あなたがしてくれなくても
※この記事はドラマ「あなたがしてくれなくても」のネタバレを含みますのでご注意ください。
中学生あたりからドラマを全くと言っていいほど見ていなかった私が、今年衝撃的な作品に出会ってしまった。
出会いを明確には覚えていないけれど、この題名にとても惹かれたことは覚えています。
あなたがしてくれなくても
何をしてくれないのだろう?
ドラマを見たみなさんならもうご存知だと思います。
セックスことです。
結婚している吉野夫婦の仲は良いですが、セックスレスの状態が長く続いてるのでした。
妻のみちは、夫の陽一に対して積極的に誘う場面が多くありますが、夫の陽一はそれをすべて誤魔化しています。
どちらの気持ちも痛い程わかりました。
もちろん無理にすることがお互いの幸せにつながるとは思いません。
でも、1年、2年とその状態が続いていたらどうでしょうか?
男性側女性側、どちらにせよ「自分に魅力がないのかな?」「私のこと好きじゃなくなった?」と、不安になる人が多いのではないでしょうか。
誤魔化す側の気持ちもわかります。
このドラマの中に限っては、相手のことが嫌いなわけではないのです。もちろん好きなのです。
できないのには何か理由があるはず。
その理由が私には痛いほどよくわかります。
ドラマの中で、陽一がEDの単語を見つめるシーンが何度かあります。
最後まで陽一ができない理由が明確になることはありませんでしたが、陽一の心の中には何か深い傷があるのではないか?陽一には普段ではありえない繊細な部分が実はあるのではないか?と感じました。
そんな中みちの働く職場に、似た境遇の社員がいました。
それが新名です。
みちの上司にあたる男性で、とっても気遣いができて優しい人でした。
そして、新名夫妻もセックスレスなのでした。
妻の楓は仕事にとても熱心な人で、家に帰りつくのも遅く、帰り着いても家で仕事やミーティング、電話をしているシーンが印象的でした。
夫の誠の方が先に帰り着いて、夕飯を作っておく毎日でした。
新名夫婦も決して仲が悪いわけではなく、お互い相手のことを思っていることもよく伝わってきました。
でも、夫は多忙な妻と2人の時間がとれないことを寂しいと感じているでした。
痛いほどわかる・・・・・・・・・・。
同じ男性として、人として、誠の気持ちはごもっともです。
結婚はしているけれど、1人で暮らしているような気がしていて、何のために結婚しているのかわからない。
毎日夕飯を1人で2人分作るけれど、2人で食べる時間はなくて、結局その料理も食べてもらえていない。
でも、仕事が忙しいのであれば仕方ない・・・。
楓も遊んでいるわけではない。自分のやりたいことや夢を実現するために、仕事に全力で取り組んで、必死になって毎日働いている。
疲れるのは当然だし、仕事に時間を使った分だけ、他の時間をとることはできなくなる。
2人で話合いの時間がとれないこともあってか、少しずつすれ違いが生まれいているようでした。
2つの夫妻は交わります。
みちが誠に対して、セックスレスであることを打ち明け、誠がみちに対して、セックスレスであることを打ち明けます。
2人は戦友として、支え合いが始まります。
楓と中々思うようにいかない誠は、みちを水族館に誘います。
この水族館どこかで見たことあるなと思って調べてみたところ、やっぱりアクアパーク品川でした(笑)
行ったことがあったからこそ、2人が今そこにいると思うと、こっちまでドキドキしてきました(笑)
2つの夫妻の関係が改善されない中、2人の男女の関係は密接になっていきます。
みちと誠は水族館の帰り、想いが溢れてキスをするのでした。
私はもう画面の前で発狂していました(笑)(絶対親の前じゃ無理)
ついにそこまできてしまったか、どこまで行ってしまうんだ……!と
ただ、衝撃だったのはそれだけではありません。
なんと夫の陽一が、勤め先のアルバイトとして入った三島さんと体を重ねていたのです!!!
