先日、『近代出版研究』第3号(皓星社、2024年)が出版された。この号の目玉の1つは巻頭に掲載されている「座談会「書物雑誌」と雑誌の「書物特集」」である。私もたまたま別件で訪問した際にこの座談会の前半に同席をさせていただいた。(この話は皓星社のメルマガに載っており、以下のページより閲覧可能。)
この座談会の中で森谷均の昭森社が発行していた『本の手帖』も紹介されている。稲岡勝監修『出版文化人物事典』(日外アソシエーツ、2013年)で森谷は以下のように立項されている。
『本の手帖』と森谷に関しては、以下の記事で紹介した鶴見俊輔『日本の地下水 ちいさなメディアから』(編集グループSURE、2022年)で取り上げていることを思い出した。
鶴見は「詩の本を作りつづける―「本の手帖」」でこの雑誌について以下のように評している。
上記について、鶴見は森谷のことを商業から離れたところで美しい本を自分でつくり続けたと評している。以下の記事で紹介したように、鶴見は自分の手でつくること、持続することを重視していたので森谷を「日本の地下水」で取り上げたのだろう。