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#33 食わずぎらいは損をする


さて、今日のテーマは「食わずぎらいは損する」です。

自分の好きなことだけで物事を判断していませんか。

自分が抵抗感のある世界にこそ答えがあることもあります。

殻を破りたいあなたは少しお付き合いください。


自己紹介です


お題の話の前に、自己紹介します。

僕は、リハビリテーション病院で働く作業療法士兼、中堅管理職です。

日々の実践はもちろんですが、中堅管理職として、
管理の視点や現場の視点から様々な相談を受けることが多くなりました。

これらのことについて、僕なりに解釈して記録として残していきたいと思います。


このアカウントでは以下のことについてを書いていきます。

・組織での働き方
・健康の考え方
・自分を大切にする生き方
・ストレスマネジメント
・作業療法のもろもろ
・相談を受けたこと
・臨床で考えこと
・日々、感じたこと など



それでは本題に入っていきましょう。



食わずぎらいになる理由


ここで言う「食わずぎらい」とは、

自分の考えに閉じこもって、他者の考えを否定することです。

例えば、

上司の態度が気に食わない部下
部下の判断を信頼してない上司
経験値を重視する人とデータを信頼する人の争い

など。

組織で働いていると、2つ以上の考え方の対立に出会うことがあります。


「なんであいつは分からないんだ」
「まだ勝手なことを言ってる」


そんな感覚になったことはあると思います。

組織やチームではいろんな考え方の人が交わるため、

このような対立構造ができやすいことは理解できます。


問題は、

その対立構造により物事が先に進んでいない

ということです。


対立することから先に進めないと、組織に発展はありません。

違う考え方があるからこそ新しい視点に気がつくことができるはずです。


ではなぜ人は違う考え方を認められないのか。

その答えは「経験の差」にあります。

その具体的な例を、リハビリテーションという世界で起こってる問題に照らしわせてみていきます。



臨床家と研究の対立


リハビリテーションは主に医療や福祉という分野で発展してきました。

その過程の中で、様々な研究が生まれ、対象者に対する効果的なリハビリテーションが証明されてきました。

一方、リハビリテーション職というのは専門職でもあり、気質的には職人気質の人が多い印象があります。

こういう人たちを”臨床家”と言ったりします。



臨床家は自分達の経験値を重要と考える傾向があります(僕もそのタイプ)。

そして研究というデータや統計の世界を牽制しがちです。

臨床家はデータを軽んじますし、データを見る人は経験則だけの物言いを信頼しません(わかりやすいように少し極端に表現してます)。


ただ、医療や福祉と分野では、正当な研究で得たデータを元にした関わりは根拠として重要です。

一方、研究で得たものだけで様々な患者さんの個別のニーズに対応することはできないので経験則も重要です。

つまり、臨床家とデータのどちらが大切なのかという対立自体がおかしいんですね。


結局これは「食わずぎらい」の問題です。

人は自分の経験から自分にとって重要なことが何かを判断しています。



臨床家は目の前の患者さんに寄り添おうとして、

研究者はリハビリテーションの全体的な発展により患者さんに貢献しようとします。


ただ、自分が触れたことない世界を目の前にしたときにその世界に足を踏み入れられない。

なぜなら、自分が今まで積み上げてきたものを否定する可能性があるからです。

自分が知らない世界で作られた方法で、実際に救われる人がいることも事実であるにも関わらずです。



対立の不毛さ


僕自身、臨床家としての経験が長く、研究やデータに関しては今でも苦手意識があります。

ただ、この対立構造の無意味さも日々感じています。

「どちらが大事なのか」

という論争をいろんなところで見聞きする中で、その不毛さを感じることが多くあります。


「なんで相手の世界を知ろうとしないのか」


その疑問がずっとあります。


少しばかりですが、僕も研究やデータの世界に触れる機会を数年前より持つようになりました。

その結果、自分自身の考え方や視野が広がり、より臨床が洗礼されている感覚があり、明らかに患者さんへのリハビリテーションの効果が出せるようになりました。

ただ、臨床家としての経験に裏打ちされた実践もとても重要です。

これがなければ臨機応変な対応はできません。


広い視野で見れば、これはどちらも同じカテゴリーの中の考え方です。

どちらかなんてことはなく、同じ目標に向かって励むための方法の違いです。

そうであれば、様々な方法を知って実践できた方がより汎用性があるのは明らかです。



相手の世界を知ることから


僕の主観的な経験にはなりますが、自分が食わずぎらいにして否定していた(関わろうとしなかった)世界にこそ、自分の成長があります。


「なんであいつは分からないんだ」
「まだ勝手なことを言ってる」

と相手を否定しているあなたこそ、その世界のことをもっと知るべきです。

上辺だけではなく、その世界に身を置いて実践を通して学んでください。


やれるだけやってみてそこで初めて何が問題かを考えればいいと思います。

そしてそれはあなたを否定することではありません。

自分の経験や視野がいかに狭い世界なのかを知るということです。



自分を知るからこそ、成長があるわけですから。



頑張るあなたを応援しています。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
読んでいただいた方のヒントになれば幸いです。


ではまた。


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