Terry

3人娘の父。自分の子供が小学生になり教育への関心高まる。グローバル企業にて日本やアジア…

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3人娘の父。自分の子供が小学生になり教育への関心高まる。グローバル企業にて日本やアジアマーケット向けのSales&Marketingに従事しながら、日本の教育に思いを馳せる。グローバルビジネスの経験を日本の子供達に還元していくことを目標に日々是精進。

最近の記事

なぜ学生は公共機関が大好きなのか?

私がまだ若いコンサルタントだった頃、よく新卒採用のお手伝いとして大学生の集まる説明会の後の懇親会などに駆り出されたことが多かった。学生に囲まれながらたくさん質問を受けるのだが、その中で意外にもかなり多い質問が「公共部門へのコンサルティングはどれほどあるのですか?希望すれば関われるのですか?」というもの。 コンサルタントというのは別に公共部門でも一般ビジネスの会社でも組織改革のテーマなど共通することは多いからどのコンサルティング会社でもクライアントに公共機関を持っている。

    • いきなりグローバル、の心理的抵抗

      広告業界の中で、特にアドテクと呼ばれている企業は非常にテクノロジーに優れた会社が多い。 基本的には0.1秒といった単位でターゲティングの精度とオークションスキームを完結していくわけだからかなり技術的にも難しくかつAIスキルが多く求められる領域である。 なのでエンジニア中心に立ち上げた会社が多い。IPO以外にも最終的に大手プラットフォームに買収されるExitもあるものだからどんどんと新しい企業が出てきてはExitするか潰れるかしている変化の激しい業界である。北欧やイスラエル

      • ビジネスは競争か?戦争か?あるいは?

        私の所属する某グローバル企業は競合企業の分析をとても嫌がる。 入社して1ヶ月くらいして、初めての四半期振り返り会議の準備をしていた。その資料(6ページ)において実際に「日本における競合の昨今の動向は。。。」という5行くらいの文章を入れていたら、事前にレビューしたシアトルのディレクターが「本文に競合のことを入れる必要はない。我々はそんなビジネスのやり方をしていない。本質的に顧客に向き合っているかどうかだけが問題だ」ということでその5行を削除するよう言われた。 実に資料内に競

        • ルールを作るワクワクを教育する

          私の所属する某グローバル企業では、メカニズムというモノが重要視される。 メカニズムというのは日本語にすると「仕組み化」ということであるが、一般的には仕組み化という言葉はかなり広い意味で曖昧に使われているのに対して、このグローバル企業ではメカニズムがどう機能するのかというのを詳細に掘り下げて社内で共有している。 私も社内で「Scale Through Mechanism」という研修に出たことがあるが、ビジネスをスケールさせる(成長させる、事業成長要因を自己拡大させる)ために

        なぜ学生は公共機関が大好きなのか?

          リスクをとる、という教育

          いわゆる政治スキャンダルが絶えない。 某桜を見る会などという会合の参加者をめぐり、与野党が攻防を続けているがここでは政治に関してはコメントするつもりはない。 気になるのは参加者名簿を要求された当日にシュレッダー処理する大人(官僚)である。 また別の記事では(政治ではないが)教師が変なSNSをしないように学校にいる間はスマホを職員室に保管管理するという記事。 IT業界で生きているとこういった記事に対して周りは「80年前かよ!」という反応になるが、バッサリするだけでなく、

          リスクをとる、という教育

          キャリア・起業家教育のための日記

          新たなビジネスを考えるにあたり、”不”を探す方法が有名である。現在のサービスにおける不満、不便、不安、不信、など。例えば「通販で靴を購入しても届いたら足にあわない」という不満。古典的な事業アイディアの探し方であり、よくリクルートでは使われる方法だ。 だが、既に様々なサービスが安価に提供される昨今では、「明らかな不」は減っているし、あっても見つけづらくなっている。では次に「隠れている不」を目指す方法になるが、「隠れている不」で事業的規模(そこにお金を払う人がたくさんいるかどう

          キャリア・起業家教育のための日記

          冷静と情熱の間を教育する

          ビジネスでも何でも、何かを決めるところから始まる。 合意すること、アイディアを練り上げていくこと、実行するかどうか決定すること、これらはどんな組織にもある。 決めるときに、私の所属する某グローバル企業で取り入れられている仕組みとして、必ず推奨案に対して「Reason not to proceed」(推奨しない理由)を入れる、というものがある。 例えば誰かを昇進させるとき。普通はその部門の部長なりが昇進させる人のこれまでの活躍ぶりや信頼されている状況を説明する。資料になっ

          冷静と情熱の間を教育する

          ビジネスにおける勝率は低い?

          勝率どのくらい?って結構重要な覚悟だと思うのだ。 ビジネスの現場では様々な施策が行われる。新規事業開発だったり、新規チェネル開拓営業だったり、業務改革プロジェクトやイベントマーケティング施策等々。 この勝率が結構違うということをビジネスマンとして認識しておくのはビジネスを進める上でも精神衛生上もとてもいいと思う。極論しちゃうと高校生や大学生もそれを認識しておくと実はかなりキャリア教育を考える上で有益ではないかとさえ思っている。 勝率とは何かというと、もちろん新規事業が目

          ビジネスにおける勝率は低い?

