ネバーランドに生息するタイプの昆虫
修学旅行中の貸切大型バスでの移動ほど盛り上がるイベントは無い気がする。
小学生の時の話だ。バスガイドさんが企画した「私は誰でしょうゲーム」が特に盛り上がった。
自分の名前と好きな食べ物、好きなミュージシャンを、生徒1人1人が付箋に書き、回収した付箋の中から、バスガイドさんが1枚手に取り、そこに書かれている「好きな食べ物」と「好きなミュージシャン」をヒントとして、その付箋を書いた生徒を、その生徒以外の生徒に当ててもらう、盛り上がり方でその人の人望が問われる、実に切ないゲームだ。
バスガイドさんが、お題となった人になりきり始めたところで、ゲームが始まる。
「私の好きな食べ物はラーメンで、」
私かもしれない。
「好きなミュージシャンは、カ、カナブン?」
私だ。
しかし、私の好きなミュージシャンは「KANA-BOON」であり、昆虫ではない。
この頃はまだ、小学生に「KANA-BOON」よりも「カナブン」が浸透しており、「好きな食べ物はラーメン」というヒントだけで、どうにか当ててくれたが、「ラーメンとカナブンが好きな生徒」を当てようとする、あの独特な空気を忘れない。本来、大いに盛り上がるゲームのはずだったのに。
カナブンを思い出そうとすると、緑色のカナブンが浮かんでくるが、はっきりしたイメージは浮かんでこない。小学生の時はよく見ていた気がするが、今ではもう見なくなってしまった。ネバーランドに生息するタイプの昆虫なのかもしれない。
2021年まで、あと266日。
いつも最後まで読んでいただきありがとうございます。また明日お会いしましょう。
雑費として使わさせていただきます。何に使ったかを記事のネタにするかもしれません。