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#44 地域の『商社』

2024年3月某日

商社というビジネスモデルが好きだ。卸売業ではなく、日本式の「総合商社」のような業態である。海外では、「TradingCompany」ではなく「SHOSHA」とか言ったりもするらしい。

さて、なぜ商社が好きかといったら、「儲かるネタ」みたいなものを起点にビジネスをつくろうとする姿勢が強いと感じるからだ。例えば、ある地場産品について、地元と海外に大きな価格差があるなら貿易ビジネスを始めるし、レアメタルに大きな値がつきそうだとなれば採掘ビジネスに投資する。このような柔軟さというか、儲かるネタを見つけて、ささっとビジネスモデルを組み上げる「設え力」みたいなものには感服する。

では、このスタイルが成立する要因は何だろうか。基本的には「カネ」「ヒト」「情報」なのだろう。総合商社のように、巨額の手元キャッシュがあって、超優秀な人材が大量採用されていて、情報網がすごい。とすると、商社としての独自の技術や製品などではなく「事業開発の速度と品質」みたいなものが競争力として機能しているのだと考えられる。

実際、「SHOSHA」のようなビジネススタイルは色々なところに見つけることができる。例えば、「スタートアップ・スタジオ」と呼ばれる、同時に複数のベンチャーを生み出す業態だったり、大企業が他分野展開してコングロマリット化していく状況など、色々あるだろう。

無論、「事業開発の速度と品質」みたいな強みの発揮は、小資本の事業者には厳しい事情があるのかもしれない。しかし、ローカルの現場でも、ニッカポッカ着て、板金業からスタートしたけど、いつしか中古車販売、携帯ショップ、介護事業、飲食店など、「手広くやってるオーナー社長」などはよく見かける。彼らの強みは「嗅覚」、すなわち「儲かるネタの探索能力」と「事業開発の速度と品質」の組み合わせに他ならないのではないだろうか。

ほなら。

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