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質問086:伸びのあるバックハンドスライスを打つには?

 回答ありがとうございました。
手間かけてすいません。


注 質問083に関して
さて、スライスの件ですが、確かに頭で色々考えすぎている部分はあります。
これは他のショット、特にサーブに言えるのですが自身のフォームが定着する以前は理論ばかりが優先しておりました。今ではやっとこさスピンとかスライスがある程度コントロールできるくらいにはなりましたが・・・。
それ以前は本当に試行錯誤の連続でした。


あれからまた色々考えたところ、バックスライスはスイング軌道に問題があるのではないかと考えております。先ほどは「グリップエンドから落とすような」と言いましたが、これが悪い気がするのです。厚く当たらず浮いたような打球になるのはこのためではないかと考えております。グリップエンドから落とす軌道ですから本当に上から真下に向かって振りおろすみたいな感じです。バックボレーはこれで逆回転が思い切りかかるのでいい(むしろ意識して強くかけないとアウトしてしまう)のですが、バックスライスではこれは不適切ではないかと思い始めました。

ですので、もうちょっとスイング軌道を緩やかにしたほうが厚く当たって伸びのあるスライスになるのではないかと思いますがいかがでしょうか?
そのためにはテイクバックしたとき、打つほうの面を少し寝かせて気持ち上を向くように構えるのです。そうすると何となく厚く当てやすい気がします。
本のデモやプロを見るとそういうふうにテイクバックしているように見受けられますし。
お願いします。

回答


▶思考を黙らせて、運動を感覚に委ねれば上手くいく


せっかくサーブで、考えないようになって、スピンやスライスをある程度コントロールできるようになったというのに、バックハンドスライスについてまた、あれこれ考えますか?
 
かのマイケル・ジャクソンは言いました。

「踊るときに考えるのは最大のミス。感じることが大切」と。

かのブルース・リーも言いました。

「考えるな、感じろ」と。

かの「インナー ゲーム」シリーズでは、セルフ1とセルフ2が出てきて、「セフル1を黙らせて、セルフ2に任せると、自然上達が起こる」と説明されています。

ニュアンスとしては、セルフ1が「思考」で、セルフ2が「感覚」です。
 
では、どうやって湧き起こる思考を黙らせて、運動を感覚に委ねるかを、5歳の子どもでもできるようにアレンジしたのが『究極のテニス上達法』というわけです。
 

▶0.1秒前の景色は見えないし、0.1秒後の音も聞こえないのだから


「どれだけリアルタイムに思えたとしても、考えるとは、0.1秒前でも0.1秒後でも、必ず過去か未来について」「一方感じるとは、今しかできない」
 
こう説明したのは、かのテニスゼロでした(笑)。
 
0.1秒前の景色は見えないし、0.1秒後の音も、私たちは聞くことができません。
 
1分前の味について思い出せるのは、「感覚」ではなく「思考」なのです。
 
つまりフォームについて考えるのは、「あのとき、ああだった」「これから、こうしよう」などという過去か未来について
 
ですがテニスというのは、今・ここ・この瞬間のボールに、リアルタイムで集中しなければ上手くいきません(理由は後述)。
 
ですから、考えるのではなく、感じることが大事なわけですね。

▶テニスでミスする原因は、「たったひとつ」


今・ここ・この瞬間に集中しなければ上手くいかない理由は、テニスでミスする原因は、「たったひとつ」だけだからです。

すなわち打球タイミングが、早すぎたか、遅すぎたか。
 
換言すればその早すぎたか遅すぎたかの間の、今・ ここ・この瞬間のタイミングでインパクトすれば、イメージするとおりの打球になります
 
つまり伸びのあるボールのイメージがあり、今・ここ・この瞬間の打球タイミングでぴったり打てば、伸びるボールになるのです。
 
ボールが浮いてしまうというならば、ご指摘いただいている「グリップエンドから落とすフォーム」に原因があるのではなく、打球タイミングが、今・ここ・この瞬間からズレたからなのですね。
 

▶かのシュテフィ・グラフを否定?

 
それが証拠にかつての女王であり、男女を通じて唯一の年間ゴールデンスラマーであるシュテフィ・グラフはまさにご指摘のとおりの、「グリップエンドから落とす」ようなスイングで、伸びのあるスライスを打っていました。


ゴールデンスラムは、四大大会に加えて、4年に一度しか開催されないオリンピックも制する偉業。
 
生涯を通じたキャリアゴールデンスラムの達成者には、アンドレ・アガシ、ラファエル・ナダル、セリーナ・ウィリアムズが名を連ねますが、その年の1年の間にすべてのタイトルを獲る年間ゴールデンスラムの達成者は、未だにグラフだけ
 
ロジャー・フェデラーも、ノバク・ジョコビッチも、マルチナ・ヒンギスも、車イス部門も含め絶対王者の国枝慎吾もなし得ていません。
 
そんなグラフの打ち方を、ありていに言えば「否定」していらっしゃいます。
 
「それでは伸びのあるボールにならない」と。
 
「浮いてしまう」と。
 
ある打ち方を肯定すれば、ある打ち方が否定されます。
 
ですから打ち方(フォーム)には、「正解はない」のです。

なのにテニススクールやユーチューブの動画レッスンなどでは、打ち方やフォームにいちいち○か×かをつけるから、話がおかしくなっているのです。
 

▶グラフのように打っても、グラフの打つようなボールにはならない

 
ですからもちろん、「そうしてください(グラフのようにグリップエンドから落としてください)」などと、言いたいわけではありません。

当然ですが、グラフのように打っても、グラフの打つようなボールにはなりません。

フォームというのは、プレーヤー個々の関節可動域や柔軟性、筋力、グリップの微妙な違い、あるいは単なる癖に基づき現れているだけだから、フォームは、イメージどおりのボールが打てるかどうかとは、一切関係ないのです。

ところが常識的なテニス指導ではあたかも、「グラフのように打てば、グラフの打つようなボールになる」というムチャ振りで畳みかけてきます。
 
では仮に「フォームが関係ないなら、後ろを向くようなムチャクチャなフォームでもイメージどおりのボールが打てるのか?」などと極端な反論をしてくる人もいます。
 
けれども、そんなムチャクチャなフォームになろうとするのも、あえて「意識」しなければできないはずですから、普通に打てばそれなりの合理的なフォームに、「なる」ものなのです(「する」のではなくて)。

▶「テニスネイティブ」になるための「言語化しない」メソッド


考えないためには、「言葉にしない」というのも大事ですね。
 
「テイクバックが…」「インパクトで…」「フォロースルーを…」などと言語化する内容は思考である以上、見てきたとおり必ず「過去」が「未来」について
 
ですから、言語化しない。
 
英語を聞いていちいち日本語に変換しようとするのではなくて、英語のままダイレクトに理解するかのごとく「テニスネイティブ」になれるのが、このメソッドなのですから。


即効テニス上達のコツ TENNIS ZERO
(テニスゼロ)
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スポーツ教育にはびこる「フォーム指導」のあり方を是正し、「イメージ」と「集中力」を以ってドラマチックな上達を図る情報提供。従来のウェブ版を改め、最新の研究成果を大幅に加筆した「note版アップデートエディション」です 。https://twitter.com/tenniszero