内向き思考?グローバル教育ってなんだ?

前々回のNoteにて、某グローバル企業の本社エンジニアには日本人が皆無に等しいと書いた。実際に日本の高校や大学を出て、Carnegie Mellonなどに留学してGoogleやAmazonにエンジニアやサイエンティストとして入社する人が本当に少ない(実際シアトルでは一人も見ていないのだがさすがに一人はいるだろうという希望的観測を込めて、”少ない”)。

一方で昨今の調査では若者の内向き思考とも言われる。

もちろん実際には内向き思考でもよくて、将来は地方公務員に成って地元の子育て環境の改善、介護施設の充実に努めたい、というのは立派なビジョンだし、素晴らしい仕事と思う。それが多くのオプションを検討した上での最適解として決断したならば。

「こういう世界があるの知らなかったなあ」という経験は誰しもあるだろう。それが単なる視野が広がってよかった程度の感動ならいいのだけど、「こういう人生の選択肢もあったよなあ」という後悔に近い意識ならやはりそれはもったいない。グローバル企業のAIサイエンティストになる道もありそこに努力することも検討した上でやはり地元の子育て環境を改善して待機児童をなくしたい、という想いならその想いはとても強いし、その人は立派な仕事を出来るだろう。

でもグローバル企業のエンジニアやAIサイエンティストになる道を高校生や大学生が「知らない」「ハナから諦めている」となると話は別だ。大いなる人生の損失となる。日本という国にとってもマクロ的には損失と言っていい。

先進的な高校では例えば夏休みの数週間をボストンやサンフランシスコに行ってピッチコンテストしたりGoogleオフィス見学したり、Entrepreneurshipを受け持つ教授の特別講義を聞いたり、というプログラムを実施している。素晴らしい取り組みでどんどん色々な高校が実施してほしいと思うし、渡航費用がなかなか工面できない家庭やスケジュールが合わない生徒のために逆にMITの学生を日本に呼んで交流するプログラムも大変魅力的だ。

高校生にとっては大変刺激的だし、将来Google本社で働きたいと思う生徒も出てくるし、そのために英語含め勉強を頑張ろうとMotivationも上がるだろう。

そこで私が思うのは、さらにそれを進化してもっと日常的にそういった環境が教育現場に作れないかと思う。

例えば私の働き方でいうと、朝は早朝からアメリカ西海岸(本社がシアトルだったりサンフランシスコだったり)とビデオ会議し、終わって10時とか11時に満員電車を避けて出社。昼間は東京オフィス内でミーティングしたりするが、上海オフィスも同時期に動いているのでミーティングしたりChatしたり。昼過ぎにバンガロールが動き始めるし、夕方からはロンドンが動き始めるのでそういったミーティングを夕方まで行っている。時差12−13時間という真逆の時間のNYと夜中にミーティングが入るときもある。

日本法人がかなりイチ組織としてまとまっている外資系企業ではそこまで頻繁に海外とのCommunicationはないが、今の会社のように各Functionごとに海外チームとのつながりが強い組織では大抵このような働き方だと思う。こんな働き方を友人に語ると「グローバルやなー」と言ってくれるが当の本人たちは逆にGlobal環境が当たり前になってくるのでそれが普通の日常である。

それぞれのチームとのミーティングの最初はIce Breakとしてたわいもない話をするがインド系社員とは「今はDiwaliでお祭りモードだね」という話になるし、上海オフィスの社員とは「今度のアリババの独身の日(11月11日)では何買うの?」という日本人社員との会話のときにはほぼ出てこない話題を日常的に話すことになる。そうやって各国の文化のことや今流行っていることなどを知ることにもなる。

それが突然日本人社員しかいない日本企業に転職するのはどうですか?と言われてもいくら給料が高くても物足りない感じがしてしまうのだ。やはりどれだけしんどくてもグローバル環境から切り離されるのは寂しいと思ってしまう。キャリアの選択肢も狭まる気がしてしまう。

このようなグローバル志向を高める環境を教育現場に作れれば、高校生や大学生にとってもっと視野が広がるのではないかな、と。

多くの高校でも交換留学生プラグラム等はあるが学年で数名という規模だ。でも今はSkypeやFacetimeというツールがある。わざわざ交換留学として現地に行かなくても提携校が例えば3校あるだけでSkypeベースで議論したりProjectを進めたりできるのだ。提携校をアメリカに1校、シンガポールか上海に1校、ヨーロッパで1校作るだけで、このようなグローバル環境を作り出すことができ「毎日他国学生と話す」という状況に高校生を置くことができる。そんな中で英語に対する勉強意欲、留学に対する積極性、そしてグローバル環境に身を置く心地よさ、多様な考え方を持つ他人を尊重するCommunication、を体得することになる。キャリア意識の高い海外学生に刺激を受けてサイエンティストや国際機関職員など今まで考えてこなかったキャリアに興味が湧いて自ら調べることにもなる。

グローバル教育とかキャリア教育という大層なプログラムを作らなくても提携校さえあれば日常化できてしまう。

実に簡単な方法だと思いませんか?









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