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「人の役に立ちたい という想い」                                                                                          安倍嘉一さん      

こんにちは! 
今回は弁護士である、安倍嘉一さんにお話を伺ってみました。安倍さんから合氣道への想いや魅力をお伝えします。

安倍嘉一(あべ よしかず)
1975年生まれ。東京都出身。天通合氣道準師範 天通合氣道四段。
大学入学を機に合氣道を始める。
2005年弁護士登録。森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士。
赤坂教室責任者。現在は、子供と一緒に稽古に励んでいる。


習いはじめたきっかけ

― 大学サークルでの天通合氣道との出会い

もともと祖父の影響があり、丹田や呼吸法、合氣道といったワードは知っていて、大学に入ったら合氣道を学んでみたいと思っていました。
実際に入学した大学のサークルに入ってみると、気になっていた丹田や呼吸法を学ぶことができるとともに、技の稽古でも、身体の構造を捉えたり、理にかなった指導をいただいていたので、とても楽しく稽古をしていました(今でも!)。
合氣道の面白さに惹かれ、卒業後も稽古を続けています。今ではライフワークになっていますね。

仕事に活かす合氣道

ー 人の役に立ちたいという想い

大学在学中は合氣道のサークルにどっぷり漬かっていましたが、就職の時期を迎えたころ、自分がどうしたいのかを考えた時に、人の役に立てる仕事として弁護士を目指すことにしました。
私は企業の労働問題を専門にしていますが、弁護士という仕事も、法廷に立つ仕事のみをしているわけではなくて、コンサルタントのようにクライアントの業務が日々円滑に進むような仕組みづくりや、職場で起きた社員のトラブルの相談対応も行っています。

ー コミュニケーションの取り方

もともと私は、人と話すとなると緊張してしまいがちで、人と話すことがあまり得意ではありませんでした。
しかし自分が緊張していると、相手も緊張してしまったりしてお互いに上手く話せなかったりするんですよね。そんな時に稽古で行っている自分の落ち着きであったりリラックスした状態を日常的に実践していくことで、だんだんと緊張することも減ってきて、余裕を持った会話や応対ができるようになってきました。

ー 相手を打ち負かさないという考え方

合氣道の技は、力づくで相手を投げ飛ばしたり押さえつけたり、ということはしません。そういうやり方をするとその場ではよくても、相手には遺恨が残ってしまうんですね。だからといって、相手の言いなりになって物事を進めるのも違います。自身の安定した状態を保ちながら、相手が動きやすい方向や場所を見つけていきます。
私の専門分野である労働問題では、裁判で判決を得る前に話し合いによる解決を図ることが多いのですが、そのような場合にもこの考え方が活かされています。
和解の場では、一方的に自分の意見が正しいと主張しても、結果的によい解決方法にはならないことが多いんですね。
相手の意見を無理矢理曲げることは難しく、それができたとしても感情的にこじれてしまうと和解にはなりません。お互いが意見を持ち、お互いの意見が違うことは維持しつつも、お互いが歩み寄れる場所を探していくことが重要であると思います。
このように取り組んでいくと、相手の弁護士ともある種の信頼関係のようなものが生じることがあり、合氣道の「和」という考え方が、私が関わっている労働問題においても活かされていると感じられます。

ー 勝ち負けではない武道

勝ち負けを求めない武道である、ということも合氣道の特徴のひとつです。
投げて喜び、投げられて喜ぶという境地がありますが、投げが勝ち、受けは負け、ということではなくて、投げも相手を必要以上に痛めつけることはせずに(もちろんいざとなれば押さえられる状態ですが)活かすということを考える。
また、受身の本義は身の安全を守ることであるため、しっかり受身ができることでまたすぐに起き上がって次の動作に移ることができる。
試合形式で勝負をつけるものがありますが、私たちが生きている世界では、完全達成や目標達成をして勝ち続けていても、新たに敵が出てきます。
これをどこまでも求めていくとゆくゆくはキリがなくなって、勝ちも負けも立ち行かなくなってしまいます。
その点で、どうやって相手と戦って倒すのか、というところに重きを置くのではなく、自分が生きて、相手も活かすという合氣道の考え方が、自分としても共感が持てますし、仕事においても役立っていると感じています。

親と子の合氣道

ー 子供の成長への想い

毎週日曜日の赤坂教室の稽古に、子供と一緒に通っています。平日はなかなか接する時間がとれないことが多いので、親子の時間としても有意義に過ごしています。
本人たちには、満足がいく人生を歩んでいってほしいと願っていて、そのためにも選択肢を広げていける環境をできうる限りつくっていきたいと思っています。
合氣道での身体の使い方や心の持ち方などは、他のスポーツや分野においても基礎的なところにおいて応用できるものが多いので、そういった学びをどんどん吸収していってほしいですね。

ー 天通合氣道の魅力

健康教室で行っている内容が、とても魅力的です。
歳を重ねてくると、だんだんと、これからの生活に向けても健康や負担のない動きを身につけていきたいと思うようになってきました。
健康教室では、合氣道の動きや力の使い方を応用した方法で、身体のコリやハリの解消に役立つ身体操作や筋膜リリース・呼吸法などを行い、日々の調子を整えることに役立てていきます。
仕事中や歩くときの姿勢や歩き方をちょっと気をつけるだけでもずいぶんと身体が楽に動けるようになってくるんですね。
身体を楽に動かせると、パフォーマンスも安定してきますし、精神的にも楽になってくる。
このように日々の心身の調子を整えていくことに有効的である、と思います。



取材日:令和5年6月22日
記事:創立35周年プロジェクト班



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