスタート。しかし、就活をする中で東京の環境が自分には合わないと感じ、秋田に戻り自分の力で秋田を活性化させていきたいと起業することを決意した。
秋田に戻りフリーランスでグラフィックデザイン業務をスタート。いざ業務を始めてみると仕事としてのデザインの考え方や、出版社への入庫、お客様とのやり取りの方法など何もわからず、想像していたようにはうまくいかなかった。そこで大学ではソフトの使い方だけを教わっただけだったと始めて気付いた。しかし、クライアントには恵まれて、デザイン面でもその他の業務の面でもお叱りをいただきながら教えていただき、最初は生きることで精一杯のような状態が続いたが、仕事として続けることができた。

「のんびり」との出会い
フリーランスとしての業務を続けていく中で、デザインの仕事が好きな分、できないことへのもどかしさも感じるようになり、このまま続けて良いのか考えるようになった。クライアントは個人事業の方が多くその方々の魅力を広く伝えたいがそれができないことへのもどかしさであった。
それを解決するにはデザインではなくメディアを作って発信することだと考えたが、当時、秋田県にはメディアはほとんど無く作る方法も知らないので、半ば諦めながら仕事を続けていた。
そんなある時、その状況を知っていた友人が秋田県をPRする冊子を作る事業に声をかけてくれたことがきっかけで編集に関わることになり、それが「のんびり」との出会いだった。そして、この出会いが自分はデザインではなく編集がやりたいんだと気付かせてくれて、もどかしさが無くなっていくきっかけになりました。また、のんびりの編集チームは一流の人材が揃っており、そんな方々の協力を得て学ばせていただき、自分自身がとても成長させていただきました。

「のんびり」から「なんも大学」へ
「のんびり」は沢山の反響がいただけるまでに成長しましたが、さらに更新頻度を上げて広域に発信するために、2016年「のんびり」の発行を終了して、媒体を冊子からウェブに移し秋田県ウェブマガジン「なんも大学」が始まった。運営チーム(のんびり合同会社)もそれに合わせて「なんも大学」の運営をすることとなった。

▼秋田県フリーマガジン「のんびり」

ビリだ一番だ。上だ下だ。と
相対的な価値にまどわせれることなく
自分のまちを誇りに思い、他所のまちをも認め合う。

のんびり」コンセプト文章より

秋田県による事業で秋田県を県外向けにPRする冊子。「のんびり」が始まった当時、高齢化率や人口減少率が全国で1位だった秋田県。「のんびり」は「ビリではない」という意味で数値では「ビリ」と表現されているが数値で考えるのではなく、秋田にいる人やモノ・コトから学んで発信していくというコンセプトから始まった。さらに、全国でも高齢化や人口減少が進んでいく中で発信した情報が何か役に立って欲しいという思いも込められている。

チーム編成
編集長の他、10人でチームを構成

  • 県外メンバー:写真家2人、編集2人から校正(男性2名、女性2名)

  • 県内メンバー:写真家、デザイナー、編集、ミュージシャン等の合計6名(男性:3名 女性:3名)

取材内容
あらかたの大枠や地域だけ決めて、対象となる場所や人は特に決めずに編集チームである10人全員で現地に行き取材が始まる。行った先でその文化や人、コト・モノに触れて深堀りしていき、数日の滞在期間で取材対象に焦点を当てたイベントの企画や実行を行い、取材対象の文化やイベント開催までのストーリーやインタビュー等を全てのんびりに掲載します。

例えば、秋田県には果物やサラダ、そうめん等なんでも寒天で固めておやつにするという文化があり、その取材をしたときは寒天博覧会を開催して開催するまでのストーリーや参加された主婦の方々のインタビュー記事などを冊子全体でだいたい60ページある中、40ページにわたり掲載しました。

ストーリーや現地の方のリアルな声たくさん届けることで、臨場感が増し一緒に旅をしているかのような気分になります。そして、参加者や秋田県民の方々は、自分たちの日常だったものをこんなに楽しんでもらえるんだという自信につながっている。

表紙について
まるで合成のような特徴的な表紙は合成ではなく様々な方に協力していただいて撮っています。

読者の反応
このメール等のデジタルが普及している時代に全国から手紙や封書が届き、感動した所や面白かった所、行ってみたい、実際に行ってみたという感想がたくさん届くようになった。

