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ブッダのことば 慈しみ

数多くの仏教の経典の中で、スッタニパータはもっとも古い経典の一つです。そのため後世の経典に見られるような煩雑で難解な教理はありません。ひとりの人間として生きる道が語られています。教祖であるとか宗教だとかいうことなしに、一人の人間として思想家として私淑するひとりです。

スッタニパータの慈しみからのことばです。

143 究極の理想に通じた人が、この平安の境地に達してなすべきことは、次のとおりである。能力あり、直く、正しく、ことばやさしく、柔和で、思い上がることのないものであらねばならぬ。

144 足ることを知り、わずかな食物で暮し、雑務少なく、生活もまた簡素であり、諸々の感官が静まり、聡明で、高ぶることなく、諸々の(ひとの)家で貪ることがない。

145 他の識者の非難を受けるような下劣な行いを、決してしてはならない。一切の生きとし生けるものは、安穏であれ、安楽であれ。

148 何びとも他人を欺いてはならない。たといどこにあっても他人を軽んじてはならない。悩まそうとして怒りの想いをいだいて互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。

151 立ちつつも、歩みつつも、坐しつつも、臥しつつも、眠らないでいる限りは、この(慈しみの)心づかいをしっかりとたもて。

出典「ブッダのことば スッタニパータ」 中村元 訳 岩波書店


松江市八束町の大塚山には中村元記念館があり慈しみの石碑があります。

慈しみ

一切の生きとし生けるものは、幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ。

一切の生きとし生けるものは、幸せであれ。

何びとも他人を欺いてはならない。

たといどこにあっても他人を軽んじてはならない。

互いに他人に苦痛を与えることを望んではならない。

この慈しみの心づかいを、しっかりとたもて。

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