いきなりグローバル、の心理的抵抗

広告業界の中で、特にアドテクと呼ばれている企業は非常にテクノロジーに優れた会社が多い。

基本的には0.1秒といった単位でターゲティングの精度とオークションスキームを完結していくわけだからかなり技術的にも難しくかつAIスキルが多く求められる領域である。

なのでエンジニア中心に立ち上げた会社が多い。IPO以外にも最終的に大手プラットフォームに買収されるExitもあるものだからどんどんと新しい企業が出てきてはExitするか潰れるかしている変化の激しい業界である。北欧やイスラエル発祥の会社も多いし、最近は中国や台湾発祥の会社も多い。

で、最も驚くのがほぼ全ての会社が50−100名くらいを越える前にグローバルにオフィスを次々に展開すること。

例えばイスラエルで創業した会社も30名を越えるくらいからロンドンやニューヨークにまずはオフィスを構え、100名を越えるくらいから東京やシンガポール、上海、ミュンヘンあたりにオフィスを構え、それぞれ人を雇い始め、、、という展開が多いのである。

グローバルで800名くらいになれば全世界にオフィス30箇所とかいう会社もある。

日本の会社って基本的には日本でまず成功を目指すことが前提なので300名の会社でグローバル10拠点に展開ってかなり少ないだろう。せいぜい大阪支社と福岡支社がある程度の会社がほとんど。

最初からグローバルありきで展開する会社のスピード感やリモートマネジメントを可能にする企業文化の作り方は驚異的である。

例えばアマゾンという社名は、どの言語でも発音が変わらないことと、アルファベットの読み方も大して変わらないことを勘案して付けられたという。最初からグローバル展開が前提になっていることがわかるだろう。翻って、Uniqloはウニクロにも読めてしまうし、Mercariはアルファベットを見るとマーカリに読めてしまう(その点、Softbankは素晴らしいが)。

ではどうして最初からグローバル指向になることが難しいのか。

よく言われるように日本のマーケットが中途半端に大きすぎるという点が挙げられるし、いきなり日本人がシリコンバレーで資金調達する不利がある等々も挙げられている。他にも現地の人にしかわからない市場情勢を捉えなければMarkertingが難しい、等。

一点、心理的な抵抗という点を挙げるとするならば、日本人以外をHireし、Manageすることに慣れていないのもあるかもしれないと思う。英語の問題以外にも、どうしても中高大の教育の中で後輩は基本的に日本人であることがほとんどであるし、社会人になっても外国人をManageする経験を積める機会が少ないので(留学生のアジア人くらいか)、たとえばロンドンでまずMBA Holderを一人Hireして一人でオフィスを立ち上げてもらうというManagementをイメージしにくいのではないか。その代わりに日本人を現地に派遣して、現地調査を重ねて、慎重に検討して、立ち上げると決めると誰が日本から駐在するか、という発想になってしまう。スピードも遅ければ現地Marketingも駐在日本人の奮闘だけでは精度が低くなる。

ロンドンでどうやってHireするのか、って今ならLinkedinでもアプローチできるし、現地のAgentにコンタクトするのも大して難しくはない。

教育現場でもこういったコンタクトを取る取り組みがあってもいいと思う。ただ単に、大人がお膳立てした姉妹校提携を結んだ学校の生徒と一緒にプロジェクトをするだけではなく、インタビューさせてもらう人をLinkedinで探してコンタクトしたり、姉妹校じゃない学校の生徒にいきなりコンタクトを試みたり。

もちろんほとんどは無視されることがほとんどであるが、たまに反応してくれる人がいて、まずFacetimeで話して、意外とお互いやりたいことが一緒ということがわかり、という感じで関係構築できる経験を積むと、Remoteで新たな人脈を作ること、一緒に共同作業すること、が普通になってくる。

こうして、「いきなりグローバルにチームを展開する」という心理的なハードルが徐々になくなっていく、のでは?



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