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パレパラたんに会いに長瀞へ。

秋をむかえ、やがて冬に変わりゆく。
国土の三分の二が森林の日本。山の木々が、紅色や黄金色に色づき、美しくなる。
食べ物も美味しくなる、実りの秋。新米に新蕎麦、キノコに木の実、落ち鮎の季節。

褻(けがれ、ケ)という日常から抜け出し、ちょっとした晴れの日に出かけるならば、秋の山々を堪能できる、秩父や長瀞はどうだろう

池袋から特急ラビューで一時間ちょい。西武秩父駅で秩父の山や自然、食を楽しむのも良し。西武新宿から所沢駅からラビューで行くのもよかろう。
東の人たちは、熊谷から秩父鉄道で行くこともできる。

僕は仕事を投げ出してばかりだが、地元飯能から西武秩父に向かい、さらに秋を探しに長瀞まで向かおうとした。

秩父を見下ろす武甲山は、石灰岩をとるため切り崩され、独特な形。気軽な低山の登山でも有名だが、この山をのぞめば秩父に来た感じ。
アニメ「ヤマノススメ」4期5話の武甲山の作画の美しさをお楽しみください。

同時に、長瀞の名物の鮎に釜飯、できれば「鮎飯」を食べたくなった。
秋は鮎が卵をもつ「落ち鮎」の季節でもある。
秋の長瀞の綺麗な山、美味しいごはんを求めるのと同時に、長瀞の奇獣の「パレパラたん」こと「パレオパラドキシア」に再会したくなった。

長瀞はアニメ「私に天使が舞い降りた」(わたてん)の劇場版の舞台らしい。(観たことはない)
西武秩父駅にもパネルが。
秩父には以前の「聖地巡礼」記事にも書いたが、「あの花」「心叫」「空青」の「秩父三部作」のキャラもいる。さらに西武秩父駅の温泉「祭りの湯」には温泉娘てキャラの「秩父美祭」もいる。
キャラでにぎやかだなあ。
西武線の西武秩父駅から徒歩すぐ、秩父鉄道の御花畑駅。
ここにも、漫画「埼玉の女子高生ってどう思いますか?」(行田市が舞台)のパネルが。
埼玉県民の生態を学ぶ教科書なので、ぜひ一読はいかがでしょうか。
秩父鉄道のオリジナルキャラ「桜沢みなの」もいますので、秩父鉄道もキャラがにぎやかになってます。

(秩父の聖地巡礼記事は上にて。後半に描かれてます。)

改めまして、こんにちわ。僕です。
いつものように、埼玉の風土や歴史を書いてますが、今回もアニメや漫画とも関連し、ちょっとでもその魅力を伝えられたらと思っています。今回は秋の長瀞を歩いてみました!

長瀞の「埼玉県立自然の博物館」へ。

秩父鉄道はいろんなラッピングで趣深い。

長瀞駅の手前、上長瀞駅に降りて徒歩10分もないうちに「埼玉県立自然の博物館」。
長瀞駅を目指しながら、長瀞の秋も楽しむ計画。まずは、パレパラたんを見に行く。

駅前の案内板にいたー。
さすが長瀞、徒歩わずかで紅葉ががが。
自然博物館まわりはキャンプ場もあり、博物館の庭も紅葉の名所です。
紅葉とシャーク!!
太古の昔、関東は群馬のほうまで海だったのです。
入り口にて、パレオパラドキシアこと、パレパラたんがこんにちわ。
このカバのようなイメージ復元。
なんか、のたうち回る中年のハゲたオッサンのような。
長瀞のパレオパラドキシアのイメージは、かわいらしいのです。

さあ、入り口に入りますと、シャークが襲ってきますよ!!
どーーーーーーん!!

入館料は200円(午前9時~午後16時半、入館は16時まで)。
入り口にて、史上最大級の捕食魚種といわれるカルカロドン・メガロドンが「いらっしゃいませ」してます!でかいよね!!
大きさは10数m~数十mの説もあり。ホホジロザメの祖先ともいわれてます。
5巻35話で埼玉の女子高生たちも見学しています。
入館したら、まず上に注目ー!
階段から2階に上ると、メガロどんと同じ目線で立てますよ。
前方に、歯。
どれだけのフカヒレがとれるのだろう…
パレパラたん→「きもっ!」
メガロどん→「こわっ!」なら、
埼玉の県鳥「シラコバト」に癒されましょう。
シラコバトから生まれた埼玉県のマスコット・コバトン。
埼玉県民なら、コバトンの踏み絵なんて踏めないよね!
埼玉の正体。西が分厚く、東がペラペラ。西が鈍器で東が刃物か…。
ヒマラヤ山脈と世界最高峰のエベレストも、昔は海の底だった。
そしてここ、秩父長瀞も。
ライン下りしながら、この岩畳の景色の鑑賞もまた楽しい。

