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Re:プロジェクトマネジメント 50

日本で最初の民間シンクタンクで、プロジェクトマネジメントのコンサルタントとして、ある時はPМ、ある時はPМОとして、お客様と問題解決に取り組んでいます。本記事では、まだPМBОKには書かれていない暗黙知を言語化し、形式知としてお伝えすることにチャレンジしてみようと思います
マガジン:https://note.com/think_think_ab/m/m0e070db46016

Re:プロジェクトマネジメント

第49回(前回)までは、
「なぜプロジェクトマネジメントが機能しないのか」とのタイトルで、PMBOKには書かれていない暗黙知の形式知化(言語化)にチャレンジしてきました(いつもたくさんのご購読ありがとうございます。おかげさまで、かなり苦しみましたが、様々な気づきも加わり、これまでボヤッとしていた私の頭の中もだいぶ整理できてきたように思います ^ ^;)

第50回からは、
形式知(PMBOK)+暗黙知(本マガジンの内容)を再構成して、「Re:プロジェクトマネジメント」としてご紹介していこうと思います。(記事タイトルは変わりますが、マガジンとしての回数はそのまま継続します)

Re:プロジェクトマネジメント」の前提は以下のとおりです。
 目的:QCDバランスの確保
 課題:不確実性
 戦略:プロアクティブ戦略

余談ですが、
PMBOKは道具としての、知識や技法を扱っていますが、前提となる目的や戦略の詳細は扱っていません。

PMBOKは、
道具は揃えているで、前提となる目的や戦略はプロジェクト側でキチンと考えて、個々のプロジェクト固有性にあわせて組み合わせて使ってくださいね」というスタンスです。

補足すると、
一見、目的とおぼしき「QCDバランス」もPMBOKで触れられていますが、「重要な要素として意識しましょう」との程度の説明に留まっており、「QCDバランス」を実現するために、それぞれの知識や技法を具体的にどのように使うべきかの記載はありません(本マガジンでは、その部分を具体的に言語化していこうと思います)

また、
もうひとつの目的とおぼしきものとしてPMBOKで扱っている「プロジェクトの効率的な遂行」について、いわゆる「効率」とは最終的な目標ではなく、最終的な目的を果たすための手段であるため、プロジェクトマネジメントの目的にはあたりません。

繰り返しになりますが、
PMBOKは、「道具は揃えているで、前提となる目的や戦略はプロジェクト側でキチンと考えて、個々のプロジェクト固有性にあわせて組み合わせて使ってくださいね」というスタンスです。

実は、
ここにPMやPMOがPMBOKを誤って参照してしまう可能性が潜んでいます。なぜならば、プロジェクトの目的は固有ですが、プロジェクトマネジメントの目的は不偏であり、それが「QCDバランスの確保」だからです。

つまり、
プロジェクトマネジメントの目的は、プロジェクトによらず「QCDバランスの確保」です。それは、普遍的なものであり、プロジェクトによって変わるものではありません。そして、PMBOKの知識や技法は「QCDバランスを確保」するために使われるべきなのです。

結果、
プロジェクトマネジメントは、「QCDバランスの確保」という(プロジェクトマネジメントの)目的の達成を通して、プロジェクトの目的に「手段として貢献する」。という構造にあります。(← プロジェクトマネジメントの目的 と プロジェクトの目的の統合)

いいかえると、
この「プロジェクトマネジメントの目的 と プロジェクトの目的の統合」の記載が不十分なことが、PMBOKを誤って参照してしまう可能性につながっています。

QCDバランスの課題

では、
そもそもQCDバランスを損なう、あるいは脅かすものは何でしょうか。

それは「不確実性」です。

逆に、(本マガジンでは繰り返し述べてきましたが)
「不確実性」がなければQCDはバランスするため、QCDバランスを目的とするプロジェクトマネジメントは不要です。

つまり、(あまりに自明すぎて、仰々しく説明するのは気が引けますが💦)
「不確実性」こそが、プロジェクトマネジメントが解決すべき課題であり、問題なのです。

プロアクティブ戦略

不確実性に対する戦略について、
すでに本マガジンで繰り返し述べてきましたが、不確実性に対する姿勢からプロアクティブ戦略(不確実性リスクの早期排除)リアクティブ戦略(不確実性リスクの顕在化待ち)の2つがあり、戦略的プロジェクトマネジメントでは、プロアクティブ戦略を前提とします(次号に続きます)。

追伸:抽象的な内容が多くなってきており、暗黙知を十分に言語化できていない可能性があります💦
・〇〇〇の部分が何言ってるかわからない。
・〇〇〇はこの理解でよいあっているのか。
・〇〇〇は間違い。
 こういうことではないのか。等、
お問合せは、コメントかこちら(DМ)から頂けると幸いです。お気軽にどうぞ→https://note.com/think_think_ab/message

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