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名作劇場「童話の世界から:日本編」vol.8「さるかに合戦」

むかしむかし、カキの種(たね)をひろったサルが、おいしそうなおにぎりを持ったカニに、ばったりと出会いました。

サルはカニのおにぎりが欲しくなり、カニにずるいことを言いました。

「このカキの種をまけば、毎年おいしいカキの実がなるよ。どうだい、おにぎりと交換してあげようか?」

「うん、ありがとう」

カニは大喜びで家に帰り、さっそくカキの種をまきました。

そして、せっせと水をやりながら、
♪早く芽を出せ、カキの種
♪出さねばはさみで、ほじくるぞ

すると、さっきまいたカキの種から芽が出てきて、ぐんぐん大きくなりました。

カニはカキの実を取りに行こうとしましたが、カニは木登りが出来ません。

困っていると、さっきのサルがやってき、スルスルと木に登ると、自分だけ赤いカキの実を食べ始めました。

そして、サルはカニに、まだ青くて固いカキの実をぶつけました。

 大けがをしたカニは、泣きながら家に帰りました。

お見舞いに来た友達の臼(うす→もちをつくる道具)とハチとクリにその事を話したらカンカンに怒り、サルは報復を受けるのでありました。

さるかに合戦は、日本の民話の一つでいつどこで出来たというより様々な似通った話があるようですが江戸時代にはすでにあったようです。

また多くの派生した作品があるようです、話のキモとしては勧善懲悪と言いますかいじわるやズルイ、騙すようなことをしてはいけない、そうすると因果応報に巻き込まれますよ・・・と言う教えを伝えたいのでしょうか?

文豪、芥川龍之介の作品にも「猿蟹合戦」という短編があります。

どうやら地域や作者によって登場するキャラ設定が違ったりストーリーも微妙に違うようですが、それこそ地域や時代や作者の違いがあるってこと。

因果応報を分かり易い物語にした作品ではありますが、原典では臼に押し潰
されて息も絶え絶えの猿を蟹たちが頸動脈を切って殺すという凄まじい終わり方だったりもするようです。

正しい、間違っている、行き過ぎ、いや丁度良い?~など個々人の感性で違うし、TPOの違いも大きかったりしますね。

大切なのは、物語に触れどう思うか、教訓なのか反面教師なのか、自問自答して自分の生き方に役立てていくことでしょうか?

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