その後、のんびりは2016年に全16冊の発行を終え事業は終了。
冊子は全てホームページ上で全て見ることができます。

▼秋田県ウェブマガジン「なんも大学」

なんも大学」ホームページ

さらにもっと多くの方々に発信したいということで、冊子からインターネットに切り替え、ウェブマガジン「なんも大学」が始まりました。
コンセプトは「のんびり」からほぼ引き継ぎ、秋田県全体を大学のキャンパスに見立てて秋田県民のおおらかな人柄から学んでいこうという思いから「なんも大学」に命名されました。「なんも」は秋田県の方言でありがとうと言われたときに「なんてことないよ〜」という意味で「なんもなんも〜」が使われることから、のんびりの県外メンバーに「おおらかな人柄が出てる素敵な言葉」と言われたことで入れることになりました。

チーム編成
役割としては合同会社のんびりとして編集長1名の他、カメラマン・デザイナー・コーダー・ライター・編集を県内メンバー2、3名で行っており、稀に外部のライターに依頼することもある。
また、秋田県のバックアップもあり、編集会議や記事校正を二人三脚で行っている。

取材対象の選定
最初の2年は「秋田といえば」というメインテーマで秋田犬、なまはげ、きりたんぽ等のテーマを1テーマにつき週に週に1回の更新として4週にわたって記事にして、月に1テーマとなるように取材していた。(例:秋田犬:4週→なまはげ:4週→きりたんぽ:4週)
当時、秋田犬で検索してもなかなか良い記事に出会えなかったことから、まずはそういう所からしっかり伝えていきたいという思いからこのメインテーマとなりました。

その後の4年は市町村縛りで取材を開始しなるべく1市町村で4週分の記事を更新するようになり、さらにその後の2年は前の4年で拾いきれなかった魅力的なコンテンツ等を深堀りして記事にしていった。また、最近では人に伝えたいよりも自分自身が知りたいテーマにもなってきている。

テーマを選ぶときに大事にしていることは、取材対象にまつわる思いやストーリー、考え方や取り組みが他の地域でも活かせるようなことに焦点を当てている。それにより同じ物でも見る角度が変わり、取材を受けた本人の自信になり、読者の方も自分ごととして捉えて、たくさんの方々に良い影響を与えられると考えている。

▼メディア展開

のんびりを運営を通して、その取材先の展覧会や博覧会などのイベント(寒天博覧会など)を行うことで行政の方々も協力していただけるようになり、なんも大学の運営をしながらマルシェイベント・ローカルラジオ番組・ケーブルテレビ番組などイベント企画や動画製作にもつながっていった。

これらの活動を踏まえて、伝えること全てがメディアだと感じた。展覧会や博覧会の他、店舗そのものも商品を伝えるという意味でメディアだと考える。

・マルシェイベント「いちじくいち」
http://1jiku1.jp/

・ラジオ番組「のんびリズム」
https://www.akita-abs.co.jp/radioprogram/nonbiri/

・ケーブルテレビ「のんびりし〜な」
https://cna.non-biri.net/

質疑応答と感想

Q:メンバーはどのように決まったのでしょうか?
A:県外メンバーは編集長が県内メンバーの力を引き出してくれそうな人材を集めました。県内メンバーは全員素人なので、県外メンバーから仕事の仕方を教わった。県内メンバーはコーディネーター的な人材がいて編集長と一緒に必要なポジションの人を集めていった。

Q:展覧会などのイベントは自分たちで運営していたのでしょうか?
A:自己責任で自腹を切ってやっていました。その後に行政の方からもお声がけいただき一緒に活動をするようになった。自ら案を形にして見せて集客もできている状況を見せることで行政の方も協力していただける態勢になっていった。

