共通テスト 国語 古文でちゃっかり得点を重ねる

 単語帳と文法書は丸暗記したのに、古文の点数が一向に伸びないという生徒が少なからずいる。もったいないと思う。

 古文も漢文と同様に、radicalな学習法である、音読を中心にした復習法を紹介したい。古文分野は漢文の次に満点を取りやすい分野だ。国語の土台を支える古典の得点を盤石なものにしたい。古文だって、二ヶ月も続けることができれば得意分野になる。やらない手はない。

 まず問題を用意しよう。直近の模試、あるいは問題集の問題、古語辞典、文法書、薄手のノート一冊を用意する。

 毎日の音読から始めよう。漢文より少し長めに毎日10分程度できるといい。毎日5回程度は繰り返し音読する。まずはことばに命を吹き込む作業だね。1000年前の人と同じ音(発音はずいぶん変わっているようだが)を出すと、当時の言霊が蘇ってくる(ような気がする)。

 音読をしていくと、何となく分かる部分と分からない部分があることに気がつく。その「分からない部分」が、あなたの伸びしろだ。では、その「分からない部分」をノートに書き出してみよう。単語だけを抜き出すのではなく、文章ごと抜き出す。ノート二行分くらいがちょうどいい。書き出す際は、両側を一行ずつ空けておく

 次に自力で、品詞分解と口語訳をしてみる。「分からない部分」なのだからできるわけがない。でも無理矢理にでもやってみる。品詞分解は、名詞以外は徹底的に。「断定の助動詞終止形」のように活用形まで書く。もちろんノートには「断定・終止」あるいは「断・終」でいいけどね。

 さて、そこからが本番。赤ペンを持って、自分で添削をする。模試にも、問題集にも、解答に必ず本文分析がついている。それと照らし合わせながら、チェックしていく。自分の間違いは消さずに、その横に赤ペンで修正を加える。

 その際に、どうして間違えたのかを古語辞典や文法書で確認していく。そこで調べたこともノートに書き込む。「スイカ止めて」とか、「副詞の呼応」とかの類いだね。時には形容動詞の活用表なんかも書いてみる。

 一つの文章の復習は、ノート一頁分だけ。それ以上はやらない。漢文と同様、一度にたくさんやったって覚えられやしないんだから、復習は細く長くが大切。一頁にあれもこれも詰め込む必要はない。「美しく、わかりやすく」まとめるのが、復習ノートの鉄則。次にノートをめくるときが本当の復習だからね。

 あ、古文の多くは和歌が出てくる。和歌が出ていたら、これも必ずノートに書き込もう。一つか二つで充分だけど、ことばは慣れていくことが重要。

 漢文の復習と同じように、古文でも一つの文章の復習を4日程度は続ける。その間に復習ノート一頁を仕上げる。イメージとしては、こんな感じ。

  一日目 音読(10分)
  二日目 音読(10分)+ノート半ページの復習(10分)
  三日目 音読(10分)
  四日目 音読(10分)+ノート半ページの復習(10分)
  五日目 (次の問題文の)音読(10分)

 慣れるまではノートに少し時間がかかるかもしれないけれど、慣れてきたら上のような感じでできるようになる。平均すると毎日15分の学習だね。漢文もそうだが、この音読を中心とした復習を一ヶ月続けることができたら、必ず得点は伸びる。

 昔から「読書百遍意自ずから通ずる」という。この「読書」は音読のことですからね。

 大丈夫ですよ。

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