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動物愛護デーにファミマの「ベジバーグ丼」を食べながら、アニマルウェルフェアや健康経営について(エシカル100考、88/100)

春分の日の3月20日は上野動物園開園記念日でありつつ、動物愛護デーでもあるらしく、だからというわけではないけれどファミリーマートが出した「ベジバーグ丼」なるものを食してみた。

「食の多様化や健康志向の高まりに対応「大豆ミート」でつくられた、肉を一切使わないハンバーグ丼「ベジバーグ丼」を東京都内で発売~ファミリーマート初、日本ベジタリアン協会推奨マーク取得弁当~」(ファミリーマートHPより引用)だそうで、東京都内の店舗だけで3月17日から販売しているらしい。

見た目は野菜多めのハンバーグ丼と変わらない。温めてみると、油脂がないからか油のはぜるプチプチ音がなかったり、脂質が浮いてきたりしないので、視覚聴覚的には静かだなと思った。嗅覚的にはソースの甘めのにおいがする。

大豆ミート(ソイミート)を食べなれているので、ベジバーグ自体を食べての発見とか驚きとかはなかった、、、「うん、ソイミートだね」って感じ。

ただ心なしか、弾力のある作りになっている気がした。食べごたえみたいなものを演出したいのかな、、と思う。ソイミートって時々おからの塊みたいで弾力が少ないものがある気がする(それはそれで良さだと思うけど)けど、ベジバーグ丼は歯ごたえある系だった。

油脂がないからジューシーさには当然欠ける。ヘルシーでよいかと。

味は、甘みのあるソースの味が強くて、、まあいいんじゃないでしょうかと思った。量は、どうなんだろう。適量か、ちょっとご飯多いとか感じる人もいるのかな。

ヴィーガンとか関係なく、コンビニ弁当のくどさ、重さが苦手という方に選択肢が増えて、いいメニューだと思う。都内でいつまで発売されるのかわからないけど、販売範囲を広げて長めに売りつつ、他のヴィーガンメニューも増やしてほしい。今年やらないかもだけど、オリンピックもあるだろうし。。

エシカルをテーマとした活動をしていて、ソーシャルグッドとか気候危機とかに敏感な人たちと日々接しているというかなり偏った環境からの視点だけど、「肉を食べるのが豊か」という発想を時代遅れとして忌避する層は着実に増えていると思う。若い世代を中心に。

「エシカルに働く」というイベントに来た方たち(Z世代)の多数がヴィーガンではないが肉食への違和感を持っていて、おすすめのヴィーガンレストランの紹介とかで盛り上がっているのを見て、かなり急激な変化が起こりつつあるな、と思った。ファミマのベジバーグ丼に限らず、ビーガンメニューが出たら試食会やろうという呼びかけには参加希望も多いし。

一昨年までのエシカル関連のイベントでは見ない光景、会話がある。

「ガイアの夜明け」で「いきなり!ステーキ」急落について一瀬社長と「すかいらーく」創業者横川氏の論争(?)があり、話題になっていたのでダイジェストを見たけど、そこでは若い世代中心に小さくとも確実に広がっている「肉食離れ(もっといえば、肉食嫌悪)」の要因などは一切出てきていなかった。けど、多少なりともあると思うなあ、、。

牛丼チェーンなどはどう考えているのだろうか。ゼンショーさんなどはけっこう社会情勢に敏感な方だと思うけど、何か打ち手を考えているのだろうか。。きっとあるんだろうなぁ。

アニマルウェルフェア(Animal Welfare)という言葉は、日本社会でどれだけ知られているのだろうか。「動物福祉」とか「家畜福祉」と訳されるけど、「福祉」という言葉のインパクトが強すぎて誤解されるので(「老猫ホーム」のことじゃないのよ)、アニマルウェルフェアでいいと思う。

「肉食離れ」の背景には、気候変動(気候危機)の原因としての畜産業→畜産業を巡る実態→日本の畜産業や飲食業や小売業の遅れ、と知識が広がって、アニマルウェルフェアのリテラシーの高まりとともに行動が変わってきているのではと思う。

なんか突然、ファッション的にヴィーガンが増えているわけじゃないのよ。オリンピックで海外からヴィーガンという異人種が来日するわけじゃないのよ。

・・・ちなみに、僕自身はヴィーガンじゃない、全然。でも肉食離れは確実にしてるし、「肉食いに行こーぜー」なんてコミュニケーションにはげんなりする。

アニマルウェルフェアは、牛さん豚さん鶏さんかわいそう、みたいな情緒的な考えではない、と思う(いろんな説明をする人がいる領域だけど)。

動物に苦痛を強いながら、不健康・栄養価の低いものを大量生産して、どうすんのってこと。地球環境にも悪いし。

食べ物の質にこだわるオリンピック選手が東京オリンピックのアニマルウェルフェア基準が低レベルすぎると抗議的声明をだしたのはそういうこと。「動物を苦しめないエシカル五輪を目指して」というサイトはなかなか読み応えあります。

健康経営とアニマルウェルフェアは似ている、いや基本的コンセプトは同じだと思う。

健康経営だって、社員にいいことしようね、というふわっと情緒的なものではない。

働く人という人的資産に、心身不健康(=資産価値が目減りした状態)で仕事させてて、どうすんのってこと。あらゆる意味で生産性が悪い、というか無駄。

大量生産、大量消費、大量廃棄が当たり前だったちょっと前の時代には、アニマルウェルフェアも健康経営も無視してとにかく家畜も労働者も大量に稼働させればよかった。

でも今の時代は、無駄・ロスなく効率的・持続的に。

動物も働く人も、心地よくそれぞれの価値を発揮できるようにすることが肝要。簡単なことで、相手を尊重すればよい。畜産業の現場で、いきなりケージフリーにしたりとかは難しいけど、働く現場ではまずはマインドチェンジして対話をしていけばいいだけなので、すぐできる。

・・・とか言って、対話はとっても難しいですけどね。。

動物の権利を尊重しない社会は、人の権利も尊重しない社会だと思う。物を大量廃棄する社会は、人も大量廃棄する社会だと思う。2020年代はそんな社会をちゃんと脱却していく時代だと思う。

など、主語が大きめのことをいいつつ、要はファミマのベジバーグ丼はもっと多くのエリアで、定番メニューにしてくれるといいなって思っているということでした。

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