マガジンのカバー画像

Watching Volleyball

83
バレーボールの試合を観ての考察や雑感、みなさんに味わってもらいたいと思った見方や考え方などを紹介していきます。
運営しているクリエイター

記事一覧

オリンピックでは(たぶん)見られない注目選手

やはり世界最高の舞台といえばオリンピック、そこをチェックしておけば間違いない、というわけにはいかないのがこの世界。それぞれいろんな事情があってオリンピックには出てこないが、海外バレー好きならぜひ知ってほしい選手をまとめてみた。一応、パリに関して言うと来年のVNL終わるまで出場国リストは決まらない。決まってからやれよ、と思うかもしれないけどそうするとクラブシーズン終わっちゃうので。セルビアスロベニアはまだ見込みがありそうなので今回は除外。 ノウモリ・ケイタ(マリ/ヴェローナ)

Road to Paris2024 ~日本代表男子パリ五輪予選で出場決定!(あくまで個人的思考まとめ)

(写真FIVB) FIVBパリ五輪予選、FIVBバレーボールワールドカップ2023は、世界ランキング上位の24チームが8チームずつ3つのグループに分かれて総当たりで対戦し、各グループの上位2チームに来年のパリオリンピックの出場権が与えられます。 現在世界ランキング4位の日本は、世界7位のスロベニアにストレートで勝利した時点で、最終戦のアメリカとの試合を残して、グループの2位以内を確定させ、2008年の北京大会以来の自力でのオリンピック出場権を獲得しました。 オリンピックへの

進化が動き出す~女子バレーボール日本代表に躍動感も #FIVBパリ五輪予選

(写真FIVB) FIVBパリ五輪予選/ワールドカップバレー2023 女子プールBが、東京・国立代々木競技場 で開幕しました。 バレーボール女子日本代表(世界ランク8位)の初戦は、古豪ペルー代表 (同29位)。セットカウント3-0のストレートで勝利しました。 〔日本代表 3-0 ペルー代表〕 ①25-9  ②25-19  ③25-15 第1セットのスタートは以下の通り(敬称略) OH:井上愛里沙、古賀紗理那 OP:林琴奈 MB:宮部藍梨、山田二千華 S:関菜々巳 L

我々は、彼らが今見せてくれていることから学ぶべき重要な時にいるかも(Final 3-4)#VNL2023

(写真FIVB) ニッポン男子バレー世界大会46年ぶりのメダル獲得おめでとうございますバレーボールのナショナルチーム世界のトップ16チームが競い合う FIVBバレーボールネーションズリーグ2023 ファイナルラウンドは、ポーランドで行われ、バレーボール男子日本代表(世界ランク6位)は、この大会初のメダルを懸けた3位決定戦で、世界ランク3位のイタリアに、セットカウント3-2のフルセット、の末勝利しました! (①25-18、② 25-23、③17-25、④17-25、⑤15-9

バレーボール女子と「ゲームモデル」の行方(Week3) #VNL2023

(写真FIVB) FIVBバレーボールネーションズリーグ(Volleyball Nations League)女子タイ(バンコク)大会第4戦となる最終日(予選ラウンド12戦目)。世界ランク7位の日本代表女子は、昨年大会優勝のイタリアにセットカウント1―3で惜しくも敗れた。しかし、タイ戦での勝利の時点で7勝をし、既に上位8チームによるアメリカでの決勝大会にへの進出を決めています。予選ラウンドを7勝5敗で終えました。 次戦はアメリカ・アーリントンで行われるファイナルラウンド準

「バリアを打破する」~アルゼンチンとの激闘を制す(Week2) #VNL2023

(写真FIVB) FIVBバレーボールネーションズリーグ(Volleyball Nations League)第2週5日目のフランス・オルレランラウンド。バレーボール男子日本代表は、東京2020オリンピック銅メダルのアルゼンチンと対戦。セットカウント3ー2(①25-18, ②25-22, ③31-33, ④22-25, ⑤12-15)と、ブラジルとの激戦に続き、強豪相手にフルセットで勝利しました。 これで、フランスのオルレアンラウンドを4戦全勝で終えました。現在、今大会無傷

新たな「歴史の扉が開く一戦」~オルレアンの歓喜(Week2) #VNL2023

(写真FIVB) FIVBバレーボールネーションズリーグ(Volleyball Nations League)第2週3日目はフランスのオルレランでの試合。バレーボール男子日本代表は、ブラジルと対戦しセットカウント3ー2(①25-23, ②25-21, ③18-25, ④22-25, ⑤18-16)のフルセットで勝利しました。 公式戦でのブラジルからの勝利は1993年7月4日のワールドリーグ(現VNLの前身)予選1次リーグで3-2で勝って以来29連敗を喫してきた中の、実に30

