見出し画像

名作劇場「童話の世界から:日本編」vol.15「へっこきあねさがよめにきて」

へっこき嫁の笑話です。

とんと むかし、ばばさとあにさがあって、あにさは、嫁さんをもらったと。嫁さんは、きりょうよし、おとなしく、はたらきものだった。

しかし、嫁さんの顔が「あおらあおら」してきて、ばばさが心配で聞くと、
「おら、あの ほんと いえば、へが でたくて……」

「がまんしてたら からだに わるいでな、なんぼでも、こいて みろさ。」

「ほんとに、こいても いいべかのし」

「ああ、いいどこでね。」

すると、あねさは、ぼんぼん ぽかーん

嫁さんのストレスは腹のなかに溜め込まれた屁。それが、ぼんぼん
 ぽかーん、ぽんが ぽがーっ ぶうが ぶおーっという屁で身もこころも解放されますあにさは、びっくらこいて、「おら うちに おいとけね、さとへ かえれ」といったと。

家に帰されることになった あねさ。

最後の大きな屁で、あにさは、空高く飛ばされ、庭先の畑に落ち、目をまわしています。

屁をしただけで、嫁を里に帰すあにさの行為に対する懲らしめのようにも感じます。

笑い話ですが、封建社会における「嫁」の立場がよくわかる話です。

「むかしの よめさんは どんな つらい こと あっても、「へい、へい」って しゅうとめさんに つかえなければ ならなかったもの」と文章
にある通りです。また、あねさを里に帰したり、「たからよめ」だと
わかると家に戻すあにさ(夫)の身勝手さも見えます。

※『 へっこきあねさが よめにきて 』 大川悦生作、太田大八絵、ポプラ社  1972年
出典は現代の様ですが、なんともコミカルで現代風です、物語そのものは空想だとしても笑える内容になってはいますが、教訓も含まれているのでは・・・?

子供用の物語って実は真剣に読んでみると凄いことが書かれていたりする
ものではありますが、どうやらこれにはそのような意味深なミステリアスの要素はないようですが、作者の真のメッセージとは何か?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?