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【後編】20社共同“採用を、変えようプロジェクト”特別イベント『原田 曜平氏ご登壇「学生の今を知り、学生と向き合う採用へ」』レポート

原田曜平氏の講演終了後は、パネルディスカッションに入ります。

パネルディスカッションにはファシリテーターの寺澤氏、原田氏、芝浦工業大学の学生である井島氏、五十嵐氏と弊社CHRO佐藤が登壇し、本音で語り合いました。

レポート前編はこちら



パネルディスカッション:『採用が難しい』は企業と学生の価値観のズレから 企業が就活生の心をつかむポイント

①   Z世代への理解を深める

最初のテーマは「Z世代への理解を深める」です。

寺澤氏:佐藤さんは原田さんの講演を聞いてどんな印象を持たれましたか?

佐藤:相互理解が重要なのではと感じました。我々の環境と世代を客観的に理解した上でZ世代はどうなのかを見ていく。そして学生も歴史の勉強をするように昔の時代はどんな環境だったのかを理解すると、お互いに理解し合うことができますね。

原田氏:とは言え、学生は社会に出た時に学ぶ機会があるので、上の世代の人が関心をもって若者の理解を深めることが大切なのではと思いました。

佐藤:たしかに、組織の中で世代を超えて理解するのは難しいところもあります。例えば20代の人は30代の人がみる、30代の人は40代の人がみる、などコミュニケーション設計をしていくことが重要なのではと考えています。

寺澤氏:井島さんと五十嵐さんは原田さんの講演を聞いてどう感じましたか?

井島氏:コスパ(コストパフォーマンス)を重視するとお話されていましたが、コスパだけでなくタイムパフォーマンスも重視していますね。それがワークライフバランスなどにつながっているのではと感じました。

五十嵐氏:自分がZ世代としてどう見られているのかが分かって面白かったです。ただ、個人によって考え方や価値観は変わってくるので、もっと個人に向き合って採用していただけるとありがたいなと思いました。

②   採用・就職での企業と学生の価値観のズレを考える

2つ目のテーマではHR総研の調査データをみつつ、企業と学生の理解不足や価値観のズレが何なのかを考えていきます。

調査結果を見てみると、

・ターゲット層の応募者を集めること、内定辞退者を減らすことを課題としている企業が多い。その課題を解決するためにインターンシップの活用や逆求人サイトも活用しているが、重視した施策には就職ナビが多いなど、ターゲット層への施策よりも母集団の獲得に注力しているところが多い

・1人ひとりに向き合ってほしいというような声が学生から上がっている中で、企業は個別型採用よりもマス型採用を主軸にしている所が多い

・ジョブ型採用(職種別採用)の拡大について学生は文系・理系共に賛成が多いのに対して、ジョブ型採用を実施予定と答えた企業はまだ少ない

・内定承諾をしたが、入社に不安があると答えた学生は半分

というように、企業の採用方針と学生の意見にズレが生じているのが分かります。

また学生からは、

・サイレントお祈りはやめてほしい

・書類を出す時点で何週間もかけてエントリーシートの内容を熟考していることを理解してほしい

・お互いに対等な関係で選考に臨みたい

・学歴フィルターがあるなら最初から書いてほしい

などと言った意見が寄せられていました。

寺澤氏:佐藤さんはデータを見てどう思われましたか?

佐藤:まず、ターゲット層の話や内定辞退者を減らしたいということでいくと企業側が出しているターゲットが抽象的だという問題があります。「結局、同じ人を求めているのでは?」と感じる学生が多いのではないでしょうか。

いかに解像度を上げていくのか、そしてそれをオープンに出していくかが重要ですね。求めている人物像だけでなく、反対に自社に合わない人ということも出していく必要があります。

寺澤氏:原田さん、これってまさにマーケティングと似ていますね。

原田さん:そう思います。どんな学生が欲しいのかが明確になっている企業はまだ少ないと思うので明確にしていくことが大切ですね。またZ世代のなかでは診断系が流行っているのでテクノロジーで診断させてマッチングができても良いと思います。

佐藤:AIマッチングというのも取り入れることができます。学生側の行動データや価値観と企業側の早期離職者のデータや活躍している人を読み込ませることでかなり精度の高いマッチングができます。

寺澤氏:こうしてAIを活用すると圧倒的にスピードが速いので、学生と向き合う時間も作ることができますね。

また、学生の生の声を聞けるまたとないチャンスということで、イベントを視聴されている方から学生2人にいくつか質問が寄せられました。

寺澤氏:どんなインターンシップの内容に惹かれますか?

