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今がつらい音楽家へ

今はつらい

物価が上がり、給料が上がらず、世間から明るい声が聞こえてくると余計につらく感じてしまいます。先月もたくさんの音楽家と面談しましたが、皆さんそれぞれ大変な生活をされてました。

不可抗力

ほとんどが不可抗力、自分ではどうにもならないことで悩んでおられたので気の毒でした。

多かったのが「年齢」です。「この歳なのに」「いつまでたっても」「もうこの年齢」「回りは同じ歳なのに活躍してて」「いまさら」「これからなんて」お気持ちは分かります。

これを自分でなんとかしようとしても無理です。太陽が昇らないように、沈まないように頑張るようなものです。

マトリックスという映画

1999年に『マトリックス』という映画がありました。世界の人間全員がカプセルに入って脳がコンピューターにつながれていて、夢を見させられているだけです。だれもお互いに触れたり、干渉し合うことはできません。

モナド

1700年前後、バッハがオルガンの練習をしていた時期に、「モナド」というものが提唱されました。時代は前後しますが、早い話が私達は皆映画『マトリックス』のようなもので、全部神様が決めた通りに全てが進んでいるということです。

窓がないカプセル

この「モナド」は物質的なものじゃなくて、精神的な最小単位と考えてください。語弊を恐れずに言うと私達ひとりひとりが入っている精神的なカプセルと考えましょうか。それには窓がないのです。つまり外に出たり、他のカプセルを触ったり、他のカプセルの中を触ったりすることはできないのです。

パチンコ玉

私達ひとり一人が入った、そのカプセルが無数のパンチンコ玉のように並んでいるとイメージしてください。お互いが表面に映り合っている、映し合っているイメージです。だから他のカプセルがどうなってるかは常に分かるんです。中の人の気持ちまでは分かりませんけどね。

最も良い状態

ここからがポイントですが、神様が最良の状態を選んでこのカプセルの中でどんな夢を見るかというのを決めているので、常に最善の状態なのです。

ちょっと待って!

「最善の状態ならなんで自分はつらいんだよ!」
「最善なら何で悪い奴がいるんだ?」
「神様が全能ならなぜ悪が存在する?」

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』の次男が三男に言った言葉のようになります。

ただ・・・

ただ、肉体的に痛みがない限り、「もう決まっいてたことだ」と受け入れると楽になるのではないでしょうか?

まとめ

少し最後に難しい用語を紹介しますので、お好きな方はググってください。

上記はすべてライプニッツです。微分積分を開発した人ですね。(ニュートン? このバトルは他でやってください)

「モナド」は「モナドロジー」の中の単位です。
神様が決めたということは「予定調和」といいます。
全部最善だと考えるのは「最善世界説」といいまうs。
神がいるのになぜ悪がいる?というのに答えるのは「神義論(弁神論)」といいます。

昔の話でスルーするものではなくて、つらい今の時代に考えるべき概念であり、AIの時代にもう一度いちから考え直すべきことなのです。

特に朝から晩まで働く理系の労働者は無理矢理でも考えてください。

少し楽になれば嬉しいです。少しでもこの記事が音楽家のやる気に繋がれば嬉しいです。

よろしければ書籍もご利用ください。

最後までお読み頂きありがとうございました。
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津本幸司

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