もう、なんということ……
それでも3人の中には、結婚相手のことを忘れている人はいないようでした。
それがわかるからまた苦しい。
これだけでは終わりません。
社員研修旅行に行った誠とみちは、夜1つの部屋で2人きりになります。
そして、誠がみちを抱き寄せるのでしたが…
みちの目からは涙がこぼれ落ちます。
あれ?どうして?みちは誠のことが好きなんじゃないの?
そう、きっと好きなんです。
じゃあ嬉し涙?
でもみちは誠を引き離します。
じゃあどうして?
陽一です。
みちの中には陽一がいて、その想いがあるからこそ自然に流れた涙だったのでしょう。
あああああ、胸が痛い
誠もそれがきっとわかっているので、みちにはそれ以上のことはしません。
でも、誠はみちのことが大好きなので、内心は傷ついているかもしれません。
みちと誠の関係がどんどんズブズブになっていく中、楓が夫の異変に気がつき始めます。
楓は仕事ではなく、家のことを徐々に優先するようになるのです。
誠よりも早く家に帰り、家事をこなすシーンが増えてきました。
仕事も結婚生活も一切手を抜こうとしない楓に対して、素直に感動しました。
しかし、誠の心は遠ざかるばかりのようでした。
みちと誠の関係、陽一と三島の関係もついに表に出る瞬間が来ます。
楓は夫の浮気に気づき、陽一もまた、みちに自分が1度裏切ったことを伝えるのでした。
みちと陽一のシーンは本当に胸が痛かった…。
自分とはしてくれないのに、他の人とはしたことを知ったみちはどれだけ深い傷を負うのだろうかと。
でもみちは陽一に対して、誠とあったことは何も伝えていません。
みちも人のことを悪く言える立場じゃない。
それをみちはわかっていて、「私はズルい人間だ」と言っているシーンがあったことが印象的でした。
ボロボロになった夫妻は、ついに終わりのときが来ます。
みちから、誠から、それぞれに、「離婚してください」と伝えるのでした。
く、苦しい…。
楓は了承しますが、陽一は拒否するのでした。
でも、みちは頑なに離婚を取りやめません。
陽一が最後に覚悟を決め、2つの夫妻は終わりを迎えるのでした。
辛い…。
この記事を書きながらあのシーンが思い返されて涙が出そうです(笑)
本当に自分のことのように心を動かされてしまいました。
それぞれの道を歩むことを決めた4人の物語は最終回を迎えます。
どんな結末を迎えるのかなと、本当に予想がつきませんでしたので、見終わった後は、色々な意味で空いた口が塞がらないような感覚でした。
結論から言うと、復縁に向かうのです。
離婚はしても、お互いのことを嫌いになったわけではありません。
むしろ、約1年経っても、元結婚相手に対する思いは消えていないようでした。
陽一がみちに対して、「好きだよ」とハッキリと言葉にするのでした。
楓は、誠に対して「かっこよかったよ、私が戦友になる」と思いを伝えるのでした。
ラストシーンは、みちと陽一が楽しそうに、家までの坂をジャンケンをしながら登っていくものでした。
もうほんとに、たっくさん考えさせられました。
私自信が大人になったなと感じた部分もありましたし、自分の過去の経験、今の心の状況、今後の未来に重ねて、共感する部分が多くありました。
登場人物たちの気持ちを考えて想像しては、苦しくなって、涙を流して、胸が痛くなって、幸せな気持ちになって、キュンとして、ドキドキして、ときには羨ましいなんて思ったりもしました。
そして、4人の主人公役を務めた、「奈緒さん(みち)」「瑛太さん(陽一)」「岩田さん(誠)」「田中みなみさん(楓)」の演技が上手すぎて、感動しました。
このドラマに出会えて幸せです。
もう作品の最新話を見ることができないのは寂しいですが、ドラマを見て、考えたこと思ったことの事実が消えることはありません。
ドラマの作成に携わったすべての人に感謝の気持ちを伝えたいです。
毎週の楽しみでした。
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