ビジネスを拡大する為の質問力

私が、グローバル企業に勤めるようになって最もとまどったことの一つに”質問力”というものがある。

我々の今までの教育では、”回答力”、が求められてきたので、急に「いい質問が重要だ。いい質問ができるように準備しておきなさい」と言われても「いやいや、質問なんてただ聞くだけやん、いい回答ができる人間になりたいんやけど。。。」と思っていた。

多くの人が社会人になってから、この質問力の重要性を鍛えられたのではないだろうか?特に我々の世代、つまり80年代、90年代に学生だった世代。

質問力に関する書籍もいっぱいあるから別にその内容にここでは触れないが、質問力というのはScalableに仕事をするときに極めて重要になる。どんなプロジェクトであっても自分が手を動かせる範囲は限られているし、Managerとなるとチームメンバーのやること全てに手を動かしにいけない。そのときに優れたFeedbackを返すことでプロジェクトをより高い視座で動かしたり、メンバーをMotivateすることができる。常に優れたFeedbackを返すというのは何も答えに近いアドバイスでなくてもよい。逆に言うと、アドバイスにならない方がよいCoachingだと言われるし、経験上確かにアドバイスよりただ質問していた方がよくチームが回っていることの方が多かった。アドバイスでなくても優れたFeedbackになるのが何か、というとそれが優れた質問。

以前も書いたが、Amazonで使われるNarrative(Word形式の資料)にあるFAQでは実に面白い質問と回答を書いてあることが多い(その質問自体がテンプレート化している部署もある)

例えば、四半期ビジネスレビュー資料であれば、単なる売上・利益の数字面やプロジェクトの進行に対する現状課題・今後のプラン等々は、誰が書いても記述されるものであるが、記述されない中長期課題というのも存在はする。そのときに視座が低くならないような質問がFAQセクションに用意されている。

「この四半期でもっともDisappointingだったことは何か?」

「今見えているリスクではなく、じわじわ浸透してきているリスクがこの組織にあるとすれば何か?」

「現状、Customerの期待のうち最も応えられていないものは何か?」

「カスタマーに貢献することをゼロから考えた場合、今Leadershipチームは何を変えたいか?」

「この四半期で数字に反映されなくても最もInsightfulだった分析は何か?」

「前四半期と比べて組織はどう進化できたか?」

「我々は本当にCustomerを理解できているか?」

こういった目先のことだけ見てNarrativeを書いていれば抜け落ちてしまいがちなLeadershipの視点が質問として用意されており、ごまかすことなく真摯に回答することを期待されている。

ちなみに他部署のNarrativeをReviewしているとき(つまり自分が書いた方ではない場合)、読んでいてこのFAQが最も面白かったりする。

で、我々のキャリアアップ、スキルアップの観点から問題になるのが、こういった質問を常に我々が用意できているかということ。上記の例ではテンプレート化されているので質問を考えなくてもよいのだが、それだと質問そのものが我々の血となり肉にはならない。

何か別の場面ですっとそのような質問が出るようになっていなければならない。それが部下との1on1(1対1のミーティング)の場面でも、他部署のビジネスレビューの場面でも、セミナーの最後で聴講者の立場で質問する場合でも、だ。そこで相手の視座が上がったり、もっとAccelarateすべき問題(進捗していればOK、ではない。組織としてもっと加速すべき領域)があぶり出されたりするための質問が出来るようになることが、特にManagerとなったりProject Leadになったりするときに重要となる。つまりビジネスをScalableに動かすときに必須のスキルとなるのだ。

教育現場で実践するのは実は簡単なことで、まずはどういった質問が思考を深める良い質問で、どういった質問が単なる事実確認の質問なのか、分類分けするような研修からスタートすればいい。そしてPBLなどプロジェクト発表の場面で視聴者として参加したときに質問を実践して、質問された側が「うーーーん」とうなればその質問はとてもいい質問ということだ。そしてそのプロジェクトがさらに進化したり、加速する姿を見ることで「ただ質問するだけでチームに貢献できる」、「単に作業を手伝うだけがチームワークではない。他人の仕事にいい質問を与えて加速させることもチームワークである」ということが理解されていく。

回答力だけではなく質問力を鍛える、というのは中学生からでも出来そうだ。既に総合学習で実践している学校もありそうだけど。

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3人娘の父。自分の子供が小学生になり教育への関心高まる。グローバル企業にて日本やアジアマーケット向けのSales&Marketingに従事しながら、日本の教育に思いを馳せる。グローバルビジネスの経験を日本の子供達に還元していくことを目標に日々是精進。
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