井島氏:満足度が高かったのは、対面で話すことができたり実際の業務を体験できるものでした。

五十嵐氏:私も対面で実務やシミュレーションを使って説明していただけるものが満足度は高かったです。

寺澤氏:企業のSNSは見ますか、またどんな内容だったら見たいですかという質問がきていますがいかがでしょうか?

五十嵐氏:社内の雰囲気が分かる具体的なエピソードや裏話を発信されていたら見たいです。

井島氏:企業のSNSはあまり見ないのですが、YouTubeやTikTokなどで短くわかりやすくまとまっているものがあれば見たいですね。

原田氏:TikTokでいうと若者が求めているのは親近感と分かりやすさです。距離感が近いと感じさせるような発信や、企業の本音が分かりやすく解説されているとバズりやすくなります。

③   企業が就活生の心をつかむにはどうすべきか

最後のテーマでは、企業が就活生の心をつかむにはどうすべきかを登壇者全員でディスカッションしていきました。

原田氏:「正直さ」は重要なポイントであると思います。SNSで企業が良いことばかり言っていても、実情が分かってしまうのが今の世の中です。正直に本音を言った方が共感を呼ぶことができるのはないでしょうか。

佐藤:原田さんがおっしゃったようにオープン化が重要ですね。そこには真実をちゃんと伝えていくことが含まれます。良いことだけでなく、どういう人は向いていないということもちゃんと伝えていくことで満足度が高まっていくのではと考えています。

井島氏:学生としては自分の気持ちをもっと伝えていかなければと思いました。また、企業側と学生側の思いが一致していればミスマッチもなくなると思うので、対話をもっとしていければと思います。

五十嵐氏:企業には、活躍している人の傾向や、逆に向いていない人をはっきり言っていただけた方が嬉しいです。また、学生としても自分の良いことばかりを言うのではなく「これは苦手です」ということも伝えていける環境になればいいなと思いました。

寺澤氏:相互理解を深めるためにお互いのことを良く知っていくことが大切ですね。ただ企業には物理的な問題もあるので、テクノロジーの力を使っていくことも大事になりそうです。こうしてオープンに企業が情報を提供して、学生が判断していければお互いに納得した就活ができるようになると考えます。

パネルディスカッションについては、

「学生の本音や企業に求められる対応(情報のオープン化)などに触れており参考になった。また佐藤様が、学生自身にも意識改革を求めており、就活は企業側だけの努力だけでは解決できない構造上の課題があることも再認識できた点も良かった。そのうえで自社ができることを考えていきたい。」

というような感想を視聴者からいただくなど、今後の採用活動で参考になること間違いなしの内容が盛りだくさんの講演でした!

参加者の声

イベント参加者からたくさんのご感想をいただいたので、一部ご紹介させていただきます。

「お互いに歩み寄ろうとすることが大事ということに非常に共感しました。歩み寄るための機会をどう作りだすか?を考えながら採用設計していきたいと思います。」

「企業と学生が対等な立場で相互理解を深めたうえでマッチングする、という理念は非常に素晴らしいと思います。私もそのような選考プロセスを社内で確立したいと仕事をしています。」

「学生を知るために、自分達のこともしっかり理解する。価値観形成した背景が知ることができ、採用活動で役立てたいと感じました。」

「なんとなくで捉えていた脱ゆとり世代(Z世代)がどういったものか、彼らの考え方・価値観の背景に何があるのかということを、様々なデータ・年表をもとに分かりやすくご説明いただき、大変勉強になりました。その中でも多様性があるのだということ、いかに一人ひとりに向き合ったコミュニケーション機会を作れるかということを、念頭に置いていきたいと思います。」

「パネリストに現役学生がおり、率直な意見も聞くことができ良かったです。相互理解を深める。というワードが残りました。自社の求めるターゲットを抽象的ではなくより具体化させ、逆に合わない人材も発信していきたいと感じました。自社で行っている採用活動を変えるヒントを得ました。ありがとうございました。」

まとめ

「学生の『いま』を知り、学生と向き合う採用へ」のイベントレポートをお届けしました。

企業と学生の価値観のズレを解消するには、お互いのことを良く知っていくことが大切だということが分かりました。そしてそのためには、オープンに情報を伝えるなど相互に歩み寄って理解を深めていく時間が必要になってきます。

しかし、日頃からとても忙しい採用担当者は一人ひとりに向き合いたいと願っていてもそれを実現することが難しいと感じてしまいますよね。

そんな時にテクノロジーを活用していくことで、時間を生み出すことができます。そしてその時間で対話を重ねていくことで企業と学生の「真のマッチング」を実現できるのではないでしょうか。

本イベントでZ世代に対する理解が深まり、今後の採用活動に活かしていけることを願っています。
 


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