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なぜプロジェクトマネジメントが機能しないのか 01 しかるべき目的

はじめに

ここ数年、
プロジェクトマネジメントスキルはPMBOKやPMPなどで、
形式知として公知のものとなってきましたが、

実際の現場で、
正しく機能していない場面を、みかけることが重なり、
自分自身の経験の振り返りと、自分の頭の整理を兼ねて、
今のタイミングでまとめてみようと思いました。

なぜプロジェクトマネジメントは必要なのか

そもそも、
なぜ「プロジェクトマネジメント」は必要なのでしょうか。

どのような条件のときに、
プロジェクトマネジメント」は必要とされるのでしょうか。

あたり前かもしれませんが、
プロジェクトマネジメントは、不確実性が高いときに必要となります。

逆に、
不確実性がなければ、プロジェクトマネジメントのプロセスは不要となり、かわって効率性をあげるプロセスが求められるようになります。

不確実性の早期排除

不確実性が高い場合、
QCDバランスは常に脅かされることになります。

QCDバランスを脅かすもの、すなわち不確実性の早期排除
プロジェクトマネジメントに求められる機能になります。

早期排除、が重要です。

あたりまえですが、実は、
不確実性はプロジェクトマネジメントが機能しなくても、
プロジェクト完了時には、すべて明らかになります。

ただし、その場合、マネジメントはなりゆきのため、
不確実性の排除、すなわちリスクの顕在化のタイミングは
プロジェクト後半になります。

プロジェクト後半は、
予算や時間、リソースにすでに余力はないため、
対策は、追加予算やメンバーの負担増、状況によっては、
ユーザ部門などの関連部門との厳しい調整等が必要となります。

結果、
QCDがバランスする可能性は著しく低くなります。

余談:こうした混乱時の対応(いわゆる火消し)こそが、
   プロジェクトマネジメントと理解されていることもありますが、
   それはあまりお勧めしません💦

プロジェクトマネジメントは、
予算や時間、リソース余力のある早い段階で、
不確実性を早期に排除することでQCDバランスを図ります。

PMBOKの補助線

ではなぜ、
プロジェクトマネジメントは正しく理解されることがなく、
誤解されてしまうことが多いのでしょうか。

それは、
PMBOKのそれぞれの手法やプロセスが、
不確実性の早期排除(=リスクの顕在化タイミングの前倒し)
との観点に紐づけて説明されていないためです。

それはなぜでしょうか。

それは、
PMBOKにおけるプロジェクトマネジメントの目的が、
QCDバランスをはかり、プロジェクトを円滑に完遂すること
との抽象的なレベルにとどまっており、

・なぜQCDはバランスしないのか、
・その原因は何か、
・その原因にどのように対応すればよいのか、
との観点で
具体的なレベルの目的に落とし込まれていないためです。

本記事では、
プロジェクトマネジメントのしかるべき目的
不確実性の早期排除(=リスクの顕在化タイミングの前倒し)
と、具体的なレベルであらためて設定し、

これを補助線として
PMBOKの手法やプロセスを体系的に説明していきます。

プロジェクトマネジメントの目的を、
不確実性の早期排除とし、それを常に意識することで、
プロジェクトマネジメントは機能するようになります。


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