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【書評・感想】大人の教養知識として知っておくべき「歴史の法則性」

参考文献
・『ガイアの法則』千賀一生
・『ガイアの法則II』千賀一生
・『文明と経済の衝突』村山節、浅井隆


歴史には法則性がある。
こう聞いたら皆さんはどう思われるでしょうか?
法則性があるのだとしたら、コレまで人類文明はその法則性に従い、勃興、衰退してきたと言えます。
「文明がそんなものに左右されるはずがない」
と、一般的に考えるのが普通ですし、学校ではそんなこと教わりもしませんでした。

結論から言うと、歴史には約1600年周期のサイクルがあり、その中にある小さな約800年サイクルで、東西は文明の勃興・衰退を繰り返してきました。
この説を最初に唱えたのが、村山節さんという研究家です。

論より証拠。順番に見ていきましょう。


これまで起きた文明

人類最初の文明と言われるシュメール文明。今から約6400年前に生まれました。ガイアの法則ではココから1600年周期で高度文明が東西で繰り返しながら勃興したと言っています。

世界文明図:『文明と経済の衝突』より参照

上の図をご覧ください。
この図ではエジプト文明より以前の文明が省かれていますが、この図のように螺旋状に東と西で交互に文明が栄えています。

直線より上にある約800年の曲線がその時期に栄えた文明で、その下にあるのがその時期に衰退、あるいは栄えていなかった場所、時代です。

私たちが現在生きているこの時代は、今から約800年前にイギリスを中心として栄えました。アングロサクソン文明とも言われます。
当時のイギリスにアングル族、サクソン族、ジュート族などが侵入し、ケルト族をアイルランドに追い払った形です。

この800年はルネサンス文化の発達だったり産業革命だったり、西側の国々が2度の世界大戦を制するなど主に西で文明が栄えましたが、一方でアジアや東の文明は栄えませんでした。
※日本や中国が経済的に力をつけてきたのもこの800年の最後の50年くらいです。

長い間、西側の植民地にもされていました。スペインはインカ帝国をポルトガルはインドをイギリスはアメリカ大陸や中国(清)を、という感じで。
今では資本主義と民主主義がパッケージとなり世界に浸透していますが、これも彼らから発祥しているし、世界共通言語の英語も彼らの言語です。今の西洋科学の基盤ができたのもこのヨーロッパからです。


その前の800年は紀元後500年頃のササン朝ペルシャから始まり、唐文明が栄え、最後の100年1200年代にはチンギスハーンが世界統一をしました(400年年代〜1200年代)。
この間、一般的には中世のヨーロッパは悪魔の時代を送った、なんて言われたりもしますね。

その前はギリシャから始まりローマ帝国までの800年(紀元前400年〜紀元後400年)です。
さらにその前は、バビロンを滅ぼしたアッシリア帝国から始まり最後の100年には秦の始皇帝が天下統一します。
※因みに、この東征があったため仏像などが中国や日本に伝わる要因となっています。
仏陀が居たのは約2500年前でこの東征は約2400年前です。

ま、図に書いてある通りなんですが、歴史はこんな感じに動いていることが分かると思います。

細かい分析については省きます。もし、気になった方がおられましたら、是非、調べてみてはいかがでしょうか。わたしもいずれこのことが正しいか調べてみたいと思います♪


800年周期説について

さて、今回話したいのはこの法則性の信憑性や正誤についてではなく、この法則性からこれからの時代を生き抜くために読み解けることは何か、ということです。

先ほどの図には、今の西洋文明の次はアジア文明にシフトチェンジすると書かれています。
そもそも、この法則性をどうやって見つけたのかと言うと、村山さんは「DNA」から着想を得ました。
生命の法則性が先にあって後にDNAの法則性が出来たと解釈(生命の法則は地球に関わっていて変更がきかないから)。

