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日本語は難しい?使い方間違っていませんか?Vol.3「小春日和」

こはるびより、とは「初冬の穏やかで暖かい日和」のこと。いかにも小春らしい日のことです。

「陰暦十月の異称」でもあります。陰暦10月はほぼ現在の11月に相当します。

小春は春ではありません、ここで使われている「日和」は「空模様、天気、特によい天気」のことです。

「小春」という言葉は古くから使われていて、鎌倉時代後期に書かれた、特によい天気のことです。

実際の用例を文学作品から見てみましょう。堀辰雄の小説と島崎藤村の随筆からの引用です。

冬はすぐ其処まで来ているのだけれど,まだそれを気づかせないような温かな小春日和が何日か続いていた。堀辰雄 「菜穂子」 (昭和16年)秋から冬に成る頃の小春日和は,この地方での最も忘れ難い,最も心地の好い時の一つである。  島崎藤村 「千曲川のスケッチ」 (明治44年)

正直自分も「こはるびより」は春だとばかり思っていました、助かりました。

平成26年度の文化庁「国語に関する世論調査」に「小春日和」の意味をたずねる設問がありました。

結果としては、本来の意味である「初冬の頃の、穏やかで暖かな天気」を選択した人がいちばん多かったのですが(51.7%)、本来の意味とは違う「春先の頃の、穏やかで暖かな天気」と回答した人も少なくなかったようです(41.7%)。

誤用を避けるために、旧暦10月はかつて「小春」という別称であったということを覚えておくとよいとのことです。

日本には四季があり春夏秋冬、それぞれの季節で気候の他草木や空、木々の青葉から枯れ葉にいたるまで本当に色んな表現がされています。

そこで生まれてくるのが「季語」ですが、まず二十四節気(にじゅうしせっき)があります、旧暦が使用されていた時代に、暦と実際の季節の間で生じるずれに対応するため、用いられていた区分方法です。

また、春夏秋冬の区分に関しては、「立春(2月4日頃)」「立夏(5月6日頃)」「立秋(8月8日頃)」「立冬(11月7日頃)」を境に分けられています。

七十二候は二十四節気を細分化したもので、気候を表します。

一気を初候・次候・末候の三候に分けるので、合計72個になります。

カレンダーに二十四節気七十二候が記されたものもありますが、一年を72に区切っていますので単純計算5日間で呼び名が変わるってことです。

自分の生き方の目標カレンダーに活用出来たら良いか知れませんね!


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