地質学のことはよくわからない。
それと岩石が好きならば、この博物館も多いに楽しめただろう。

ああ、僕がもっと地質に知識と関心があれば、この博物館の魅力をもっと伝えられたろうに。
なので、帰宅後、雑誌「ハルタ」連載の岩石マンガ「瑠璃の宝石」を電子書籍で購入。
岩石がいかに地球が生み出す宝石なのかをちょっとだけ学んだ。
埼玉が舞台の漫画ではありませんが、岩石と地質の勉強になる漫画です。
埼玉の奥地に残る、数万年前の有史前、いやそもそも人類自体がまだいないのか、太古のロマン。
いろんな宝石もあるのだが、僕のスマホではなかなか美しく撮れない。
まあ、スマホ以外は撮影禁止か。
実際の石の展示の種類や美しさは、ぜひ現地にて。
秩父の石材は、木材とともに荒川の舟運で江戸にも運ばれ建築などに利用された。そうそう、関東(特に東京と埼玉)のいたるところで発見されている、中世の墓(卒塔婆)であり文字資料が少ない当時の民俗などを知る貴重な「板碑」の材料も、秩父産の「緑色片岩」だ。
秩父は日本最古(諸説あり)の貨幣である和同開珎の銅を生み出し、さらには石灰岩により日本のセメント工業などを支えた(石灰岩については武甲山資料館が実に勉強になる)。
ウミユリ。
そういえば、先程のわたてんこと「私に天使が舞い降りた」は百合漫画です。関係ないか。
あたしゃ、恐竜とかもくわしくないため、
「足細っそ!美人でスタイルいいのか!?
ローキックで折れないかな?
こんな足細い犬(わんこ)とか、よく見かけるが、足折れないか心配だな」くらいの感想しかない…

さあ。そろそろパレパラたんタイムです。

その前に、長瀞よりかなり東京寄りの、狭山市博物館にもあったアケボノゾウ。
太古には日本にゾウが蔓延った。
今のゾウと「ゾウ目」では同じ。
しかし、ステゴドン科にあてはまる、ミエゾウとアケボノゾウ。
今のアジアゾウやアフリカゾウはゾウ科。
どれだけ違うかというと、サル目ではヒト科とオナガザル科(ニホンザル、ヒヒ)テナガザル科などに分かれる。
ヒト科は、ゴリラ属、チンパンジー属、ヒト属に分かれる。
つまり、ヒトとサルの違いだが、まあ骨格だけなら似たようなもんか。
牙が長いね。
パレパラ登場!
歩くおじさん! のっしのし!
泳ぐおじさん! ガボガボ…
食べるおじさん! むっさむさぁ~♪
こいつは何者なのか。ナゾの奇獣のようです。
ジオラマ。
カモシカ。
鍾乳洞。
このおじさんもジオラマです。
ムフー!満喫です。

ここからしばらく、僕の趣味画像です。
よろしければ、下の「長瀞の自然と食」の項に飛びましょう。

東京の土地を作った荒川の源流は、甲武信ヶ岳(山梨長野埼玉の境)にあり、ここ長瀞のある秩父盆地もその起点なのだ。

関東山地の一部の秩父山地の西にある、荒川低地。埼玉の西の基盤、西武線と東武東上線沿い。荒川は東武東上線沿いに流れ、川越あたりで入間川と合流する。
南端の狭山湖から、東京の多摩地区(村山、そして昭島、立川、国分寺)に入る。
長瀞に戻り、埼玉北部をのぞむ。本庄のすぐ北、神流川が県境に、群馬に入る。すぐに高崎だ。
本庄からやや東に、熊谷。さらに東は久喜、加須。利根川を超えると、群馬の東端と茨城の西端を通過して栃木だ。
南へ、荒川低地の東端は大宮台地。大宮、浦和、与野など埼玉県中心地のさいたま市だ。
別日にて、荒川を戸田市(東)→朝霞市(西)にわたる。
北を見て、右手(東)が大宮、左手(西)が川越。
ふたたび熊谷の東に戻り、埼玉の北東部へ。中川と、利根川から分流した江戸川が南下していく。
荒川沿いもそうだが、この東武も実は水浸しエリア、洪水多発地域だ。水塚という避難場所も多いしカスリーン台風の痕跡を残すパネルも目立つ。
埼玉は西から山地・丘陵地帯(西武線沿い)、荒川低地(東上線沿い)、大宮台地(東北本線沿い)、中川低地(東武線沿い)の「縞模様」みたいな地形なのかね。

