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メンタルヘルスを知ろう!~そのイメージもしかして…メンタルイルネス?~

「メンタルヘルス」という言葉はもう一般的になりましたが、この言葉からどんなイメージが連想されますか?


もしかすると、精神疾患のイメージが伴う方も多いのではないでしょうか?これはきっとメンタル(ヘルス)不調という使われ方が多いからかもしれませんね。

もちろんメンタルヘルスとメンタルイルネス(精神疾患)の関連はあります。
しかし、この2つをちょっと掘り下げるとその違いが見えてくるだけでなく、重要性にも気付いて頂けると思いますので、今回はメンタルヘルスの大切さについてお伝えします!


まず、メンタルヘルスとは?についてですが、この言葉はメンタル(精神的な)とヘルス(健康)で形作られており、「心の健康」と呼ばれます。

メンタルヘルスを大きな枠で捉えると「健康を構成する本質的かつ不可欠なもの」とされ、その健康とは”身体的・精神的・社会的に満たされた状態であり、単に病気や障害がない状態ではない”とされます。

さらに、上記のような健康に不可欠とされるメンタルヘルスは「個人が”生活上のストレスに対処できる能力”や”生産的に機能してコミュニティに貢献することができる能力”を実感している状態」を指します。

そしてWHOはこの状態をウェルビーイングと呼んでいます。
※ウェルビーイングは英語表記だとwell-being、well:良い/being:存在(~であること)と分解でき、まさに”良い状態”を指す言葉だと考えられますね。

ウェルビーイングという言葉はたくさんの定義が存在しますが、その多くに”Feeling good(ポジティブ感情を感じていること)”と”Functioning good(よく機能していること)”が含まれることからメンタルヘルス(心の健康)とウェルビーイングは密接に関係していると考えられますね。


ここまでの説明におけるメンタルヘルスの特徴は「~できる状態」を指していることです。
冒頭で触れた精神的に疲れているイメージとは反対に位置しているように見えませんか?

さらなるメンタルヘルスの特徴としては以下の2点が挙げられます。
①精神疾患がない状態以上を表す
②メンタルヘルスなくして健康はない

つまり、メンタルヘルスを促進していくことは個人から組織、社会に至るあらゆる側面で良い状態を作り上げていくことに繋がります。結果として社会全体の活性化が期待されますね。


では、メンタルイルネスはどうでしょうか?

メンタルイルネスという言葉はうつ病、パニック障害、不安障害などいわゆる精神疾患との結びついています。また、メンタルヘルスとメンタルイルネスの関係を調査した研究によると、負の相関にあることが報告されています(一方が高まると他方が低くなること)。

ここまで見るとそれぞれの言葉は別物であることがわかりますが、この2つは全く異なる場所に存在するというよりも連続性が想定されています。
※連続性:一本長めの線を引いてみて、それぞれの両端にメンタルヘルスとメンタルイルネスを書いてみるとイメージしやすいです。

つまり、メンタルヘルスを促進することが精神疾患の症状を緩和・予防に繋がります。


ここでよくある誤解を1つ解かせてください。
それは「精神疾患や障害を経験していると上記のようなメンタルヘルス(ウェルビーイング)を促進できないのでは」ということです。

これは全くの誤解です。

一番最初に説明した健康に立ち戻ると、「単に病気や障害がない状態ではない」ことがポイントです。

そして、メンタルヘルスとメンタルイルネスが同じ直線上のそれぞれの端に存在することを思い出してみてください。
直線上にあるということは、意図的にメンタルヘルスを促進することで直線上での位置が少しずつ変わっていきますよね。

実際にメンタルヘルスを高める活動を通して精神疾患の症状が緩和してウェルビーイングが向上したという調査報告が数多く存在します。

精神疾患や障害の有無に関わらずメンタルヘルス(ウェルビーイング)を高めることは可能です。


ただ、もちろんメンタルヘルスやウェルビーイングは一朝一夕に高まるものではないので継続したトレーニングが必要になります(筋トレのイメージと同じです!)。
そのトレーニングの効果はとても大きく、1ドルのメンタルヘルスへの投資が3~5ドルで返ってくると言われるほどインパクトがあります。

メンタルヘルスを促進するとひとりひとりのウェルビーイングが高まるため、生産性が上がることが期待され、企業であれば結果として業績が上がるのも納得ですよね!(もちろん、学校でも学力向上が期待されます)

そして、ウェルビーイングを構成する要素には”良い人間関係”が含まれることから「自分の価値を感じられる場所が増える」ことも期待できますね。



さて、今回はメンタルヘルス(心の健康)とメンタルイルネス(精神疾患)の違いやウェルビーイングとの関係をお伝えしましたが、いかがだったしょうか?

もしかすると、この分野は言葉のイメージが先行して負の感情を生み出すものが多々あるかもしれません。
しかし、今回の記事を通して「正しく知ることがより豊かな生活に近づくための第一歩」であることが伝わっていると嬉しいです。

さらに、メンタルヘルスやウェルビーイング促進に興味を持って頂けるとさらに嬉しいです!


それでは、次回の記事でまたお会いしましょう!

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