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リフタに住んでいた人

昨日のことだった。わたしは先日話をして顔見知りになったエルサレム新市街のとあるお店の2代目とお茶をすることになった。

同じ言語なのに、話が中々理解できないって時あるよねー。なんかバベルって感じがする。

バベルってあのバベル?

そう、あのバベルよ。申し訳ないけど、わたしは信仰者じゃないから神の存在はわからないけど、バベルを感じるよー。

あはは、僕はユダヤ人だけど神を信じてるかって言われるとイエスとは言えないかな。はっきり言ってどんな宗教も好きじゃないし。でも聖書の話は本当に起きているって思うことはあるよ。
今日はどこに行ってたの?

知ってるかなー?新市街の先の方にリフタってところがあるの知ってる?自然がいっぱいのところよ。

え?リフタ?まじかよ!天然のプールがあるリフタだろ?子供のころリフタに住んでたよ!

え?あなたリフタ民だったの?もしかすると、あなたのおじいちゃまはイラクから?

なんで知ってるだよ!そうイラクのクルド人地区の近くの出身だよ。おじいちゃんから聞いた聖書の話は本当かもって思えるのがあるんだ。

彼は神は信じない、宗教は嫌い、それでもなお聖書を信仰している。

聖書にはユダヤ人がイスラエルに戻る、その時は鷲が民を連れていく。そう書いてあるんだ。まさかって思うだろ?おじいちゃんも子供のころその話を疑ってただって。ユダヤ人がイスラエルに帰る、その時は何で?飛行機!聖書の当時は飛行機なんてなかったけど、鷲だよ。そしてサポートしたアメリカのパスポート、ロシアも!聖書の話が本当だって体感したって言ってたよ。
イラクには豪邸が何軒もあって、金も大量に持ってたんだ。それを全部投げうって、一文なしで、一文なしってことはないけどちょっとだけ金を持って、それでエルサレムに来てリフタに住んだんだ!すごくない?全部捨てて一からって聖書を信じてないとできないよ。

彼は熱く語っていた。しかし彼のおじちゃまが来る前、そこには誰かが住んでいたんだよ。おじいちゃまが直接手を下したわけじゃないことも分かっているし、イスラエル政府から与えられた場所ってことも知っている。でもね・・・と言いそうになったところで彼から食事に誘われた。

近くに美味しいお店あるから軽く1杯飲もうよ。

新市街のしゃれたバーに行った。中東というよりも南ヨーロッパに見える。音楽がかかり、オレンジ色のふわっとした薄暗い照明。わたしたちは中東にいるにも関わらずドイツ産のシャルドネで乾杯をした。

つまみは任せて、僕の一番好きなのをチョイスするから。ここのよりもママが作ったのが一番美味しいけど、ここのも悪くないよ。

ヘブライ語で注文したのでわたしには何なのか出てくるまで分からなかった。

あ、これ。わたしも大好き。

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運ばれてきたのはぶどうの葉のドルマ。アラブだと、ワラクイナブと呼ぶ。ひき肉とお米をぶどうの葉で巻いて酸っぱく炊いたものだ。わたしの大好物。そう、彼の文化の根源はイラクにある、だからアラブ料理が大好きなんだ。

彼はママが作ったものの写真を見せ、わたしはわたしが作ったものとパレスチナのママが作ったものを見せ、どれくらいこれを作るのに時間がかかるか、時間がかかるのに食べるのは一瞬で終わる、と笑った。

同じものが同じように美味しく感じられる。きっと同じように平和な道を探せられるはずと信じたい。

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