Q:矢吹さんのストーリーを聞いて、新しい環境に飛び込んだからこそ自分が地域に対しての役割を見つけて、悶々としていた状況を打破できて、そのようにちょっとした地域の課題に入り込んでいくようなことが大事なんだと思いました。
A:なんも大学を初めて最初の2年は反響が全く無くただひたすらに取材して記事を投稿していたが、2年を経過して記事が蓄積されてくると少しづつ反響が出始め、記事を見て秋田を訪れた方とも会ったりするようになっていった。継続してやってきたことで沢山の方々を取材させていただき、自ら秋田の魅力を感じ、取材先の方の反応からも自分を肯定できて良かったと感じる。

Q:その続ける先でやりがいが見えてくることがあるので、継続していくことも大事なんだと思いました。
A:取材したことで取材先の方の人生が良い方向に変わっていった様子を見ていて、自分自身でもメディアを続けていて良かったと感じます。

Q:反響がない状態で2年も続けられるのは、圧倒的に自分ごと化できていて熱を持ってやっていたからだと思うが、その熱が伝わって周りで一緒に動いてくれるような人が現れる等の広がりはあったでしょうか?
A:正直それは難しかった。一緒にライターをやってくれる人もいたが継続にはつながってはいなく、自分からどう伝えていったら同じ温度感で継続していけるか模索している。

対談記録

テーマ
「この地域でローカルメディアを作るとしたら?」

対談参加者

Q1 大変だったことをどうやって乗り越えましたか?何をやりがいに乗り越えらましたか?

矢吹さん
:毎週更新しないといけないことが大変だった。1年目は週に2本更新していたので特に大変でどうやってやっていたか記憶にないくらい。取材先の方の人生や考え方を知ることが楽しくエネルギーをもらっていたと思う。
村岡:取材する際に自分が何者か名乗るときはどのように説明していたのでしょうか?
矢吹さん:のんびりを始めた当初は最初にアポ取りの電話でいくら丁寧に説明しても理解していただけず、「とりあえず来てみて」と言われて直接会って話していると理解してもらえた。表紙の撮影するときの各所への声がけも大変で撮影を初めてやっと理解していただけるような感じだった。
佐藤:「とりあえず来てみて」と受け入れてもらえるだけでもすごいと思うが、皆さんそういう感じで受け入れてもらえるのでしょうか?
矢吹さん
:行ってみて取材の話をすると、「取材するなんて聞いてない」等とお叱りを受けることも何度かあったが、なんとかその場その場で色々な方法を使って乗り切ってきた。
佐藤:赤石さんはポッドキャスト等でラジオ配信を4番組やっていますがどうですか?
赤石さん:配信は趣味でやっているもので、一番大変なことは時間を作ることですね。ゲストをお呼びしてお話を伺う番組をやっているのですが、ラジオでの取材先はどうやって決めているのでしょうか?
矢吹さん
:内容的には他の地域でも活かすことのできそうなことを主軸に考えている。取材対象を探すときはとにかくインターネットなどを活用したり、噂話程度のことでも深堀りしていくと意外と深いエピソードがあったりするので、とにかく調べることをやっている。最近は自分の中で疑問に思っていることだったりのテーマがあったりすので、そこにアクセスできそうな情報があったら、その人に会いに行くなど深堀りするようにしている。
赤石さん:取材先は無償で受けるのでしょうか?また、運営費はどのようになっているのでしょうか?
矢吹さん:取材は無償で受けていただいています。運営は県事業なので県から出ていたが、2021年の春から県事業としては終了して自社運営になり、なんとかやってるが、今後のマネタイズが課題となっている。
赤石さん:県との連携はどのようにやっていましたか?
矢吹さん:のんびりの時代から私達の意思を尊重してくださり色々と任せていただいていた。連携としては県の方で各市町村にアンケートを取っていただき取材先を見つけたり、編集会議で一緒に取材テーマを決めたりしていた。
佐藤:会場の方にも冊子の作成などメディアを運営している方がいるので、参考になる話だと思いました。
矢吹さん:横手市にまんが美術館というところがあり、その館長さんにアーカイブする意味を聞いたときに「残すことが使命であって、未来の人がどう使うかは未来の人が決めることなので、自分はひたすらに残すことが仕事だと思っている」という回答に衝撃を受けて一つの答えだと思いました。
村岡:無くなって行く文化もある中で、逆に文化を継承したり残していく役割を担えるチャンスもあるのかなと感じました。
矢吹さん:市民に愛されていた温泉の廃業が決まったときに、市民の方々自らが出資して会社を作り復活したところを見ていて、必要な文化や習慣などは残っていくんだと感じました。

Q2 やる前とやった後では何か変わったことはありますか?

