見出し画像

そろそろ会社と個人の新たな関係について、自分なりのまとめを完成させたい。

▼人材の価値を最大化させたいが

競争力の源泉は「人材」。そう考えている会社は、人材を「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すための動きを既にスタートさせていると思う。僕自身も(勝手に、経営に食い込むべきだと考えている)人事として、その動きをスタートさせたいとずっと思っていた。ただ、中々スタートが切れなかった。なぜか?何かをまとめてからでないと、上手くいく気がしなかったからだ。何をまとめたかったのか?「会社と個人の新たな関係性」、これをまとめたかった。

▼両者の関係に影響しそうな内容を歴史と共にざっと振り返る

・戦後の高度経済成長期、「終身雇用」「年功序列」が生まれた。 - 労働力、他の企業より、優位でありたい
・1947年、労働基準法で「1日8時間労働」が制定された。 - 海外の、長時間労働、不満から
・1965年、「週休2日制」が採用された。 - 元々は、一日休養、一日教養
・バブル崩壊後、「就職氷河期」が到来し、終身雇用神話も崩れ始めた。 - 働き方、揺らぎ始めた、平成時代
・2000年代に入り、「ブラック企業」という言葉が生まれた。 - 背景は、景気はもちろん、他にも色々
・そして2019年、「働き方改革」がスタートした。「長時間労働の是正」「多様で柔軟な働き方の実現」「雇用形態に関わらない公平な待遇の確保」などを目的に、様々な取り組みが始まった。- 本当に、どんどん変わった、各種ルール
・その上にコロナ禍。例えばリモートワークの広がりで、働く場所も、働き方も、コミュニケーションも、マネジメントも色々変わった。日常生活まで含めると、他にももっと変化はある。- 今回は、対象限定ではなく、グローバル

▼これまでの流れを振り返って思うこと

どう考えても、会社と個人の関係性は変わってきていると思う。さらに、ここ最近の流れを踏まえると、両者の関係性の変化は、より激しくなっているはずだ。それを理解・整理せず、人材の価値を最大化させる動きをスタートさせるのは…やはり僕にはできない。もしかすると、そんなことは同時並行でやれば良い、という考え、意見があるかもしれないが、僕はそこまで器用ではないし、そもそもそんなことができるほど優秀ではない。ということで、自分なりに会社と個人の新たな関係性についてしっかり理解・整理した上で、確実に次に進もうと考えた。

▼整理するとこうなった

まず前提として、お互い(会社/個人)に意識すべき点が増えた。以下5つがその対象。

  1. 個人/自分の「存在」 :勤務時間・場所・その他、働くにあたり、人によって様々な制約条件があると思う。現代は、その様々な条件を持った人材を柔軟に受け入れ、価値の最大化を進める時代だと思う。会社は「個人の存在」について、個人は「自分の存在」について、各々の制約条件含みで、個人/自分の「存在」をしっかり見通すべきだと思う。大切に扱うべきだと思う。

  2. 個人/自分の「スキル・知識・経験・パーソナリティ」:最近では「強み・弱み」や「性格・気質」などへの意識も高まっている印象。

  3. 個人/自分の「心身の健康」:「EAP」や「ストレスマネジメント」への意識も、企業規模等に関係なく、少しづつ確実に高まっている印象。

  4. 個人/自分の「気持ち」:正直、仕事のパフォーマンスに対して、「好き・嫌い」の影響は少なくないと思う。「衛生要因」や「動機付け要因」もパフォーマンスに影響する。気持ちへの意識は、会社・個人共に、ここ最近特にホットになっている印象。

  5. 個人/自分の「活力」:新しい視点として、特にこの点を強調したい。「価値観」「大切にしているもの」「幸せ」。これらを起点にしたエネルギーは、よく考えれば、パフォーマンスに関わるあらゆる要素の根源になり得るし、そもそもここが人生における時々のゴールですらある。冷静に考えると、とてつもなく大事なポイントだと思う。会社も個人も互いに注目・尊重すべきポイントだと思うが、皆さんはどう感じられるだろうか?

次に、会社はそれら(上記5点)を管理し、個人はそれら(上記5点)を自己理解することが必要になった。新たな管理/自己理解項目もあれば、これまでよりもっと管理/自己理解が必要になった項目もある。

その上で、会社は視野を広げ(例えば個人のナラティブをこれまで以上に意識する)、個人と協力し合いながら(会社が100%の労力負担で何かをサポートするだけが全てではないと思う。会社と個人が、対話を通じ、役割・責任を分担し合うことで手が届くようになる何かも存在すると思う。)それら(上記5点)をデザインしていく存在になってきたと思っている。ちなみに、以下のように考えると「デザイン」のイメージがしやすくなるのではないだろうか。

  • 存在=「働き方改革」

  • スキル・知識・経験・パーソナリティ=「人材育成」

  • 心身の健康=「健康管理」

  • 気持ち=「モチベーション管理」

  • 活力=「健康/ウェルビーイング経営」

加えて、個人の側も、自ら語り、周囲・会社とこれまで以上に上手く、頻繁に相互依存を繰り返しながら、それら(上記5点)をデザインしていく存在になってきたと思っている。受け身の姿勢だけではなく、自律性・主体性・成熟した自我を巧く使いこなすことが、これからは求められるはずだ。そういうことができるようになることの方が、個人にとってもプラスになるし、会社にとってもプラスになる、そんな時代に入ってきていると思っている。

以上が、僕なりのまとめになる。これが「会社と個人の新たな関係」ではないかと思っている。

▼その上で

人材を資本として捉え、その価値を最大限に引き出すための動きを、いよいよスタートさせようとしているのが今の僕の状態だ。会社と個人の新たな関係性について自分なりに理解・整理が進んだおかげで、今はこれからの動きにワクワクを感じている。「人的資本経営 on 会社と個人の新たな関係性」、片田舎の会社がそんなこと… 専門家でもない中途半端な人事担当がそんなこと… そんな声が聞こえてきそうだが、だからこそ挑戦してみたい。企業である限り、そこには資本となる人材がいてくれて、その人材にはそれぞれのナラティブが存在する。人事である限り、その人材の活躍(価値最大化)を支えようとするのは自然なことだし、皆(個人・会社)が豊かになるのは嬉しく感じる。

だからこそ、挑戦してみたい、新たな動き。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?