          流暢じゃない英語の言い訳

          かなり前からずっと言われてきたことだが、「英語だけうまくなってもしょうがない、何を語るかだ」と。文脈としてはNative並みの発音になるためだけに膨大な時間を費やしても意味がないという論調であり、それはその通りであろう。 中身がなくて何を流暢に喋ろうというのか。と考えれば当然である。 ただし、この論調によって流暢じゃない英語を自己弁護することが1ミリでも世の中のどこかで行われていれば大変残念なことである。 喋る内容の方が大事といいつつ、そこそこ喋れる内容があるのに伝えら

          流暢じゃない英語の言い訳

          企業の組織診断と、教育現場のやる気把握

          どんな会社でも最近は従業員満足度調査を実施しているのではないだろうか?満足度調査という言い方だったりエンゲージメントサーベイという横文字だったり、質問項目も様々なタイプのものがあるが、基本的には各社員から見た今の組織や上司の満足度、等々を聞く。 組織としての健康診断であり、管理職にとっては自らのチームの健康状態や不満を吸い上げるための仕組みでもある。 以前コンサルティング会社に勤めていたときに、あるプロジェクトではクライアント企業の各部署が自部署の評価のみならず、関連部署

          企業の組織診断と、教育現場のやる気把握

          ビジネスを拡大する為の質問力

          私が、グローバル企業に勤めるようになって最もとまどったことの一つに”質問力”というものがある。 我々の今までの教育では、”回答力”、が求められてきたので、急に「いい質問が重要だ。いい質問ができるように準備しておきなさい」と言われても「いやいや、質問なんてただ聞くだけやん、いい回答ができる人間になりたいんやけど。。。」と思っていた。 多くの人が社会人になってから、この質問力の重要性を鍛えられたのではないだろうか?特に我々の世代、つまり80年代、90年代に学生だった世代。

          ビジネスを拡大する為の質問力

          Comfort Zoneという魔物

          私のいる某グローバル企業ではTalent Meetingという会議が定期的に行われる(基本的に四半期に一度だが、実際に集まって議論するのは半年に1回程度)。 グローバルからその事業部のチームマネジャーが集まって、その四半期に昇進させる者、PIP(People Improvement Plan、つまり改善プラン)に入れる者、昇進させる者もそうでない者も含めてTop Talentの確認と育成プランを話し合う。 つまり日本という1Regionだけで決めるのではなく、全世界の横並

          Comfort Zoneという魔物

          グローバルビジネスでは必須なScalabilityという感覚

          スタートアップ業界のみならず、一般的なネット界隈でも、今ではどんな業界であっても「それスケールするの?」と質問することがよくある。 以前であれば「成長軌道に乗せられるの?」とか「急成長可能なマーケットなのか?」とか言っていたのが今は全て「スケールするかどうか?」で済んでいると思うので便利な言葉だ。 ネット業界では当然、幾何級数的なユーザー成長を狙えないとマネタイズもままならないため、必須の概念である。マネタイズした後も売上成長し投資余力を高めることが何よりも優先だ。 し

          グローバルビジネスでは必須なScalabilityという感覚

          社内資料はパワーポイント?WORD?

          PBLのようなプロジェクトの最後に学生たちが発表するのはたいがいパワーポイントであることが多い。 だが、有名な例で言うとAmazonでは社内資料に基本的にパワーポイントやKeynoteなどプレゼンテーションは使わない。WordによるNarrative(文章として読ませるために書くもの)だけだ。 分量は2時間のミーティング(たいていは四半期単位のビジネスレビュー。関係者が多いと30名くらい集まる)であれば本文6ページ、Appendixが5−20ページくらい。その本文6ページ

          社内資料はパワーポイント?WORD?

          3ヶ国語教育

          よく「これからは英語が喋れることは追加の付加価値ではなく、当たり前でMustになってくる」とか言われる。 でもそんなの20年前も同じことを言っていたのだ。 そんな論調の記事やそういう主張をする人を私の若い頃から周りでもたくさん見た。しかし日本の英語力は大して上がっていない。まあ日本のサラリーマンの海外出張経験率が13%程度らしいので多くの人はそれでも「日本の中で仕事してればいいっしょ」と思ってしまう。商社などを除いて多くの日本企業ではいまだに海外駐在組(特に3年程度ではな

          3ヶ国語教育

          内向き思考?グローバル教育ってなんだ?

          前々回のNoteにて、某グローバル企業の本社エンジニアには日本人が皆無に等しいと書いた。実際に日本の高校や大学を出て、Carnegie Mellonなどに留学してGoogleやAmazonにエンジニアやサイエンティストとして入社する人が本当に少ない(実際シアトルでは一人も見ていないのだがさすがに一人はいるだろうという希望的観測を込めて、”少ない”)。 一方で昨今の調査では若者の内向き思考とも言われる。 もちろん実際には内向き思考でもよくて、将来は地方公務員に成って地元の子

          内向き思考?グローバル教育ってなんだ?