佐藤
:自分自身でも外部的なことでも活動していく中で変わったことなどはありましたか?
矢吹さん:昔は都会への憧れがあった分、秋田に対しても肯定していきたいともがいている時期があり、活動を通して秋田も自分自身も肯定できるようになったことが一番大きく変わったことだと思う。
佐藤:自分が育った地域をあらためて見直したり県外の方の意見を聞いていると、また新しい発見があったりして地域を肯定することにつながるのかなと思いました。
矢吹さん:私自身ここに住んでいていいんだなという気持ちになっていきました。
渡部さん:取材を通してつながりが増えたり周りの環境が変わったことはありますか?
矢吹さん:マルシェイベントの「いちじくいち」は、いちじくの生産者さんや加工業者さんの取材を通して始まったもので、取材を通して外からの目線で様々な悩みや課題が可視化できて、イベントにつながった。
渡部さん:メディア運営をしていて、目的は県外から来てもらうことだと思うが、県内の方による県内移動が活発になったり、個人的に気に入った街とかはありますか?
矢吹さん:街というよりは行ってみたいお店がいっぱいできた。また、活性化により熱いと思える街が見えてきた。

Q3 運営しているメディアは今何を求められていると考えますか?

矢吹さん
:正直言ってわからないが、先程話したまんが美術館の館長が言うように、今はひたすらアーカイブして残していくことが大事だと思っています。
佐藤:自信があったのに読まれなかっか記事とか、逆になぜか人気のある記事とかはあるんですか?
矢吹さん:数字的には見えていて、「秋田といえば」という記事はやはりよく読まれています。また、秋田出身の作曲家の成田為三さんの記事はなぜかずっと上位にいます。記事を書く上では長い取材時間のなかで感動した部分だけがしっかり伝わる記事を書いていきたいと思う。4週にわたって記事を書くが一番最初に更新した記事が一番読まれるので、取材対象の基本情報を一番詳しく書くようにしている。

Q4 事業を秋田県から引き継いで感じていることは何かありますか?

佐藤:なんも大学の運営が秋田県事業としては終わり引き継いで感じていることはありますか?
矢吹さん:マネタイズの難しさを感じています。なんも大学は広くたくさんの方に読んでいただきたく、記事に偏りを出したくないのでスポンサーに頼ったり課金システムにするのは避けたい。また、ECをくっつけるという意見もあったが踏み出しづらい状況ではある。
佐藤:地域の場づくりラボとしてもメディアの運営が一つのテーマであり、今回の対談テーマとしてもローカルメディアを作るということを考えていますが、マネタイズについて皆さん(参加者)からなにか良いアイディアとかいただけたりしますか?
渡部さん:なんも大学はウェブマガジンだけど書籍化して販売もしたらどうか?
矢吹さん:書籍化は最初にお金がかかるわりには、売れないかったり、最初にある程度部数を準備しなければいけないというハードルはあるが、候補として検討できると思います。個人的にはECをくっつけたいと思いますが…。
佐藤:ECをつけるとしたら取材した方の商品だったりを販売するのでしょうか?
矢吹さん:そう思いますが商売としての難しさもあると思う。
佐藤:取材した内容には商品に纏わるストーリーや思いもあると思うので、そこをセットで販売することで。購買意欲にもつながるのかなと思う。
矢吹さん:記事を読んで結局それをどこで買えるのかわからないまま終わるということもあるので、ECが良いと思っています。
出川さん:YouTubeはどうか?もしECを始める場合にマガジンとしてのテキストの情報があり、さらに動画でもっと人間性や温度感を伝えられ相乗効果を生むのではないでしょうか。
矢吹さん:たしかに色々な方向に広げてみて相乗効果を考えるのも良いですね。
村岡:協力したいという方はきっと一定数いると思う。スポンサーの話などこういう出し方はしたくないということも発信しつつも、協力したい方の関わりしろを作ることができたら良いと思う。ECのようなものでも記事毎に応援できるシステムがあっても良いかもしれない。
矢吹さん:応援してくださる方はいるので、良い方法だと思います。ECが記事毎にあるというのも私は良いと思います。

Q5 そもそもローカルメディアの必要性はあると思いますか?なぜ必要だと思いますか?

