見出し画像

#4 「ほう・れん・そう」は誰のためにあるのか

自己紹介です


お題の話の前に自己紹介します。
(自己紹介はしばらくは続けますね)

僕は、リハビリテーション病院で働く作業療法士兼、中堅管理職です。

日々のリハビリテーションの実践はもちろんですが、中堅管理職として、管理と現場の間をつなぐ役割を担っています。

ありがたいことに、管理の視点や、現場の視点から様々な相談を受けることが多くなりました。

これらの相談について聞いたことを、僕なりに解釈して、問題の根本について考えたことを、このnoteに記録として残していきたいと思います。

このアカウントでは以下のことについてを書いていきます。
・病院での働き方
・日常生活での健康の考え方
・ストレスマネジメント
・作業療法のもろもろ
・相談を受けたこと
・臨床で考えこと
・日々、感じたこと     など

また、この内容は音声としても残していきたいと思います。
note ⇄ 音声 のやりとりを通して、自分の中での思考をより鮮明にしていきたいです(https://stand.fm/channels/63f6a2ba390e8c58c69d45fc)。

興味がある方はぜひ読んでみてください。

ほう・れん・そう ができない理由


先日とあるスタッフ(管理職)から相談を受けました。
「後輩のほう・れん・そうが遅いんですがどうしたら良いですかね」

ほうほう。

わざわざ説明しなくても分かると思いますが念のために。
「ほう・れん・そう」とは、「報告・連絡・相談」の略ですね(以降は「報連相」と記載します)。

相手や上司に対して行う、仕事における情報伝達の3種の神器です。

皆さんも若手を指導する時に「報連相しなさい」と伝えてことは一度はあるんじゃないでしょうか。

僕もその自覚はあります。確かに言ったことあります。

では、この後輩くんの「報連相はなぜ遅くなるんでしょうか」

今日はそこから深堀してみましょう。

ちなみに、この状況において僕自身はこの後輩と直接接したことがないので、その理由を明確に伝えることは難しいかもしれませんが、断片的に話を聞くと以下のようなことに気が付きます。

「仕事は真面目にこなせる」
「態度やコミュニケーションに問題ない」
「事後報告が多い」
「指摘しても報連相は遅い」

この情報から察するに業務態度は真面目なタイプで、仕事上も大きな問題はなさそうです。

ただ、情報伝達においては行動が遅く、事後報告になりがちなようです。

さて、この後輩くんの行動について皆さんどう思われますか。

少し考えてみてください。


僕が出した結論はこうです。

この後輩くんは、何を報連相して良いのかわからないではないか。

仕事や態度に問題がなければ、一度の指摘で修正できることが多いです。

ただ、今回のように「報連相ができてない」という指摘に対してはどう行動すべきかが曖昧になっているように感じます。

報連相という言葉は便利で的を得ているようですが、実はその言葉に具体性がないのも問題だと思います。

報連相とは一体なにを表しているのでしょうか。


「報連相する」のは誰のため


さて、ここで報連相という言葉は誰のためにあるかを考える必要があります。

報連相を行うことで助かる人は誰だと思いますか。

そうです。報連相をされた側です。

報連相という言葉は「報連相をする」ではなく「報連相をしてもらう」ことに意味があります。

つまりこの言葉の主語は報連相を「受ける側」であるわけです。

なぜ報連相をしてもらうと助かるのでしょうか。

それは上司が自分から行動しなくても、様々な情報が自分のところに集まってくるからです。

上司にあたる管理職は「判断することが仕事」です。

適切な判断を迅速に行うことでチームの行動を導くのです。

上司自身が情報を取って回っていたら情報をとることに時間がかかてしまう上に、自分が興味のある情報しか取れないため、状況にあった適切な判断ができなくなってしまいます。

報連相は上司が適切な判断を行うために効率よく情報を集めるための戦略というわけです。


報連相が遅い人にはどう対応するか


ここまで深堀してみて気がつくことがあります。

報連相が遅いスタッフはこのことを理解しているのか。

報連相を行う目的を理解できずに「報連相しなさい」と言われても、それを伝えられたスタッフにはメリットがありません。

時間は使うし、上司の行動も把握しないといけない。

自分は自分のスケジュールで仕事をこなしているので、その合間に人の行動を考慮するとなると仕事の効率は格段に落ちます。

つまり、今回の相談の問題は以下の3つになります。

「報連相の目的が伝わってない」
「報連相する必要のある情報が何か不明確」
「報連相のタイミングと方法が決まってない」

報連相の必要性を伝えるにあたってはこの3つについて、相手がどこまで理解しているかを再度見直すことが必要です。

そこまで伝えてなお改善されない場合は、その個人の働き方の問題である可能性も強くなりますが、その場合はまた別の話ですね。


いかがでしょうか。

最初は「報連相できない」ことが後輩の問題だという趣旨の相談でしたが、深堀して考えてみると、それを伝える上司側にも問題がある可能性が見えてきました。

少し飛躍した内容になっていることは承知していますが、こう言った状況が想定できることも事実です。

僕たちは、自然と自分が行なっていることを正しく見て、相手を否定してしまう癖があります。

自分の行動や相手の行動を少し冷静に見てみることで、より適切な関わりができるかもしれません。

皆さんも気をつけてみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。
読んでいただいた方に少しでも何かヒントになれば幸いです。

ではまた。

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?