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次、何を読もうか。

 今日、ちょっとした会議が終わった後で、知人に「どうやって読む本を探しているの? ネットで調べているの?」と聞かれた。  改めてそんなことを考えたこともないので、しどろもどろになったのだが、この一ヶ月の読書を何となく振り返って、どうやって次に読む本を探しているかを考えてみよう。  うろ覚えだが、一月ほど前は、佐久間寛編『負債と信用の人類学』(以文社・2023)と倉元直樹編『大学入試センター試験から大学入試共通テストへ』(金子書房・2020)を読みながら、津村記久子の全小説の

    • 共通テスト 国語 文学的文章は妄想禁止!

       文学的文章では、これまで小説が出題されている。最終的には、共通テストの4分野の中で、この小説が一番やっかいなものになる(実用文はまだ実施されていないので、ここでは外す)。受験勉強をしっかり進めていくと、小説の点数を保持することが、いかに難しいことかを実感してくる。  戦う相手が自分自身になるからだと思う。その理由と、その勝負に勝つためにはどういう手段をとればいいのかについて書いていこう。  小説には、二つの読み方がある。  まずひとつは自由な読書、楽しみとしての読書だ。

      • 山里村5ヵ年計画 3

         次に、② 村内のどこでも使えるFree Wi-Fiの設置 と ③ 村内の全戸に無料デバイスを配布 について、説明いたします。  私たちの暮らしを取り巻く環境は、大きく変わりました。かつて、口コミで伝わっていた情報はマスコミからのものとなり、今ではインターネットからのものとなっています。ところがこの情報には値札がついています。情報を得るためには、スマートフォンなどのデバイスが必要ですし、Wi-Fi環境の設置にもお金が必要です。  我が山里村は、情報格差をなくす方向で動いて

        • 共通テスト 国語 古文でちゃっかり得点を重ねる

           単語帳と文法書は丸暗記したのに、古文の点数が一向に伸びないという生徒が少なからずいる。もったいないと思う。  古文も漢文と同様に、radicalな学習法である、音読を中心にした復習法を紹介したい。古文分野は漢文の次に満点を取りやすい分野だ。国語の土台を支える古典の得点を盤石なものにしたい。古文だって、二ヶ月も続けることができれば得意分野になる。やらない手はない。  まず問題を用意しよう。直近の模試、あるいは問題集の問題、古語辞典、文法書、薄手のノート一冊を用意する。

        次、何を読もうか。

          共通テスト 国語 漢文の得点を上げる

           共通テスト国語の点数を上げたいと考えている生徒には、まず漢文にとりかかることを奨めている。学習結果が得点に結びつきやすいからだ。  共通テストまで時間の余裕があるのであれば、毎日、5分間の音読だけで充分だ。あとは授業をしっかり受けていればいい。  音読は、漢文の「ことば」としての生命を蘇らせる作業だ。日本語文化圏の人は長い間、漢文を音読してきた。黙読が一般的になったのは、明治の後半だという。それまで、「読む」とは「声に出して読む」ことだった。つまり、音読をすることは、文

          共通テスト 国語 漢文の得点を上げる

          共通テスト 国語 論理的文章の解き方

           共通テスト国語の大問一(実用文が入ると、大問二になるのだろうか)の解き方について書いてみよう。論理的文章は、ちゃんとやれば誰でもできるようになる分野だ。ただ限られた時間で高得点を取るには、解き方を身につけておいた方がいい。過去問はネットですぐに手に入るので、受験生でもそうでない人でも、一度試してほしい。  過去3年分の試験問題 | 独立行政法人 大学入試センター (dnc.ac.jp)  問題にあたる前に理解していてほしいことが一つある。大学入試は、決して「あなたの考え

          共通テスト 国語 論理的文章の解き方

          なんだかなぁ

           毎朝、だらだらと歯を磨きながら新聞を読んでいる。あいかわらず紙の新聞だ。ときどきポタポタと新聞紙に歯磨き粉混じりのよだれを垂らしている。  なんだかなぁ。  学歴至上主義や学歴再生産の構造を批判することも多いこの新聞だが、系列雑誌の売りのひとつは、難関大学進学者数ランキングの掲載だ。今朝も「難関大への近道 最強の中高一貫校」とのあおりを紙上広告に展開していた。自分で火に油を注いで、水をかける。もとより鎮火させる気はない。  なんだかなぁ。  近現代でもっとも多くの戦

