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「値下げして販売数量を増やす」「安売り競争」という悪意

ゴーンの北米での販売戦略について、一時期タイトルのような報道が凄くされていて、わたしはプロパガンダやってんなあ、と思ってみてました。

先の記事でも触れましたが、販売数量を増やすと固定費が分散されるので、安売りして販売数量を増やすことは、利益が直ちに減ることを意味しません。

原価割れしてまで安売りすることをダンピングと言います。
これは国によっては規制されています。

ただ、ダンピングしてまでして市場を維持する必要があるケースもあります。この辺りはマーケティングやってれば分かると思います。
やったことがない人はこれが理解できません。
利益が出ないと考えて市場から撤退してしまうと、新たな参入を許してしまい、そっから市場を食い破られる可能性が出てくる。

テスラなんてそうですね。
じつは、典型的な市場参入のパターンです。
利益を考えてBEVに市場参入しなかった大手メーカーはみんな出し抜かれてしまたった。(もちろん技術的な問題も大きい。)テスラの参入を許さないためには早期になんとなくでもBEVを投入して防御すべきだった。でも、出し抜かれたことに気が付いて、すぐに追い上げてるメーカーはまだ賢い。
(ちなみにテスラより先行していた企業もいくつかありました。ビジネスとしてガチンコで市場参入してきたのがテスラでした。)

えっと、こんな後付けみたいな話しをしたいわけじゃなくて、イーロンは経営感覚にも優れた技術者だったということを言っています。専門バカじゃなかったってことです。

ようするに上で話したことは、
固定費や原価の知識がないと、安売り競争が悪だと思い込んでしまうパターン。
一方、マーケティングやってない人は、会計的な利益を重視して事業選択で失敗してしまうパターン。
の二つ。

イーロンは、このごくごく当たり前の話だけど、容易に陥りやすい二つのバイアスを突破してきた、ということです。
コストをちゃんと理解して操れてるんです。
だから回収型ロケットを開発したり、それを打ち上げまくってるでしょ?単に技術力じゃなくて、いろんな知識が連動している。私にはそれが明確に見えています。日本人が武士道精神フルパワーで、ブラック労働で回収型ロケット作ろうとしても無理です。まるで基本が違うんですよ。発想が生まれる土壌が。まるでちがう。

重要なことは、論理と感覚(嗅覚)で、日本人にはどっちも無理です。
じゃあどうすればいいんだよ!
鎖国しかありません。

おわり

後付けの話みたいなのが多くなってしまいました。
バタバタしながら書いているのでご容赦ください。

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