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【高校生Teeの映画館】No.26 ライオン 25年目のただいま  [あらすじ,見どころ,感想]

皆さんこんにちは、愛知県で高校生をやっているTeeです。

昨日の投稿にスキしてくれた方、ありがとうございました!!!


知っている方も多いと思いますが、新型コロナウイルの感染防止のため、今夏の甲子園大会の中止が決定しました。なんとなく予想はしていたんですが、実際無くなると本当に残念です。

僕もショックですが、一番辛いのは遊ぶ時間・勉強の時間・寝る時間を削ってまで、『甲子園』を目標に頑張ってきた球児本人です。

小さい頃からの夢が一瞬で破れた時の悔しさは、一般人には計り知れないです。未知なので想像もつきませんが、相当苦しいと思います。

無観客でもいいから、秋でもいいからやればいいのにって思うんですけどね。このまま終わるのはちょっと切なすぎます。

僕に力があったら全国の球児のために何か出来たのかな・・・。なんて考えています。


それではいきましょう。



今日紹介するのは2016年公開のドラマ映画『ライオン 25年目のただいま』です。これは、1986年に5歳で迷子となり、そのままオーストラリアの夫婦に養子にもらわれて育ったインド人男性の実話を元にした映画です。困難に立ち向かいながら強く生きる主人公のサルーの姿にとても元気をもらいました。『実際に自分が同じ立場になったら。』と、サルーと自分を置き換えて考えてみてください。

ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです。


【監督】ガース・デイヴィス 【時間】129分


《あらすじ》

1986年、インドのカンドワ。荒涼とした丘腹の道を歩いてゆく幼い男の子と、その周りには沸いたように飛ぶたくさんの黄色い蝶。男の子の名前はサルー、まだ5歳です。「サルー!行くぞー!」丘の上からサルーに声をかけたのは彼は彼の兄グドゥです。

近くの線路へ出かけ、走ってきた貨物列車に飛び乗った2人は、積まれていた石炭を用意していた風呂敷に詰め込みます。石炭泥棒です。盗んだ石炭を町で牛乳に換えてもらった二人は母親カムラの待つ家に帰り、家族で牛乳を飲みます。幼い妹シェキラもいる家庭は貧しく、シングルマザーのカムラは夜中に採石現場で働く毎日を送っていました。

その夜、グドゥの仕事について行ったサルーは、夜仕事に慣れていないため駅のベンチで眠ってしまいます。困り果てたグドゥは「仕事を見つけてくるから、ここで待ってろ」とサルーに声を掛け、プラットホームから降りてその場を去ります。

しかし、いつまで経ってもグドゥは戻って来ません。不安になったサルーはグドゥを探してドアの開いている列車に乗り込みますが、再び睡魔に襲われ、車内で眠ってしまうのです。


《注意》これより先はネタバレになります。






サルーが目を覚ますと、なんと列車は動き出していました。降りようにもドアはロックされていて、運転席に向かうことも出来ず、列車が停まるまで待つ羽目になります。1600キロを延々と走った後、列車はカルカッタで止まります。続々と乗り込んでくる大勢の乗客をかき分けて駅へ降りたサルーは、全く見たことのない駅の様子に戸惑います。

自分の村「ガネストレイに帰りたい」と伝えるものの、そこは同じインドでもサルーの使う言語とは違うベンガル語を使う地域で、駅員にも他の乗客にも助けてもらうことはできませんでした。

何をすればいいのか、どこに行けばいいのかも分からないサルーはグドゥを見つけるため、ただひたすらに走り続けます。喉は川の水で潤し、飢えは寺院のお供物で何とか凌ぎながら何日も走り続けるのです。しかし、グドゥは見つかりませんでした。

体力の限界を迎えたサルーが駅のホームで座り込んでいると、一人の男性に保護され、そのままサルーは国の経営する孤児院に入ることになります。そして数日後、サルーは養子としてオーストラリアの家庭に貰われる事が決まるのです。

養子先のブライアリー夫妻は優しく、裕福だったため、サルーにクリケットやクルーザーの運転など様々なことを教えました。

それから20年が経ち、25歳になったサルーはタスマニアを離れ、ホテル経営を学ぶために1人メルボルンの大学へ進学していました。やがてクラスで知り合ったルーシーという女性と付き合うようになります。友達にも恋人にも恵まれたサルーは何不自由なく幸せな生活を送っていました。しかし、自分が順風満帆な生活を送れば送るほど、20年前に生き別れたインドの家族への想いは募るばかり。