佐藤
:ここまでの対談でなんとなくこの答えにつながるよう話はありましたが、あらためてこの必要性について考えてみたいと思います。
矢吹さん:私自身、取材先の方、読者の方など全員が自己肯定につながることを信じて私は必要だと思います。のんびりやなんも大学が無いとしてもいろんな方の声を聞きたいしそれを伝えたいと思う。地域に限らずその記事を読んだ方の励みにつながったら良いと思っている。
佐藤:誰がどういう使い方をするかわからないが情報として残していくということで必要だなと思いますね。
村岡:ローカルメディアがある生活とない生活を考えたときに、青森県にはなくて秋田県には「なんも大学」があると例えると、あった方が良いと思った。理由としては、そのような発信を見ると、様々なストーリーや思いが知れてさらにその地域が魅力的に見えて、中にいる方もそれを知って自分の地域に自信が持てると思う。Uターンで戻ってきたり、何か行動したいという方を地域とつなげる役割にもなると思う。
佐藤:個人的に興味を持っていることを調べて、それをやっている人に会いに行くことができるようになって、その街に行くきっかけにもなると思う。自分がたまたま十和田の記事を読んだときに誰かが十和田のことを語ってくれていて、十和田に自信を持てるきっかけになった。
渡部さん:例えばなんも大学で蓄積したノウハウを十和田市のローカルメディアの立ち上げや他の地域の立ち上げに関わることで、さらに広がりができると思う。
矢吹さん:十和田市のローカルメディアやりましょう。十和田市の記事書きます!十和田市のことはまだなにも知らないので、外からの目線で見ることができると思います。なんでもメディアになりえると思っていて、秋田では農家さんで商品のパッケージに広告やアート作品を載せている方がいて、伝えることができたら何だってメディアになると思っている。

まとめ

地域の場づくりラボのテーマとしてもメディアによる情報発信があり、あらためてその必要性について考え、伝える上での視点や運営について学べる良い機会となりました!

今回は以下のポイントが重要なのかなと思いました!

  • 県外などの外部ならではの新鮮な視点

  • ストーリーや思いも一緒に伝えることで臨場感が増して感情移入できる

  • その地域ならではの知識を他の地域でも活かすことのできる情報発信

  • 伝えることができたら何だってメディアになる

  • 残した情報をどう使うかは未来の人が決めるので、とにかく情報を残していくことが重要

  • 地域の情報発信は自分自身、取材先の方、読んだ方全員の自己肯定につながり、地域に魅力を感じるきっかけになる

この機会を通して、地域の場づくりラボの発信に活かして、さらに今後はなんも大学に劣らない地域の情報発信もしていけたら良いと思います!

「のんびり」と「なんも大学」に興味がある方はこちらからどうぞ!

次回予告

地域の場づくりラボ第6回の活動は「地域に関わる活動の目指す先とは」というテーマで、岩手県洋野町で地域おこし協力隊の活動支援や情報発信など、地域活動を積極的に行っている一般社団法人fumoto の代表理事 大原圭太郎さんとスタッフの千葉桃子さんの2名をお招きし、ラボメンバーとの対談イベントを開催します!

上北地域で活動している地域の場づくりラボ、岩手県洋野町で活動しているfumotoさんという、異なる場所で同じように地域活動をしている2つの団体で、地域活動における課題や悩み、目指す先のビジョンなど、普段考えてはいるけどなかなかこういう場では話さないようなことを、答えはないとは思いますが、あえて掘り下げながらお互いの考えをざっくばらんに対談形式でお話していきたいと思っています!

グループについて詳しく知りたい方は...

こちらの記事に結成の経緯やグループのことについて記載していますので、是非ご覧下さい!

Facebookグループはこちらから!(イベント告知はこちらでしています)→https://www.facebook.com/groups/tiikino.badukuri.lab


ライター
(株)ビーコーズ|佐藤 佑志(さとう ゆうし)
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