ハフー!! 埼玉を研究している者として、このパネルは大興奮でした。
自分がこれまで見て回ったもの、書いた記事の「俯瞰」がここにあるようで。

実は今、荒川についての資料館の見学もいろいろ進めています。いつか記事にしていきます。

長瀞の自然と食。

いい天気に、冷たい秋の空気。
紅葉が映える!

博物館を出て、長瀞駅に向かいながら、荒川上流の溪谷、長瀞の名所である「岩畳」を歩きます。

荒川の長瀞溪谷です!
思わず、心の中で「秋だー!」て叫びそう。
まあ、夏も冬も春も良い景色だろう。
岩畳に流れがおさえられ、流れがおだやかになっている「瀞場」から長瀞の所以とか。

岩畳から本道に戻り、すぐに長瀞駅へ。
長瀞のもう一つの名所「宝登山」に向かいますが、すでに参拝も御朱印も、ロープウェイの景色も、頂上の蝋梅(春)も楽しんだ。
ちなみに長瀞の蝋梅は絶景を保障します。

秩父観光協会より。

僕の目的は郷土資料館。
しかし、今回の目的「長瀞の秋の美しい自然とパレパラたん、そして食をお届け!」に沿わないため、一部のみ。
いずれまた書く埼玉の郷土と民俗の資料に使おう。

わたてんポスター。
国内最大級の板碑があるらしい。
やはり、うどん文化かな。
埼玉に多摩は武蔵野うどん。映画「燃えよ剣」でも土方歳三が故郷の多摩でうどん食べてたな。

小さな展示に、外には民家の見学もあり。

土間。入り口でもあり作業場でもある。
ぶらっと寄って、囲炉裏で茶や飯を。
上がると座敷。機織りと養蚕はこの丘陵地で良く見られ、さらに西の神奈川は相模原でも養蚕農家はとても多い。
農業での利益が厳しいぶん、繭や生糸、絹織物で収入を得ようとしたのだろう。
奥の座敷(でえ)が一番大事な部屋。
ちなみに民家は基本、土間側(かみ)の2部屋(板の間や茶の間)は作業場や飲食の生活空間、奥が大事な部屋で客を迎えたり儀式や宴会、密会など。
そして通り(道路)の表側は客間として使われる。
裏側がプライベートな場所。
風呂場もある。豊かな家のようだ。旧新井家。
名物!

え?うまいものはいつ出すのかと?
いやいや、これからです。
この新井家の近くに、長瀞名物のお店が。
さあ、何の名物か写真クイズです!

秩父の酒も良いが、長瀞もまた良い水のせいもあり酒がうまい。

そして、鮎飯を求め、駅前に戻る。
ここから宝登山と反対方面、岩畳にいたる道に、長瀞の飲食店やお土産屋が集中する。釜飯で有名なお店もここに。
以前食べたはずの鮎飯の味なんかすでに忘れてる!

しかし嫌な予感しか感じない。

そう、長瀞は。

店が閉まるのが早いのだ。
たぶん午後四時には閉まるのかな。
五時頃はどこも空いてないだろう。

鮎。
今回も諦めるか。


と、宝登山ふもと、車で屋台のように販売していたお姉さんを思い出した。

もう店じまいしそうだったが、ギリギリなだれ込めたようで。
「ああ、今温め直しますよ♪」とわざわざ鮎をまた焼き直し、キノコ汁も火にかけ直し。
鮎の塩焼きとキノコ汁をゲット!
鮎、ああ、こんなうまかったっけ。寒空の下、大きなキノコがゴロゴロ入った汁も染み入る。
満足だ!

石灰石か砂利かを運んできた貨物が、空になって戻ってきた。

さて、ラビューで戻りながら、鞄に突っ込んだ書類をさばこう…

完。

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