オリンピックでは（たぶん）見られない注目選手
やはり世界最高の舞台といえばオリンピック、そこをチェックしておけば間違いない、というわけにはいかないのがこの世界。それぞれいろんな事情があってオリンピックには出てこないが、海外バレー好きならぜひ知ってほしい選手をまとめてみた。一応、パリに関して言うと来年のVNL終わるまで出場国リストは決まらない。決まってからやれよ、と思うかもしれないけどそうするとクラブシーズン終わっちゃうので。セルビアスロベニアはまだ見込みがありそうなので今回は除外。
ノウモリ・ケイタ（マリ/ヴェローナ）
アフリカのバレーボールは基本的にエジプト、チュニジアが覇権を握っている。そして近年のマリでは政情不安が高まっており、日本の外務省が退避勧告または渡航中止勧告を出す状況だ。これではバレーボールチームを組織して海外遠征するのもかなり大変だということが想像できる。よってこの西アフリカの鳥人にとってオリンピックは遠いものに見える。まだ若いしレオンのように他国人と結婚して、ということはあるかもしれない。なお、昨オフに手術をして現在療養中。
ワシム・ベン・タラ（チュニジア/ペルージャ）
昨季は宮浦のチームメイトだったチュニジアの大砲。上述のとおりチュニジアはオリンピックに手が届くポジションなのだが、今回のOQTにベンタラは現れなかった。正確なことはわからないが、母親がポーランド人であるため国籍変更の可能性があること、３０歳以下での海外移籍にペナルティ課すらしい(*1)チュニジア協会とうまくいっていないことあたりがチュニジアNT不参加の理由ではないか。サーブを打つ前のクセの強い動きに注目。
ちなみにNTは National Team つまり代表チームのことです。
マテイ・カジースキ（ブルガリア/ミラノ）
ツベタン・ソコロフ（モスクワ）、アレクサンダー・ニコロフ（ルベ）など錚々たるメンバーをそろえながら国際試合ではいまいちパッとしないというかむしろグダグダなブルガリアNT。そんなブルガリアにも2006年世界選手権３位入賞など輝ける時代があり、その中に皇帝はいた。その後師匠ストイチェフとともに連盟と対立し、以降代表チームには参加していない。かつての友人たちの呼びかけもあり、今年のOQTに現れるという噂もあったが、結局実現しなかった。年齢はいってるが昨年のイタリアでの活躍を見るとNTに入ってもおかしくない。
ロベルランディ・シモン（キューバ・ピアチェンツァ）もNTでの待遇の悪さや自身のコンディションの問題から、今後NTに参加する可能性は低そう。
ドラガン・スタンコビッチ（セルビア/モデナ）
長きにわたってルベを支え、キャプテンにもなった。イタリア市民権を得て、スポーツ国籍も変更したため、今後セルビアNTへの参加はナシ。さすがにピークは過ぎているで、招集されたかは微妙だけど、一歩たりないセルビアNTを見ると、スタンコニキがいてくれれば、と思うことも。セバスチャン・ソレ（アルゼンチン/ペルージャ）もスポーツ国籍変更組。こちらは銅メダルもとってもうやるべきことはやった、と。そういえばポニキも市民権は獲得したと思うんだけど、スポーツ国籍は変えてない。
ニミル・アブデルアジズ(オランダ/ハルクバンク)
イタリアリーグで限定したかったんだけど、やっぱりニッミは外したくないよね。ナミビア生まれで、両親の国籍はチャドとオランダ。今期もチャンピオンズリーグに出てきます。どうでもいいとこでスーパープレーを決め、ここぞでミスるキャラなんだけど、やっぱり代表では大黒柱。ところでアトランタを覚えてる世代としては、以降のオランダの衰退は残念(ビーチに人材が流れてる？)。
まとめ、その他
ドイツがパリ決定、ということでここで紹介する必要はない。本当におめでとう。
東欧からはブラド・ダヴィスキバ（ベラルーシ・モデナ）、ペタル・ディルリッチ（クロアチア・ミラノ）などなど、引き続き好選手が出ているんだけど、ヨーロッパは激戦区であるし、連盟とそれを支える国家基盤の弱さがあって、なかなかオリンピックは遠そう。
そういう中で、今回惜しくもパリ行きを（たぶん）逃した富裕国ベルギーと、インフレもなんのその、女子に引っ張られてバレー熱が盛り上がるトルコには今後への期待が高まる。ベルギーにはサム・デロー（カザン）とワウト・ディール（トレント）が、トルコにはラグンチャ兄弟（兄アディスはルベ、弟ミルザはハルクバンク）、ブルブル（ジラート）がいる。
最後に、ロシア勢ね。もしパリで日本がメダルをとっても「ロシアがいなかったからねー」と言われてしまうのは仕方ないところ。本当に平和を願うばかり。
ていうか、みんな知ってるような有名選手をいまさら紹介とか言ってもあんまり役に立たないな。まあいいか。要するにこいつらは俺のお気に入りなんだよ。
いつも読んでくれてありがとう！