バレーボール男子日本代表~強さの源は、思考の共有と浸透(Week1) #VNL2023

(写真FIVB) バレーボールネーションズリーグ2023 日本代表男子登録選手 FIVBバレーボールネーションズリーグ(Volleyball Nations League)は、FIVB(国際バレーボール連盟)が2018年から開催しているバレーボール国際大会です。 かつての国際大会、男子の「バレーボール・ワールドリーグ」と女子の「バレーボール・ワールドグランプリ」を発展的に統合した大会となります。 毎年行われ、男女共通の競技方式で、男女それぞれ16チームが参加します。202

女子バレー「劣勢・劣位的設定」からの脱却が始まってほしいという期待

(写真FIVB)  バレーボール日本男子代表の最近の躍進がめざしく注目が集まります。またバレーボール自体の進化、戦術や技術のアップデートも男子バレーが先行し、女子バレーが後追うような感じになっているのもあって、女子バレーの「今」というものにもみなさんの関心が及んできています。  日本女子のバレーボールの「今」をどう見たらよいのでしょうか? 勝てなかった要因は「優位」に立てなかったから 男子のトップカテゴリ―で繰り広げられている、バレーボールの今を見た時に、「眼に見えるやっ

結局「ニッポン・オリジナル」とは何だったのか?

(写真FIVB) 30年かかったことがわずか3~4年で動いた 今思えば、1990年代後期以降、日本の男子バレーボールは女子に比べ、オリンピックに出場できない大会が長く続いてきました。国際大会における結果と同じように、試合内容も何か観ている人には、世界との圧倒的な力の差を感じさせてしまうものが繰り返されてきました。そのたびに、悲喜こもごもいろんな感想やオピニオンが出てきたわけです。  昨年の東京2020オリンピックでは、29年ぶりに決勝トーナメントに進みベスト8(7位)に。今

メイド・イン・ジャパンのエキサイティングなバレーボール空間(ネーションズリーグ2022)

(写真FIVB)  世界の強豪16チームが参戦しているバレーボールネーションズリーグ。男子日本代表は、東京2020オリンピックでは29年ぶりに決勝トーナメント進出を果たし、その躍進を見事にマネジメントした中垣内監督から引き継いだ、フィリップ・ブランが新監督に就任。史上初のファイナルラウンド進出を果たしました。2024年のパリ五輪出場へ向けても世界ランキングが重要となることから、今大会で少しでも世界ランキングを上げておきたい日本にとっても、また一つ成果を挙げたことになります。

ナイス・コンビ!!

(写真FIVB)  近年では、嬉しいことに情報メディアも多様化し、地上波テレビ一強の中でなかなかバレーボールの試合を観ることが難しくなっていった一時期に比べ、以前よりもバレーボールのゲーム(試合)観る機会が増えてありがたいですよね。  そんなバレーボール中継では、実況や解説の方からしばしば発せられる言葉の一つに「ナイス・コンビ!」っていうフレーズを耳にするわけですが、おそらく「ナイスなコンビネーション」という意味で、これは複数人のアタッカーが交錯したりシンクロする攻撃の場面

春高バレー2022で見えてきたこと~次はいよいよ本丸へ

 高校生バレーボールの最高峰の大会にもなっている「春の高校バレー」。かつては3月に開催されていたことから、こうよばれていたこの大会も、1月開催になってから10年以上が経ちました。  昨年に続き、今年もコロナ禍にあって、開催や運営にも不安がある中での春の高校バレーでした.。きっと日本全国の高校生バレーボーラーも、例年とは比較にならないくらいの調整の難しさ、練習やトレーニングが十分にできなかったことなどからくる緊迫感や重圧があったのではないでしょうか。しかし、今年は特に、男子バ

東京五輪日本女子バレーを見ていて再度考えさせられる、「何ができるか」(長文失礼します)

(写真FIVB)  東京オリンピック2020、バレーボール日本女子代表チームの戦いが終わりました。結果は、予選ラウンドの戦績を1勝4敗(A組5位)とし、決勝トーナメントへの進出はならず予選ラウンド敗退で大会を終了しました。  今大会を迎えるにあたっては、自国開催の重圧、コロナ禍における調整の難しさだけでなく、大会自体の延期、選手の引退や故障による離脱、それらに伴うチーム編成戦略とプランニングなど・・・様々な障害や困難があったと思います。また世界からも評価されている、古賀選手