そしてサルーは、人生を取り戻し未来への一歩を踏み出すため、故郷の母と兄に、あの日言えなかった〝ただいま″を伝えるために決意するのでした。

「家を探し出すー」と・・・。


《見どころとポイント》

⚫︎5歳には厳し過ぎる迷子

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この作品を紹介している記事の多くは、「サルーが迷子になって、その次に・・・」と、全然迷子について深堀りしていないんですが、冷静に考えて観てみるとこの、サルーの迷子って僕たちの知ってる迷子のレベルを遥かに超えているんですよね。

最初に、兄の言葉を無視して電車に乗ってしまうシーン。ここでの僕から見たサルーの印象は、「何やってんだよ!黙ってベンチに座ってろよ〜」←と、こんな感じでした(笑)

そして案の定走り出してしまう電車。ここから死亡フラグビンビンの壮絶な旅が始まるのです。


ポイント①田舎だから駅と駅の距離が遠すぎる!

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駅と駅との距離が短ければ次の駅で降りて、何とか戻れそうな気もするんですがサルーの乗った電車は山奥の超田舎を走っているため、全然止まらないんです。だって、駅がないんだもん。結局、電車は1600キロも離れた場所でようやく止まります。

ポイント②迷子の舞台がインド

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僕たちの想像する迷子って、ショッピングモールとか、規模が大きいものでもテーマパークとかですよね。でも、この少年の迷子の舞台は総人口13億人越えのインド全域なんです。5歳児が13億人の波に飲まれるなんて、想像するだけでも恐ろしいですよね。実際にサルーがカルカッタの駅に着いたシーンではホームが人で溢れかえっています。

ポイント③言葉が通じない

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僕的にはこれが一番怖いですね。迷子になっても、まだ言葉が通じればどこから来たかなどの、帰る手がかりが見つかるかもしれないですが、サルーはそれすらも出来ないんです。しかも13億人規模の場所で…。こんなの大人でもキツイですよ。僕たちは日本で迷子になっても、標準語を話せば通じますが、インドは多様な言語が飛び交う所。迷い込んだ先が、言葉が通じないなんて想像を絶するでしょうね。

ポイント④人攫い

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これまで話してきた3つのポイントでも、相当の恐怖なんですが、そこに追い打ちをかけてくるのが「人攫い」の存在です。走り疲れたサルーがゆっくり眠ろうと思ったら、そこに人攫い集団が来て周りの子供たちを次々と捕まえていったり、やっと手を差し伸べてくれた優しいお姉さんもまさかの人攫いだったりと、行く先々にロクな大人がいないんです。


●GoogleEarth

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25歳になったサルーは、オーストラリアの大学で出会った友達から『GoogleEarth』の存在を聞き、それを使って家族を探すことを決意します。

非常に現代的な方法で一見苦労しないように思えますが、それが、そう簡単にいかないんですよね。さて、このGoogleEarthが家族探しにどう役立ってくるんでしょうか。大きな見どころのひとつです。


●ラストのナレーションのシーン

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サルーが家族を見つけられるかは置いておいて、最後に2分ほどのナレーションがあります。そこで、20年前のあの日、兄の帰りが遅かった理由、大人になったサルーの知らない真実などが次々に明かされていくのです。(ちなみに、1番泣きました)



《高校生なりのまとめ》

さて、ここまで『ライオン 25年目のただいま』について、紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。

僕は、結末まである程度予想がいたにもかかわらず、実際に映像でそのプロセスを追っていくと、改めてその奇跡的な出来事の連続と家族の強い愛情を描いたストーリーに否応なく感動させられてしまいました。

「自分とは何者なのか?」という問い。これは人間にとって、いつの時代においても究極の疑問だと思います。

そして、新しい人生を切り開いていく時、その前に自分の過去を振り返ることでまず自分自身をよりよく知りたいと考えるのは、非常に自然な人間の根源的な要求なのだと思います。

映画内でも、オーストラリアで温かい家族、彼女や友人に恵まれ、金銭的にも豊かで何不自由無い大学生活を送っていたにも関わらず、サルーは記憶の断片がフラッシュバックしたことをきっかけに、自分自身のルーツを探ってみたい!という強い思いにとらわれていきます。

「自分探しとかしてる暇があったらさっさと行動を起こせ!」という人もいますが、人間が未来に向けて前向きな行動を取りたいと思う時、どうしても自分の過去やルーツとしっかり向き合わなければならない場面が必ずあるのだと思います。

映画を観て、これほど過酷な運命に遭ったサルーが、温和な大人へと無事に成長できたのは、彼の二人の母親や、家族、恋人の愛情がベースにあったからなのだということを強く感じました。

本作は、実話を元にした再現映像のようなものですが、エンドロールには本物の感動が詰まっています。

ぜひ観て下さい!!!



【予告はこちら】


親切に最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

次回もお楽しみに!



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