          なんだかなぁ

          ぼくのレコードの時代

           はじめてレコードを買った。姉が友人から借りてきたEPのジャケットを汚したので、ぼくはなけなしのお小遣いでトワ・エ・モアの1枚を買ったのだ。その流れで買ったはじめてのLPは、フォークのオムニバス・アルバム。ジャックスの曲が耳に残った。気が向いたら聞いたけど、それより友達と遊んだり、ソフトボールの練習をしている方が楽しかった。  ぼくのレコードが5枚くらいになったのは、たぶん中学生の始め頃。吉田拓郎がお気に入り。曲を聴くより、DJのおしゃべりを楽しんでいた深夜放送。友だちは、

          ぼくのレコードの時代

          山里村5ヵ年計画 2

           まず「① 村民全員に200万円のベーシック・インカム」について説明いたします。  これは「村民全員に200万円をばらまく」という話ではありません。村民一人当たり、少なくとも年収200万円になるように補助をする、ということです。一人世帯であれば200万円、五人世帯であれば1000万円になるように補助をするというのが基本です。ただし、家族が増えるに従って、少しずつ一人当たりの基本金額は下げることは検討しています。詳しい調査と検証は必要ですが、例えば二人家族であれば380万円、

          山里村5ヵ年計画 2

          山里村5ヵ年計画 1

           山里村5ヵ年計画……「健康で文化的な生活を営める山里村」  ① 村民全員に200万円のベーシック・インカム  ② 村内のどこでも使えるFree Wi-Fiの設置  ③ 村内の全戸に無料デバイスを配布  ④ 医療介護費の全面無料化  ⑤ 教育費・学費の全面無料化  村長がとつぜん打ち出した「山里村5ヵ年計画」を巡って、村内は上を下への大騒ぎである。昨年、妻に先立たれた村長が寂しさのあまり、おかしくなったのではないか、若い頃に革命を志した村長が、ついに自分の信念を表明したのだ

          山里村5ヵ年計画 1

          ご近所パン事情

           札幌の隠れた美味しいものは、パンとコーヒーだ。小さなお店が、高いレベルで競っている。  ご近所パン屋さん、その①  イタリアパンのお店。イタリアのパンだとは知らずに今まで購入を続けてきた。ここに書くのに調べてみると、どうやらそうらしい。  ドイツパンのようなゴリゴリのハード系(好きだけど)でも、カリッカリ、サクサクのフランス系(これも好きだけど)でもない。見た目は気にしませんけど、質実剛健というほど気張りもしません。わかりやすく大きな主張はありません。ただゆっくり噛んで味

          ご近所パン事情

          AIに期待すること

           AIの話題を聞かない日はない。多くの職業を奪ったり、自ら課題を見つけ新しい発明をしたり、レポートや論文を書いてくれたり、AIが書いたレポートや論文を見つけたりするらしい。  ぼくの生活にもAIが多く関わっているのだろうが、今のところ自覚はなく、AI以前と変わらない毎日を過ごしている。  AIがそんなに優秀なのであれば、人に解決できない問題を任せたらいいんじゃないかと、ぼんやり考える。  外交も政治もAIがやればいい。ロシアとウクライナの政争の落としどころは、どこにある

          AIに期待すること

           サウダージ

           運転しながらラジオを聴いていた。カバー特集らしく、女性の歌う「今宵の月のように」や、おしゃれな男性の歌うサザンの曲が続けて流れていた。なんか違う気がした。  ずいぶん前に五木寛之のエッセイで読んだことがある。日本で有名なボサノバの歌い手がブラジルでライブを行った。そこに居あわせた彼は、いくぶんかの自信を持って現地の人に感想を聞いた。すると、「確かに歌も演奏も上手い。手本になるほどだ。だがサウダージがない」と答えたという。  ぼくはそれを読んで、サウダージという言葉を知った。

           サウダージ