DNAは二重螺旋構造になっていますが、その中身はデオキシリボ核酸とリン酸の2本の鎖がスパイラル状に伸びています。さらにその内部は塩基が対関係作っています。
地球には昼と夜があるように、また、人間には活動期と睡眠期があるように、季節には夏と冬があるように、男と女があるように…と、文明にも対となっているサイクルがあるということです。
地球上の全ての生命に共通するDNA🧬も同じように、それぞれ配列が異なる塩基が対となっています。

これとは別に地球そのものにも法則があります(生命の外的環境要因)。地球は地軸が垂直ではなく少し傾いています。だから、北半球と南半球で「夏至」と「冬至」の時期が違うと思います。
文明が東西で入れ替わるのに対して地球は南北で分かれているわけです。

動物はこの影響を受けています。例えば「渡り鳥」やマグロや鮭の大移動など。他にも移動する動物はいっぱいいます。
コレと同じで人間も地球や宇宙の影響、あるいは気候変動などの影響を受けながら、民族も「移動」して、文明が入れ替わってる、というわけです。
どの文明も必ず、その準備として他国から民族が大移動し、定着した場所で文明を栄えるための準備期間(夜)を過ごし、その後、文明を開花(夜明け)させるわけです。

既にお分かりかもしれませんが、以上のことを踏まえると一般的に言われる5世紀〜13世紀の中世のヨーロッパは「悪魔の時代」と言うのはおかしいですね。
「準備期間」は悪いものではありません。必ずどの文明も辿ってきました。今の西洋文明では文明を直線的に発展したと考えていますが、そうではなく、いつの時代も栄えた文明というのは最初の800年の準備期間で培った価値観や民族性、技術、芸術性などを基に開花させます。
だから、今の西洋文明も5世紀〜13世紀で蓄えた価値観や芸術性などを基に花開いているのです。
※1600年の1セットが終われば、それが次の1600年に組み込まれるということはほとんどない。新しい1600年が始まるイメージ。どの文明も1つの個性に過ぎない。


次の時代はどんな時代?

さて、色々話してきましたが肝心なのは次の800年です。およそ、2100年代〜2800年代が東の番でしょう。
文明が入れ替わるとき少しズレがありまして、それが大体100〜150年くらいらしいです。

どの文明も最後の100年に集大成を飾るので、最も花開く時期です。だから、ココからもう80年くらいは西洋文明が続きます。元帝国も秦の始皇帝もローマ帝国も最後の100年前後の話です。最後の打ち上げ花火みたい感じでしょうか。

この西洋文明は科学技術、金にものを言わせた時代でした。ものすごい勢いで発展しましたし、今後80年でそれが更に花開くのでしょうけど、一方で環境も沢山破壊してきました。貧富の差も広がりました。この800年は技術進歩が凄かった(1つの個性)代わりに、哲学や社会科学、人々の幸福的なものが著しくしょぼかった時代です。

先に1600年で1セットと言いましたが、その前の文明の技術などが全て失われるわけではありません。ふるいにかけられるのです。
例えばですけど、人類を一瞬で滅亡させる力を持つ原爆は果たした今後必要でしょうか?コレまでの800年に培われなかったものが次の800年で発展していくでしょうし、原爆や環境・人間を破壊するものはどんどん無くなっていくと思います。時代に合わないからです。

西洋文明が栄えている影でこの800年間、次の時代の基礎づくりをしていたのが東アジアを中心とする国々。その中でも中心が日本だということです。

ガイアの法則でいう"スピン"もちょうど日本の淡路島を通っていますし、コレまで説明してきた次の時代が新しいものを付け加えていくという観点から見ても、環境や人と調和して生きていく価値観が最も根付いているのは日本です。

西洋文明が発明してくれた本当に素晴らしい技術だけを残して、あとは、東アジア文明が哲学や人々の幸福などをカタチにしていく、というイメージです。


長くなっちゃいましたけど、この本を読んでとても感動しました。地球も生きていて、壮大なスケールで"成長"しているのだなぁと。
その中で生きているわたしたちも恵まれているし、時代の変わり目にいま生きていることは最も幸せでしょうね😄


この情報が有益なものとなれば幸いです。
今日も最後まで見ていただきありがとうございました♪

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