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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーのヒットの理由

ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービーが異例の大ヒットを記録している。

全世界での累計興行収入は5/1時点で10億2637万6630ドル(約1410億円)で、早くも歴代アニメ作品興行成績のトップ10入りを果たした。
日本でも現在進行形で数々の記録を打ち立てている。

※イルミネーション作品歴代No.1週末興収
「怪盗グルーのミニオン大脱走」(金土日7.51億円)、「ペット」(木・祝~日9.84億円)を上回る。
この成績は「怪盗グルーのミニオン大脱走」(最終73.12億円) の金土日3日間対比245.3%となります。

※ユニバーサル作品歴代No.1週末興収
「ジュラシック・ワールド/炎の王国」(金土日15.10億円)を上回る。

※ユニバーサル作品歴代No.1の早さ、2日目で興収10億円突破
「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の3日目での突破を上回る。

※ユニバーサル作品歴代No.1の早さ、4日目で興収20億円突破
「ジュラシック・ワールド/炎の王国」の5日目での突破を上回る。

日本経済新聞より引用

本映画が大ヒットしている理由は、世界中の人のノスタルジーを刺激したからだと思う。

マリオシリーズのゲームは、『スーパーマリオシリーズ』だけでも2020年時点で全シリーズ累計の売り上げが全世界で5億6000万本以上を突破しており、世界中の老若男女の子ども時代の思い出にマリオがいると言っても過言ではない。

そのような中、本映画には、キャラクターがカートに乗って競争するゲーム『マリオカート』や横スクロール型のアクションゲーム『スーパーマリオブラザーズ』など、歴代マリオシリーズを彷彿とさせる描写が次から次へと登場する。

そのシーンの一つ一つが観客のノスタルジーを刺激するのだ。

ノスタルジーには、「自己連続性が高まる」、「ドーパミンの分泌を促す」などのポジティブな効果があることが研究で明らかになりつつある。
(自己連続性:自己が過去から現在にかけて同一の存在として繋がっている感覚で、自己連続性の向上は自己肯定感や自尊感情の増加を促す。
ドーパミン:快感や多幸感、意欲と関係する脳内物質)

つまり最大限簡潔に言うと、本映画を見た人はノスタルジーを感じて"気持ちよく"なり、その体験を身の回りの人に生き生きと語りたくなってしまうのだと思う。

実際私自身も映画を見た後に会った人全員に対して、何かに突き動かされたように本映画の魅力を熱弁するに至っている。本記事も例外ではないのかもしれない。

ノスタルジーという感情とビジネスを直接結びつけるのは個人的には好きではないが、ノスタルジーにより購買意欲が高まる”ノスタルジー効果”は多くの企業広告で巧みに利用されている。

それだけでなくチャリティやボランティアなどの向社会的行動を促す目的で、ノスタルジーを喚起するようなキャンペーン動画が制作されていたりもする。

このようにノスタルジーには何やら強大な力が潜んでいそうだが、とはいえすぐすぐ「誰かのノスタルジーを刺激したい!」とは思えないので、
まずは素敵なノスタルジーを未来の自分にプレゼントするために、写真や文章でその瞬間瞬間の思い出を残していきたい。


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