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【NRI × タイガースパイク対談】加速するDX時代のあるべきチーム・リーダーシップとは

2021年9月に野村総合研究所(NRI)の元人事部長で執行役員、マルチクラウドインテグレーション事業本部長の大元成和氏と、弊社東京オフィス代表の根岸の対談が行われました。「DX時代のあるべきチーム・リーダーシップとは」というテーマで話はスタートしましたが、IT革命からコロナ禍のDX。ピータードラッカーから羽生善治まで。二人の中で話はどんどん展開していきました。今回はいくつかのテーマを抜粋してご紹介します。(詳細は動画、または以下の記事をご参照ください。)


※この記事はこちらの対談を、UX デザイナーのまいまいの視点を入れて再構成したダイジェスト版で、一部中略等しています。


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DX時代をどう見ているか?

大元:コロナ前とコロナ後でDXの意味が変わってきていると感じています。コロナ前はデジタルトランスフォーメーションの「デジタル」優先になっていましたが、コロナを契機に世の中が変わり始めているので「トランスフォーメーションせざるを得ない」状況になってきました。ECサイトなども倍増してきているし、工夫もされてきている。コロナ前までの「デジタル」中心から「トランスフォーメーション」中心へと変わってきている変わってきていると感じています。


根岸:同じ感触を持っています。(以前は)「デジタル」という「言葉」が先行しすぎていた感じがします。この業界は「新しい言葉」が好きじゃないですか(笑)僕の中ではずっと「インターネット革命」が続いているような感じがしています。20年前の言葉ですが。

インターネット革命によって変わったことは大きく2つあると感じています。

1つは「多様性」がものすごく押し進められました。価値観も働き方も行き方も。ニューノーマルも、元々必ず来るはずのものが、コロナで時間を早めてやってきたように思います。

もう1つは「展開のスピード」。これが、考えられないスピードになってきた。革新の速さというより、「展開の速さ」がすごい。それによって変化がどんどん起きている。それ自体は今後も変わらないと思いますが、DXという言葉は今の流行りなだけで、そのうち無くなると思います(笑)

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DXで現場はどう変わった?

大元:弊社ではずっとレガシーシステムで金融機関様のバックオフィスをサポートする業務があります。デジタル系ではないシステムをやっているので、DXを推進する一方でこのような業務に当たっているという内部矛盾を抱えています。

根岸:過渡期なんですね、恐らく。それは凄く感じます。新しいことはやっていかなければいけない。無理矢理切り離して新しいことを探索する(出島的な)組織を作って、そこで何とか新しいものを産み出そうという風に取り組むけれど、結構難しい。こんな風に成功しました!という事例もあまり出てきていないように思います。

大元:無理矢理、新しい組織などを作って、そこだけ特権的にやらせても、なかなか長続きできないですよね。

根岸:最終的に自分たちの本業と全く関係ないことを作って、他にいる数千人、数万人を食べさせていけるか?というと、そんなことはなくて。出島で作ったものも最終的には元々ある組織と繋げていくことになりますが、育てるのもつなげるのも難しい。最近では出島として切り離すのではなく、既存を含めたビジネス全体のアジリティをいかに上げていくかという流れになりつつあります。これを現実にどう落とし込むかのところを僕たちもお手伝いしたいと思って活動しています。

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時代や社会でも矛盾は起きている?

根岸:矛盾は昔からあると思うんですけれど、表面化せざるを得ない状況になっていると思います。大きなところで言うと「今の資本主義のまま行けるのか?」が一番僕らが責任を持たなければいけないものとしてあるのかなと思っています。結局矛盾が表面化しているのって、いろんな問題の結果が表面化してきているんじゃないかと思うんです。例えば、環境破壊も昔から進んできているのですけれど、その結果が近年表面化してきていて。実際豪雨とか大型の台風とか僕ら日本人に降りかかってきている。そうなると流石に「このままでいいの?」となる。

大元:そうですね、少し加えさせていただくと、これだけテクノロジーの進歩が進んでいく中で、先進国のGDPが伸び悩んでいる。結局「資本主義の限界」という。いろんなものが飽和してきていることがコロナによってグッと明らかになったのかなと僕は見ています。

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ビジョンを伝えるために心掛けていることとは?

大元:僕はやっぱり、本を読みまくりましたね。松下幸之助さんの本とか、ピーター・ドラッカーから始まって、マネジメントする人のは結構色々読んで。で、僕は自分の言葉で伝えられない時は、人の言葉(笑)

根岸:そうそう(笑)人の言葉。

大元:松下幸之助はこう言っていたよ。とかね(笑)僕が言いたいのはこれなんだ!とか。自分の能力が足りないところは幸之助さんとかドラッカーさんとかに補ってもらったりしていました(笑)

根岸:確かに確かに(笑)僕も本は読みますね。あと、僕がやっていたことはまず「自分の中で好き嫌いをちゃんとはっきりとする。それを表明する」ことをやっていました。本当に自分がやりたいことを見つめようと思うと、好きとか嫌いっていう感情に自分が敏感でないとダメで。

大元:良い悪いをちゃんと言えるって、いいですよね。

根岸:良いですよね。最近ビジョナリーな流れの中で、生きる上でのスタンスが問われてくる。どこまで日頃から人に届くことを自分が本心から思えているかをすごく意識するようになってきました。

大元:そうなってくると、リベラルアーツ的に宗教とか、哲学みたいなこともきちんと学んでいかなきゃいけない。海外に行くと向こうのビジネスマンって哲学を語るんで。

根岸:あぁ。そうですよね。前提ですよね。人生、人間性修行みたいな感じはありますね(笑)

大元:僕ね、羽生善治さんの本かインタビューで見たんですけど、「将棋で何手先を考えますか?」の問いに対して、羽生さんくらいになると、一番いいのが何手先も考えずに、思いつきの手を打つのが一番いいらしいんですよ。「あぁ、そんな人間になりてぇ」って(笑)やっぱり名人というか、本当にその域にいくと思いつきが全部正解になるっていう。それくらい研鑽を積まなきゃいけないのかなって思ったことがあるんですけど。

根岸:羽生さんの本は僕も何冊か読んでいて、結局「筋が光る」って書いてあったんですよ(笑)。理屈じゃないんだっていう(笑)でも本当にその域なんですよね。

大元:そこまでは難しいとしても、やはり研鑽積まないとね。

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現場のリーダーへのアドバイス

大元:頭でっかちになってはダメ。ということです。私自身も日々悩みながらやっているんですけれども、とにかく行動をしてみる。朝令暮改でもいいので、やってみてダメであれば、きちんとチームのメンバーに「なぜダメだったか」を話して、次またやってみるところからスタートしていって欲しいなと思います。

根岸:いきなり「ビジョンを出せ」と言われたら僕も困るし、それよりも、もっと身近なところからスタートすると良いと思います。「弱さを出す」ことは自分でもコントロールできるところなんじゃないかと。だからまずは「勇気を出して、弱さを出す」。それが少しずつでもできたらいいんじゃないかなって思います。

大元&根岸:今日はありがとうございました!


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今回は、二人の対談のダイジェスト版としてnote向けに書かせていただきました!
ぜひ、より詳細を読みたい!知りたい!と思っていただいた方は、NRI bit Labs TALK SESSION Vol.1 前後編、もしくはこちらの動画をご覧ください!


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